メトロポリタン歌劇場「ボエーム」 | Ruby☆リュクスDays

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芸術の世界で生きる私。極上の芸術・美しい音楽・魅力的な人・リュクスな時間に触れて、日々審美眼に磨きをかけます。

メトロポリタン歌劇場、プッチーニ「ボエーム」を観てきました。

開演前にピーター・ゲルブ総裁のご挨拶がありました。
震災・放射能問題の中、指揮者ソリストの変更が激しかった今回ですが、世界中から最高のキャストを集め来日したことで誠意を尽くしたとの内容でした。さて、内容はいかに。


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第1幕
出だしの勢いのあるオケのフレーズが、今ひとつ決まらなくて…おや?
そしてテンポの遅さに驚く。
急緩急緩のテンポルバートの妙味が心情を表すおもしろみ…と思っていた「冷たい手~ミミのアリア~…」、
フリットリが長く伸びたフレーズを、たっぷりと歌い上げてました。
指揮者はレバインの代役ファビオ・ルイージ、そしてオケがこのテンポにどうつけるか、
どうしても注目してしまいました。
オーボエ、ホルンの飛び出しなど、二つのところ四つで振っちゃったかな。
METとは思えないハプニングがありましたが。。
合わせきれてない点はやはり準備時間が足りなかったせいでしょうか。。


第2幕のカフェ・モミュスのシーンはまるで映画を観ているかのような、圧巻な豪華さ!
さすがゼッフィレッリの演出!DVDではさんざん見ていたこのシーン、これを楽しみにしていました。
階段や斜めのラインを効果的に使用した舞台は華やかです。
METのお約束、群衆、ロバや馬も出てくるのはさすがエンターテイナーなお国柄。
しかし、あちこちに目を奪われてソリストたちに集中できず汗もう一回観たいわ。
その喧噪の中に友人がトランペットで出演しておりまして(兵隊さん役)遠目でも見つけることが出来て楽しめました。


第3幕、美しい雪のシーンから第4幕へ
このあたりから歌が尻上がりに良くなってきた気がしました。
これ以上はないくらいなフリットリのsotto voce.
それでもオーケストラピットを超えて飛んでくる美声。さすがです。
何度もDVDで観たあの舞台が目の前に…幸せなひとときでした。


正直、出来映えの好き嫌いのある内容だったかと思われますが、今回の公演に関してはMETが他の団体に先んじて日本来日する義務感、成し遂げなければならないフリットリの心情。いろんな重い気持ちがずしりと熱く重く伝わる公演でした。


今後公演の成功を心から祈ります。



オペラのあとは、一緒に観劇した世界で活躍する某指揮者氏と、オペラ談義。
讃岐うどんをすすりつつ、豪華なゼッフィレッリ演出の話を熱く語る@はなまるうどん。
この落差がおもしろく、楽しい一夜でしたニコニコ