魂を振動させる音
騒音が取り巻く現代社会では
サウンドセラピーや音浴など音によるマッサージが
リラクゼーション法として広がっています
では
振動とは何でしょうか?
音によるセラピー効果は 何千年も前から
インド、チベット、中国、ギリシャの
ピタゴラス理論で知られています
また シャーマンの儀式にも使われています
一部の文化では
音は世界創世の起源であるといいます
マントラ「オーム」は
宇宙の根源的な神の振動と考えられており
スーフィーでは宇宙全体を満たす音を
「ソテー・サーマッド」と呼んでいます
体へのサウンドセラピー効果
音は波の形で伝わっていく振動です
その速度は通過する材料によって異なり
空気中よりも水中の方が4〜5倍も速く伝わります
人体は70%以上が液体であるため
音波は
私たちの生体内を伝わっていくことができます
音響信号は耳だけで感知されるのではなく
振動として全身で知覚され
波紋のように広がっていきます
脳へのサウンドセラピー効果
私たちは波動を放射しています
脳は電気的に活動し
それは脳波によって測定できます
脳波とは 放出される周波数
つまり1秒間に何回振動しているかを
ヘルツ(Hz)で表したもので
5つのカテゴリーに分けられます
1ヘルツは1秒間に1回の波に相当します
●シータ波(4-8 Hz): 深い瞑想や情報の記憶に対応しています
7歳までの子供たちは主に低周波デルタ波とシータ波で行動しています
私達は通常 日中の活動に応じて
ある周波数から別の周波数へと移行します
(瞑想家がマスターしているような)
トレーニングなしでは
私たちが実際に自分の脳波をコントロールすることはできません
ですから 私たちが
あまりにもストレスにさらされてしまうと
神経系はリラックスすることを拒否し
脳波はベータ派から変化できずに熟睡することができません
クリスタルボウルは
脳のアルファー波やシータ波に対応した
音波を発します
脳はその周波数に同期して
同じ周波数に変化することでリラックスできます
医療におけるサウンドセラピー効果
1960年代以降から 超音波の衝撃波による
LEC(結石破砕治療)が始まってから
医学界は音の恩恵に関心を持ち始めました
1990年代に
アメリカの腫瘍学者ミッチェル・ゲイナー博士の著書
「音はなぜ癒すのか」の中で
クリスタルボウルを使用したサウンドセラピーにより
患者の痛みを改善していることを紹介しました
音は様々なレベルの痛みに癒し効果を与えます
エネルギー的に細胞機能に変化をもたらし
生体のホメオスタシス(恒常性機能)を助けます
つまり
マインドを鎮静化して体を落ち着かせます
それはまた感情にも効果を与えます
神経伝達物質と神経ペプチドに影響を与え
私たちの内なるヒーラーである
免疫システムを調整するのに役立ちます
by ゲイナー博士
フランスの聖エティエンヌ大学病院の
緩和ケアサービスでは
2011年からシンギングボウルやチャイム
レインスティックなどの楽器を使った
サウンドセラピーのワークショップを行っています
音は心を落ち着かせ
リラクゼーションをもたらします
2014年からは
親族専用のセッションを行い
ストレスが引き起こす様々な症状
(胃硬化、緊張、不安)の減少が見られています
サウンドセラピーは
ケアと幸福のための代替的技術であり
リラクゼーション、リフォーカス、
エネルギーのバランスの回復を可能にします
また
特定の種類の痛みへの治療時における苦痛を
軽減することができます
音は私たちに
バランスと調和のとれた状態をもたらし
さらには本質に再び繋がることを助けてくれます
フランス L'Echo Magazine 2021年2月号及び
Beatrice Boivineau から一部抜粋