「約束ですからね、約束!」と泣きながらはける政吉に私たちも涙。
凍える手に息を吹きかけ、刀を握り直し(こういう細かい演技好き)松五郎に向かって行く長次。互角の戦い。刀を交え
松「おめえさん、つええな、若い頃の俺にそっくりだ」
長「年は52か3」松「年は25か6」
気づく長次
だが松五郎の「長次ー」の声と同時に松五郎を斬り、座った姿で絶命する松五郎。
放心状態でその姿を見つめ、刀を持ったままの手で顔を覆い「ああー」と絶叫。
黒い羽織りを脱ぎ松五郎にかけようとするも長吉の亡骸に掛けてやる。帯を解き、着ていた白い着物を松五郎に掛けようとしたところに傘と下駄を持った政吉が来る。
白い着物を丸めて地面に投げ、後ろで背を向けしゃがむ長次。
長次がいない、死んだと思ってひざを折って泣く政吉。
長次はそっと近づき肩を叩き幽霊の手つき。
幽霊かと思い「なんまいだぶ」と唱える政吉に「政吉」と声をかけ
良く見ろよ、という風に左足、右足を叩いてみせる。
にじり寄り、足があるのを確認し、「親分」としがみつく政吉。
持ってきた下駄の雪を拭い、息をかけて暖めてから親分の左足、右足と履かせる。
ここら辺の一つ一つの動作が、演技が泣かせるのよ。