福士捨之介が凄く良くなってました。天魔王「アーン」も「イヤーン」も言わない。あれはあれで好きだったのになぁ。いつもは冷静な怖さみたいな感じ。
一幕後半の無界屋のシーン、今回下手側に二階があって太夫が歌っている時、そこで狸穴とおでんがふんどしと腰巻きを洗って干して、おでんが扇子をくるっと回したりして凄く仲よさそう。下では荒武者隊と女の子たちが踊ってるし。このシーンがあるから襲撃がより悲惨に感じる。

口説きのシーン、熱量が増してた。上手く説明できないけど、蘭兵衛が蘭丸になるのが納得できた。霧丸をいたぶって剣布に髪直されるところが椅子にして座るに変わった。

無界屋襲撃、蘭躊躇無し。自ら「楽しいな天魔王」天「楽しいか」蘭「ああ楽しい。こんな~」ここのセリフ次回確認します。鉄砲が当たった所を点検してマントで拭く天魔王がかわいいんだけど。

天蘭の戦い、生駒、自害する前に天の頭をなでる。天のために死ねて本望なのかな。「いい事を教えてやろう」からは静かで冷静で、「私には何一つ言わずにな」から感情爆発。蘭への嫉妬、殿への怒りがこもった太刀で蘭に向かって行く感じ。天をかばって太夫の銃弾を浴びて倒れる蘭を見て頭を抱える天。「愚かな奴だ」って軽べつしないのよ、なんで?ここ次の宿題だわ。

天捨の戦い、次から次に鎧を剥ぎ取り第六天から人間界に戻し「鎧は殿の亡霊だ、天は消えた、豊臣軍に下れ」って、天がその言葉に従うと思ったのか?捨は真っ直ぐというか甘いというか。
自害するしかないでしょ。
捨は蘭も天も救いたかったんだろうけどね。最後、荒野の場面で家康に言う言葉が「斜に構えた」では無く「天に誓ったこの俺の」だから真っ直ぐなのよね。月の捨、天、蘭の関係って複雑!

カテコで、天、客席回る時扇子グルグル。無界屋の場面で二階にいる家康と下にいるおでんとが見つめ合うのが好き。

さて、戯曲本ワカは第一幕「天魔布武」第二幕「捨身介然」鳥は「天目指す者の遺志」と「地を這う者の意地」それぞれ言い得て妙ですね。そして月は「天を見上げりゃ雲がある 人を見下ろしゃ雨になる」と「完全無血の鎧の下に隠した心を誰が刺す」隠した心を刺したのは誰?私は天魔王自身かなと。誰か花と月教えてくださいませ。