O・J・シンプソンと陪審制度
【ネバダ】
アメリカプロフットボールNFLの元スター選手、O・J・シンプソン被告(61)がホテルで強盗罪などに問われていた裁判で、ラスベガスの郡地裁陪審は12件のすべての罪で有罪評決を下しました。
今回の有罪が確定すれば同被告は、禁固刑となる可能性があります。
被告はラスベガスのカジノ・ホテルで昨年9月、スポーツ選手関連の商品を扱うディーラーを拘束して脅し、商品を奪ったとして強盗の罪などに問われていました。
今回の陪審には男性9人、女性3人で構成されアフリカ系米国人は1人もいませんでした。
前妻の殺人容疑がかけられた1994年の裁判では、弁護側が人種差別問題を織り交ぜながら弁論し無罪となっており、今回の陪審員の構成については今後、批判を呼びそうです。
『O・J・シンプソン』
本名 Orenthal James Simpson
高校卒業後に「バッファロー・ビルズ」に入団しハーフ・バッカーとして大活躍。
1973年にNFLの年間記録として初めて2000ヤードを越える2003ヤードのランを記録しMVPを受賞。
1985年に殿堂入を果たす。
TVのゲスト出演や解説者としても人気を得て映画にも進出。
「タワーリング・インフェルノ」や「カプリコン・1」など作品にも恵まれ、1988年には「裸の銃(ガン)を持つ男」ではコメディにも挑戦し人気を博す。
しかし、1994年6月に二度目の離婚相手とその愛人の殺害容疑で逮捕される。
この事件ではマスコミが連日取り上げ、車での逃走劇は全米中継される大スキャンダルとなる。
1995年、刑事事件としては無罪になったが、民事では有罪となり多額の慰謝料が支払われる。
一方で、当時の事件を担当した刑事の黒人差別発言をきっかけに膨大な証拠の信憑性が疑われ、事件は人種差別問題に争点が移り、結局真犯人を特定できないまま無罪が確定。
陪審員制度・・・「裁判官の加わらない評議によって事実認定と法の適用を行い、裁判の結論を決める司法制度」とあります。
日本でも導入が検討されている制度です。
しかし、この制度が本当に「良策」なのでしょうか?
アメリカでは現在までに数々の「不可解な判決」が下されています。
確かに、この「不可解な判決」は「極稀な結果」なのでしょうが・・・
裁判に「極稀」があっていいのでしょうか・・・?
日本の裁判制度が「良策」とはいいません。
しかし、「誤差」の「確率」から言えばどちらが「良策」と言えるでしょうか・・・?