先夜、NHKBS2で映画『カサブランカ』を見た。
“名画座”で見たこともあるし、以前テレビ放映された時も、何度か見ている。
しかしながら、今回見て、自分のいい加減な記憶にあきれてしまった。
イルザは美貌と潤んだ瞳でリックを虜にする。
リックのプロポーズに浮かない顔のイルザ。
パリを脱出する日に、彼女を迎えにいくというリックに駅で待てと言うイルザ。
ここで気がついてよね~リック。イルザは本気で自分を愛しているんじゃないってことにさ~。
ま、潤んだ瞳を持った美しい女を手放したくないって気持ちはわかるけどね。
リックの店で、イルザが、「思い出の曲」をピアニストにリクエストするのだが、顔なじみの彼は『意味が解らん』、とか『覚えていない』、などと断る。彼女の魂胆がわかっているかのようで、なんとも小気味いい。
これまでは、知っているくせに知らん振りするなんて、意地悪なピアニストだと思っていた私なのにな~。
それに引き換えリックのだらしなさ。潤んだ瞳で今でも愛してるなどと言われ鼻の下を伸ばしちゃう。
イルザのことを、愛する男を残し夫と共に去っていかざるを得ない悲しい女だと思っていたが、勘違いだった。相手を利用する哀れな女だったのだ。美しい女の嘘に気がつかない男も哀れであるが・・・。
でも、イルザの愛の告白が嘘だって気がついたみたいだからリックを許すことにしよう。
霧の中にに消えた飛行機を見届け飛行場を後にする警察署長とリック。
ラストシーンは警察署長とリックの後姿。会話がなんとも粋である。
記憶違いをしていたラストシーンを、今回見たラストシーンと入れ替えておこう。
リックとイルザの悲恋物語だと思っていたのだが、大いなる勘違いだった。
そんなこんなで、今回は色々と新発見というか、今までとは違う感想をもってしまった。