~美しいものが好きです。
美しい人、物、景色、音、食、、、そしてマインドや生き方。五感を高めてくれる様々なモノやコトに惹かれます。
大好きな人(亀梨和也さん)を通じて私が日々、魅了されているものたちについて綴ります。~
ゆう(ルビィ) 50代 地方在住
亀梨和也さん、赤西仁さんの活動を応援しています。
仁亀ラバーでもあります。
ファッション、ボディメイク、インナービューティーも追究しています。
※223は亀梨和也さんの誕生日が2月23日であり、彼のラッキーナンバーが23なのでそれをタイトルにしてます
📖2026年に推し活本を発売予定。現在執筆中。
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6月10日(火)
本日はちょっとした推し活小説をアップします😌✨️
来年発売予定の推し活本を現在執筆中なんだけど、ずっと執筆をしていると、なかなか表現がうまく出てこない時があって、思いの外、苦労しています🌀
それで、推し活をテーマにした一話完結のショートストーリーを不定期でここにアップしてみて、エッセイとは違ったものとして小説を書いてみることで、表現の広がりに役立てていきたいなと思いました。
これまで小説はとあるサイトや掲示板でお遊び的に小説を書いてきたけど、もうかなりの昔なのでストーリーを作る勘は鈍ってるなぁと実感💦
リハビリしながら不定期で更新出来たらと思います。
これからアップする小説は、毎回主人公が違います。
対象の推しも違います。すべて架空の人物です。
推し活をテーマにしています。
興味があれば、目を通していただけたら幸いです

↓↓↓
Chapter. 1
アオイの場合(30歳 会社員)
雨音を聴くのが好きだ。
6月
水色の季節。
梅雨と呼ばれるこの時期、湿度が上がって蒸し暑さと共に雨が降り続ける。
髪はうねるし、着る服も規制されるし、何よりも出かけたらいろいろと面倒が生じるので、いいことよりもうんざりすることの方が多いかもしれない。
それでも。
外出の予定がなく、自宅でぼんやりと過ごしている時に雨の音を聴くのが好きだ。
朝起きて窓から眺める墨がかったグレーとくすみのあるサックスブルーが混ざった世界。
まだ物事が完全に目覚めていない、動き出す前の時間。
雨の音が静かに音を奏でて朝の始まりを伝えてくれる。
午後の昼下がり、ぐんぐんと生い茂る新緑の木々を雨露が深い味わいの色に塗り変えていく。
降り注ぐ雨は時に強く、時に優しく、音の強弱をつけながら水色の世界に染めていく。
日が落ちて室内に明かりを灯す頃、テレビや音楽の音を消すと、降り続く雨の音が、今日1日で蓄積された疲れた体や心を穏やかに落ち着かせてくれる。
私はこの水色の季節に生まれた。
6月というと、イメージはやっぱり「雨」だ。
そして私の名前はアオイという。
アオイ、、『青』という文字から水という繋がりが浮かぶ。
だからなのか、私は雨に何かご縁みたいなものを感じてしまうのだ。
今日、仕事先でミスをしてしまった。
上司に「もうそろそろこれくらいのことはこなしてくれないと困るよ」と盛大なため息をつきながら言われてしまい、要領の悪い自分にかなり落ち込んでしまった。
(もう30歳になるのに、、、こんなことも満足に出来ない自分が情けないなぁ、、)
そんなことを思いながら会社を出たら、外は生憎の大雨。
道路に叩きつけるような強い雨。
駅に向かうまでの間に傘を差しててもあちこち水のシミが出来そうだ。
この時ばかりは雨にも憎まれ口を言いたくなってしまう。
(明日は休みだし、今夜はちょっと奮発して高級スイーツでも買って帰ろっと)
アオイは地下鉄を途中下車して、地下街を歩きながらスイーツを物色することにした。
本屋の前を通りがかった時に、たしか推しが掲載されている雑誌の発売日が今日だったことを思い出して店に立ち寄った。
お目当ての雑誌を見つけて、そのままレジへ持っていく。
アオイの推しがこのファッション雑誌でフォトエッセイを連載しているので、中身を確認しなくても毎月購読しているのだ。
アオイの推しは、偶然アオイと同じ名前で「アオイ」と言う。
とあるアイドルグループに所属していて、アオイより3歳年下の27歳だ。
その「アオイ君」はグループのセンターを務めていて、一番人気でもある。
彼に惹かれたきっかけはたまたま見た歌番組で、のびやかな歌声と軽やかなダンスパフォーマンスをすることで興味を持ったからだったが、本格的に興味を持ったのは、同じ名前だったことと、そして何度か歌を披露する姿を見た時、アップになった彼の瞳が水気をたっぷりと含ませて、画面から香りそうなほどの強い視線を放っていて、胸を突き刺したからだった。
(アオイ君の瞳はまるで、『雨』を連想させる、、)
そんな風に思ってしまい、そこから一直線に堕ちたのだった。
雑誌を買ってスイーツも買って自宅に帰り、夕食とお風呂を済ませて、くつろぎタイム。
ソファーに座って、雑誌のページをめくり、掲載されている推しを堪能しながら、スイーツを頬張る。
このひと時で、ほんの少し落ちていた気持ちが和らいだ。
推しのアオイ君の今月のページは、どこかの広場のベンチに腰をかけて、空に向かって目を瞑ったまま顔を上げている姿だった。
(今月のアオイ君もカッコいいなぁ~)
その姿にうっとりしながら、テキストに目を通す。
そのテキストの内容の一文に釘付けになった。
そして、
(ポッ、、、)
と柔らかいものが心に灯るのを感じた。
テキストの一文には、
『そろそろ梅雨の季節だよね。ムシムシするし、晴れの日が少ないから不便なこともあるけど、でも俺、結構雨の景色を眺めるの好きなんだよね。あと、雨の音ってなんかさ、心が落ち着く感じがする。俺の名前がアオイだから、水のイメージで繋がってる感があるのかもね』
と綴られてあった。
「アオイ君、私と同じことを考えてたんだ、、、」
小さく心に灯った柔らかい光りが広がって、体ごとふんわりと包み込むように感じた。
同じ名前を持つ大好きな推しが偶然とはいえ、似たようなことを感じていたということ。
これだけでもうときめきが何倍、何百倍にも膨れていく。
アオイ君はテキストの最後にこのようなことも綴っていた。
『雨の日が多い時期は湿度も高いから香りが籠りやすいんだって。その分、広がりにくいから重く感じることもあるらしい。
俺は、この時期だけはあえていつもつけてる香りをお休みさせて、シトラス系のをつけるようにしてる。梅雨限定の香りって何だか特別っぽくて良くない?
シトラスの香りって、爽やかで柑橘系の香りだから、軽くてつけ心地もいいし、気持ちもサッパリするんだよね』
梅雨限定の香り、
シトラス系、
特別っぽい、、、
まるで自分が生まれたこの季節がスペシャルなものになった気分。
(明日の休日は天気予報は雨だけど、お気に入りの傘を差して、アオイ君みたいにシトラス系の香りを見つけに出かけてみよう!)
時刻は夜の22時。
まだまだ外は雨が降り続いている。
アオイは雑誌の写真のアオイ君のように目を閉じて室内だけど、似たような姿勢で上を向いた。その体勢で雨音を感じてみる。
(あー、雨の音、やっぱり落ち着くなぁ、、、)
沈んでいたはずの気持ちはいつの間にかすっかりと浮上していた。
✳️本日はコーデ画像はお休みします。
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