皆既月食の月と月牙泉皆既月食の夜、徐々に弓形になる月をファインダー越しに追いながら、 まだ目にしたことのない月牙泉を想像していました。 月牙泉は敦煌の近く、シルクロードの鳴砂山にあるオアシス。 詩人、王維の読んだ詩を思い出します。 「…君に勧む更に盡くせ一杯の酒 西のかた陽関を出ずれば故人無からん」 陽関を送り出され砂漠をひとりゆく友人は、どんなに心細い旅をしたことでしょう。 月明かりのもと…そして月牙泉の水面はこんなふうに弓形に光輝いていたかもしれない‥ 往時の旅人の心に思いを馳せながら、いつかシルクロードを旅してみたいものです