私は10年後の世界にいた。
私は10年後も生きているらしい。
タイムマシンを作ったのと同時に、「謎の男たち」から命を狙われていた私は、10年後も生きているか確かめたくて、ここに来たのだが無事らしい。
私の研究所に、10年後の私がいる。
その時だった、数人の男が研究所に入ってきて10年後の私にピストルを向け何発もの弾丸を打ち込んだのだ。
あっけなく私は死んだ。

しかし、未来の私は死んだかもしれないが過去から来た私は生きている。
このまま、10年後の世界で生きていこう。
未来の私が死ぬ度に、過去の私が代わりに生きれば永遠に生きられる。
「謎の男たち」は、どんな素性なのか解らないが、この先も私を殺し続けるのだろう。
そして、私は永遠に行き続ける。
ずっと若いままで。
僕が操縦桿を始めて握ったのは小学一年生の時だった。両親が僕に専用のマシンを買ってくれた、その日だと記憶している。
自分専用のマシンに乗った時の興奮は今でも忘れられない。
乗りこなせれば、どこまでも行けるという期待と操縦する事が出来なかったらという不安が、あったのも覚えている。
父が僕に操縦のやり方を教えてくれたのだが、最初は上手くいかなった。
何度も失敗をする僕に、優しい言葉をかけ根気よく教えてくれた父には今でも感謝している。
そんな父の支えもあり、上手く操作できるようになったのは、始めて操縦桿を握ったの日から数週間はたっていた。
上手く操作できた時の感動と父の笑顔は、一生忘れる事は無いだろう。

あれから12年がたち、今では小学一年生の頃に操縦桿と呼んでいた物は「ハンドル」と言いマシンと言っていた物は「自転車」と呼ぶようになっていた。
今思うと、少し恥ずかしい気持ちになるけど当時は、自転車に乗れるのはスゴく新鮮で僕には夢のような乗り物だと思った。
乗れるようになった時は、少し大人になったと自分を誇らしく思った。
本当に、どこまでも行けると思っていた。
そして、僕は新たなマシンに乗れるようになるため訓練を始める。
今度は「自動車」という名のマシンの。
小学一年生の時は、両親に専用のマシンを買ってもらったけど
今回は、自分で働いて、お金を貯めて自分専用のマシンを買おうと思う。
その時は、また大人に一歩近づくに違いない。