帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会展 | Ruby☆リュクスDays

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芸術の世界で生きる私。極上の芸術・美しい音楽・魅力的な人・リュクスな時間に触れて、日々審美眼に磨きをかけます。

皇居東御苑にある三の丸尚蔵館では「帝室技芸員と1900年パリ万国博覧会」展が開催されていました。

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NHK新日曜美術館でも紹介されていましたが、この展覧会は1900年に開催されたパリ万国博覧会に出品された日本を代表する美術工芸品を展示しています。

明治33年当時の、まだ江戸美術の香りの残る素晴らしい手仕事の数々。

帝室(皇室)のご下命により各分野の最高の作家による技術の粋を集めた作品は、日本を代表する作品ばかりで見応えがありました。

ご下命ですから制作費に糸目は付かなかったのでしょうね。


この万博出展により、1867年初出展よりはじまった欧米人の「ジャポネスク・ブーム」がいっそう加速し、日本の芸術作品が海外に流失したのはいうまでもありません。

1900年出展作品もかなりの数が遺失しているようです。
まだ国内は国政混乱の時期ですし、逆に欧米の文化がどんどん流入してた頃でしょうから、自らの日本美術のレベルの高さに目がいく余裕は無かったのでしょうか。とても残念です。

先日、江戸東京博物館で開催された「ボストン美術館・浮世絵展」もしかり。

日本の秀逸な作品が早くから海外で認められ、コレクトされ大事に保管されているのは良いことなのかもしれないけれど、寂しくもあります。


興味深かったのは、伊藤平左衛門「日本貴神殿舎計画図」

実際に建築はされてないけれど、欧米人に寺社仏閣と武家屋敷などの違いを見せようというもの。

江戸時代はセキュリティーの都合上建築資料は乏しいらしいので、1/20の断面図や平面図は興味深く拝見しました。




海野勝珉「太平楽置物」

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驚くほど緻密な作品です。





並河靖之「四季花鳥図花瓶」


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有線七宝焼です。今にも花びらが風に舞い、鳥が羽ばたきそう。



入館料は無料です。散歩がてら日本の技術の粋をご覧になれます。


三の丸尚蔵館
http://www.kunaicho.go.jp/11/d11-05-47.html

図録は売り切れだったのが悲しいしょぼん

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