”ビジネス英会話の講師を探している”と、
知り合いのカロさんから突然の電話があったのは、
カロさんは、パソコンスクールを経営しているバリバリのキャリアウーマンだ。
さかのぼること5年ぐらい、
職業訓練校のPCコースで、偶然席が隣同士になったことが、
知り合いになったきっかけだ。
この3年程、音信不通だったため、
突然の電話と、その内容に、さばをがビビッタのは言うまでも無い。
イギリスから戻って早幾年、いまでは日常英語を使うこともなく、
栃木の田舎で、しょぼくパート事務をこなしているさばをには、
”とても人様に教えるレベルではありましぇん”
”難しいことはいいの、電話応対とか教えて欲しいんだ”
生徒は誰も仕事で英語を使ったことはないらしい。
一刻も早く、生徒募集の広告に、
”英会話コース有り!”と表示したいカロさんに押されて、
話だけでも・・・・聞きに行くことに。
世間が仕事始めの5日、
一応、電話応対に必要な言い回しを、
想定されるシチュエーションごとに6枚のテキストにまとめて向かった。
もちろん、未だ自信無し。
英語講師なんて無理に決まってる。
もともとイタリアやイギリスに留学したのは、海外生活を体験してみたかったから。
長期滞在には学生ビザの取得が必須だ。
それと、かの地で生活するには語学の習得も必須だ。
という訳で語学学校に通い、まじめに勉強したのだ。
(もちろん語学学校では語学以外にも、得る物はたくさんあったけどね。)
そして帰国後、長い長い就職活動を行うわけだけど、
履歴書に”スキルアップのため留学して語学を勉強しました”
と書いたのは便宜上。
こんな英語力だけで良い仕事に就ける訳無い、ということはわかってた。
予想通り、英語関係の仕事は、怪しいホテルのフロントや、
派遣の不安定な仕事ぐらいだった。
そういや、E○C子供英会話講師でさえ不採用だったな~。
もやもやと後ろ向きに考えながら到着した、カロさんのスクールは、
かつて、よその事務所の一部屋を借りて、
講師1人、生徒数人でゆったりと教えていた頃とは大違い。
2階建てのビルを構え、講師は7人、PCコースだけでなく、CADや経理関係も教えているという。
何より、生徒は地元の職安から希望者が紹介されてくるらしい。
この、大学新卒でも就職難のお寒い世の中、
新春から始まるコースの合同説明会にあたるこの日、
すでに20代~60代の男女が、40人近く集まっている。
話だけのつもりが、
”これからみんなに教えてって”
”( ̄Д ̄;;こ・・・心の準備が・・・。”
しかし、遅かれ早かれ、カロさんにはさばをの実力を評価してもらわないと、
話が進まないのだ。
”こりゃだめだと思ったら、この話は無かったことにしてください。”
友人だからとか、気兼ねは無用なのだ。
教室にはぎっしりの生徒達で、ものすごい熱気だ。
その2に続く・・・。

