体調不良のいっけいさんに変わって千葉さんが狸穴でした。なので、一幕終わりの無界屋2階の場面がおでんと仲よくお酒飲んで、荒武者隊が踊ってるのを見ておでんが踊ってたり、他の場面も少し変わってたりして面白かった。

福士捨の熱量がアップしていて、捨、霧のお互いを思う気持ちがびんびん伝わってきました。

贋鉄斎の庵の場面、贋「捨之介?捨之介 おととい違う捨之介に会ったのよ」捨「噂で聞きました」みたいなやりとりがあってうけてたよ。下弦の中村さんが体調不良で変わりにしんぺーさんが出たそうですね。

カテコの最後に福士君が代役の話をして、「上下分かれていますが、一つのチームなのだと実感してます」みたいな事言っていい感じでした。
最初で最後の1列センター、役者さんの圧が直接来るから受け取る量もはんぱなく濃厚な約4時間でした。
無界屋襲撃後の兵庫と太夫に泣かされ、霧丸の捨を思う気持ちに、捨の無念さに泣けました。
あと、役者さんのつぶやきが聞こえるのが面白かった。荒武者隊と兵庫がいろいろしゃべっているし、兵庫がおっとうのところでなっとうってごまかしてたり、最後五百両を持って来る徳川兵の重そうな仕草を兵庫がまねて太夫に「やめなさいよ」とたしなめられたり。
役者さんの表情が肉眼で良く見えたのも良かった。目まぐるしく変わる兵庫とか、取り付かれたような蘭兵衛とか、天魔王の一幕蘭兵衛に「蘭丸」と言った後ニターっと笑うとか、二幕で生駒を切った後の上目で目を左右に動かすとか。

天魔王、口説きのところで左目の下に赤いすじ入るけど、あれどうやって付けてるの?殿の仮面を被ってそれを取ると付いているんだけど。あれは蘭兵衛の刀がほほをかすった時の傷って解釈でいいのかな?

カテコもすぐ目の前に役者さんたちで胸キュンでした。2回目のカテコで捨が兵衛の後ろのひらひらを持ってはけたのが面白かった。

ステージスクエアで太一君が福士君や翔平君について語ってたり、下弦の鈴木君への手紙とか「月」のあれこれ載ってますから読んでみてください。
太一天はもちろん福士捨、三浦蘭とかみんなパワーアップしてますね。相乗効果ってやつですね。
蘭が天をかばって銃弾をあびる場面、「ハハハ愚かな奴だ」は軽蔑を込めた言い方だった。この方が、天の冷徹さが出てて好きだな。

天、初めの「今日から俺が、いや私こそが第六天魔王だ」からずっと「私」なんですよ。でも捨との戦いで「俺」になるよなあって前回あたりから気になってて、家で戯曲本を見たんですが、本では戦いの初めから「俺」なんだけど舞台では「私」で。鎧をはがされてうずくまったところでのセリフが「貴様如きにこの俺が」で初めて「俺」になって、でも「私こそが天だ」で捨の刀を掴んで自害で。鎧をはがされた事で俺=人の男に戻った(戻された)けど最後は天としてのプライドを持って死んで行ったと納得できました。ここ、一連の動作とセリフをもう一度確認したい!

沙霧が霧丸になったので、青春物語というか「刃が明日を向いている」とか青臭いセリフが出てきて、おばさんちょっと苦手です(笑)

どうでもいい事ですが剣布のツイスターゲーム「あほたれ」なのね。贋鉄斎の庵爆破されちゃって斬鎧剣はどこで作ったの?

今回は鳥も一緒に見た演劇好きの友だちと一緒だったのですが、「太一君は狂気を帯びた役が似合う、手の動き、指の動き、マントさばき、扇子の使い方などが美しい」って。もうそうでしょう、そうでしょうと嬉しかった。

2017年の髑髏城納め。2018年は9日からです。