慶應付属高校  偏差値38以上

早稲田付属高校 偏差値40以上

 

これが2024年度、早慶の自己推薦で必要な内申点でした。息子はギリギリ38だったので慶應志木の自己推薦に出願する事にしました。(戦友たちは早々に内申を切り捨てていたのに、心配性の息子はサピックス中学部に通いながら、地道に学校の勉強やって内申を確保していました。それが果たして良かったかというと...足りなかった方が諦めがついて一般入試に専念できていたのではないかと思います。)

 

自己推薦のメリットとしては受験するチャンスが1回増えますが、受ける事によるデメリット(リスク)については深く考えていませんでした。実際に経験して分かった事について書きます。早慶を目指してサピックス中学部や早稲アカなどに通い、自己推薦入試も受けるべきか考えている親御さんの参考になれば幸いです。(もちろんあくまでも我が家の体験談であり、ご家庭によっては事情が異なる場合もあります。予めご了承ください。)

 

下記は我が家が経験から分かった自己推薦のリスクについてです。

 

1.準備に時間を要する

まず書類選考があります。書式をWEBよりダウンロードしてプリントアウトして記述します。書式は大きく3つの項目がありました。

 

a.志望理由

b.熱心に取り組んだ事柄、そこから得たこと

c.高校で学びたいと考えていること

 

各項目は文章が長すぎても入りきれないので、要点を絞って文章量を調節しなければなりません。子供の文章力が求められ、下書きをして何度も書き直しをして完成度を高めるのは時間がかかります。息子は学校やサピックスの先生にチェックしてもらいました。これに実績などがわかる資料を書式に貼ります。スポーツの結果(賞状)、英検結果などをコピーして貼りました。内容もさることながら、字も綺麗に書かないといけない、誤字脱字があったら書き直しと、地味に時間がかかっていました。

 

2.面接の準備もしないといけない

書類選考の合格発表翌日には面接があります。なので書類選考に通るか分からないのに、面接の練習をしなければいけません。(書類選考で落ちた場合、この努力は無に消えます。)息子は中学、サピックス両方で先生に時間を作ってもらい何度も練習していました。

 

3.不合格が予想以上にキツかった

息子の場合、書類選考は通りましたが面接で落ちました。自己推薦は落ちた場合の精神的なダメージが大きかったです。自己推薦で落ちるのは例えて言うなら、好きだった人にフラれてしまうような感覚です。自分のどこが悪かったの?一方的に相手から別れ話を切り出される感じに似ています。しかも、その1週間後には本格的な一般受験シーズンがスタートします。我が家ではそのダメージを引きずったまま突入してしまいました。ゲッソリ

 

 

自己推薦型入試とは?

そもそも自己推薦型入試とは、学力検査だけでは測れない生徒の個性や活動実績を評価する目的で行う選抜方式のことです。どちらかといえば進学塾でずっと勉強している子よりも、部活等で思いっきり頑張ったなど中学3年間で貴重な何かを学んだ子を対象にしている感じです。特に志木では部活の実績よりもそこから学んだ事を重要視していました。自己推薦の「席」はそういう子達の為に用意されているものであって、サピックス中学部や早稲アカで必死に勉強して、一般受験で十分に合格できる実力がある子たちがその「席」に座ってしまうのは、自己推薦型入試の本来の意図とは違う気がしました。息子には「あなたは一般入試で合格して入ってきてください、っていう事だと思うよ。」と言っています。

 

ここからは余談です。

以前、中学校の先生から聞いた話です。

 

「以前、日比谷を自己推薦した子がいて、その子は成績はオール5。内申もパーフェクト。性格も良くて、先生方はみんな、この子だったら日比谷の自己推薦、受かるだろうって思っていたんですよ。そうやって送り出したんです。でもねぇ、落ちちゃったんですよ。自己推薦の審査基準って全く分からないんですよ。本当に分からないと思いました。」

 

この話を聞いた時、あなたみたいな優秀な子はぜひ一般入試で入ってきてくださいという事なのか?そう思いました。

 

自己推薦型というのは一般入試とは全く違う価値観での入試方式なので、サピックスでも一般入試を目指して努力している生徒が受けるのを積極的には推奨していませんでした。保護者会でも「自己推薦というのは受かればラッキーという程度に考えてください。」と説明していました。

 

サピックスや早稲アカで必死に勉強しながらも、内申点が38や40を超えると「自己推薦」を受けるか、受けないか、悩むご家庭も多いと思いますが、そもそも入試形式が一般入試と大きく異なり、その準備の為に時間を割くより、一般入試に集中した方がいいと個人的には思います。(もちろん中学時代の子どもの活動状況によっても異なります。)