先週末、車庫の入り口に私の背丈くらいある枝が転がっていました。お隣がアンズの木の剪定をして、それがうちの方に落ちてきたようです。

うちに飛んでくるアンズの落ち葉は見事に紅葉していて染め心をそそられていたのですが、アンズは葉より枝で染めるものらしく、指をくわえて眺めていたのですが、

これはまさに

飛んで(鍋の)火に入るアンズの枝!


2日がかりで、樹皮を剥いでチップ状にしました。

うちの木ばさみでは刃が立たないので、テコの原理で強引に剥がしていったのですが、
ものすごく手が疲れました。
親指の付け根も人さし指の内側も真っ赤に腫れ上がってしまいました。

でもそうしているとなんともいえない甘い香りが。
これ、アンズの香りでは?!

ネットでは、染液を作る時もアンズのいい香りがする、と書かれていた方もいたのですが、私の場合は煮てるときは特に感じませんでした。
でも削ってるときはむせかえるほど香っていました。

毎日ちょっとずつ火を入れながら、3日おいた染液。

かなり赤みが出ています。
でもこの色にそのまま染まるわけでないのはもうわかってきています。

染まったのはこんな色。(ミョウバン媒染)


晒しは、くすみのないきれいな淡いオレンジ色。
というか、そのものズバリのアンズ色に染まりました。


ミツバツツジで染めた晒し(右)との比較。
ミツバツツジの方がしっかり染まってる感がありますが黄色みがかっています。
アンズ染めの方が赤みが強いぶん、明るめでも発色してる感じ。。

透明感を生かしたかったので、一回染めに止めました。

とてもきれいな色味で、これで刺し子をするのがとても楽しみです。


糸の方は、もう少し濃い色にしたかったので、最初に紅茶染め(ミョウバン媒染)してタンニン付けしてみました。

そのあとアンズで二回染めして、この色です。

ぼけ染めしたときと、色味は似ていますが、もう少し濃い色になりました。

これなら白い晒しにも使いやすそうです。

染液がまだだいぶあり他にも染められそうだったので、シルクのナイトキャップを染めてみることにしました。

元の色は、ライトグレーというかシルバー?

シルクは発色しやすいと聞くけれど、元の色が付いているとどうなるのか、予想がつきません。

今度は違う色にしてみたかったので、鉄媒染してみました。

鉄媒染液からあげたときはドブネズミような色でヤッチマッタかと思ったのですが、乾いたらきれいなブロンズ色になりました。

元のシルバーより、髪や肌の色に馴染む色味じゃないでしょうか。

シルクを染めたのは初めてだったのですが、染めあがりに感動しました。

動物性タンパク質だから発色しやすいというのももちろんあるんでしょうけど、

しっとりつややかで光を反射するから色がきれいに映えるのかも、と思いました。
木綿、それも目の粗い晒しだとどうしても色がくすんで見えがちなような。
(自分に都合よく解釈してるだけかもですが)


シルクって私にはあまり縁のない素材だし、そもそもが刺し子に使いたいというのが草木染めを始めた理由だったのでずっと木綿ばかり染めてきましたが、

やっぱりシルクいいなあ、と思ってしまいました。

昼間はクマちゃんにかぶっててもらいます。^_^