アンドレとベルナール、沈黙の時間 | ★★剣を持った青獅子★★

アンドレとベルナール、沈黙の時間



大勢の民衆を湧かせる演説をする正義感溢れるベルナール。



夫の仕事の手伝いとはいえ、
夢見る夢子のロザリーでさえも革命運動に参加しているこのご時世。


着々と革命に向かって時代は流れているようです。




ベルナールはアンドレを革命運動に誘います。



『ロザリーは今、私と一緒にロベスピエール先生の組織で働いている』



きっと、この時点でアンドレにはベルナールの言わんとしていることが分かったのでしょうね。


コーヒーをひと口飲み、
後に続くベルナールの言葉には関心がないような素振りを見せました。



『幸せそうだな、君たちは、本当に…』




アンドレの視線は、ベルナールが革命運動の話題に入るや否や、下を向き
ベルナールと目を合わせることはありません。


『アンドレ、君も俺たちと一緒にやらないか?君が貴族の馬蹄ごときで満足している男とは思えん!』





アンドレはYESともNOとも答えません。



『貴族の馬蹄ごとき』
と言う言葉にも無反応です。


そして、
ベルナールには背を向けて窓の外を見ながら

『美味しいコーヒーだ、つつましく、愛のこもった味がする』


と、完全に話題を反らし、
ベルナールの問いかけに対して答えを言おうとしません。





ベルナールの問いかけにアンドレが答えなくてはいけない義務などありませんが、

アンドレがこのままシラを切るつもりでいることに気がついているベルナール。



アンドレが革命運動に参加する意思のないことを察し、先回りしたようなセリフを投げます。


『では!何故、わたしの演説を聴いた!?何故さっきの集会に顔をだしていたんだ?!』







『たまたま非番でね。時間があったからさ。ただ、それだけさ。』









会話の途切れた2人の間にただ、
深々と降り積もる雪が見えています。





とうとう、アンドレは

集会に来ていた本当の理由も、

革命運動に参加するのか否かも、

肝心なことは、何も語ることはなく、

全てを

なんとなく、ふんわりとした言葉でかわしました。






演説の中でベルナールは言います。



『身分の差別はなくなる!
我々みんなが平等に暮らせる日が来るんだ!人間は、生まれながらにして平等なんだ!!!』



アンドレは、素直にベルナールに言っていました。


『今の君の演説を聴いたよ!すばらしかった!!!』




以前とは比べものにならぬほど物騒になったパリ。

雪の降る寒い街。

たまたま非番だったから、
時間があったから、と。

暇つぶしに来るには全く適さない場所にわざわざ来ていたアンドレ。




アンドレが言った

『すばらしかった!!!』


の言葉は心からの言葉だったのだと思うのですよね。





かつてアンドレが教会に通っていたときのワンシーン。






『神は、すべての人を平等に創りたもうたはずだ』





アンドレは、この言葉を聞きに来ていたのではないのかな、と思うのです。



身分違いの恋に悩むアンドレの姿


は、原作に比べるとライトな描かれ方をしているように思いますが、

ベースの設定としては原作同様に、いつでもアンドレはオスカルとの身分の差を感じて生きていたのでしょうね。



『人はみな、平等なのだ』


と、いう言葉を聞きに来ているアンドレの姿から、ここではっきりとは描かれてはいないアンドレの心の奥に隠し持っている悩みを見ることが出来るような気がします。






『オレはつい最近まで、自分が鈍感で、楽天家だと思っていた。

そのオレにも、何かが聞こえてくるんだ、新しい時代の音が、ゴーゴーって。


オレは、貴族の家で育ち、貴族のために働いている。


でも、貴族ではない。


せめて、新しい時代が何であるかを知ろうとする権利ぐらいはある、と、思っている。』












この、アンドレが語った自身のこと。




そしてオスカルへの
つのる思い。



アンドレが演説を聴きに行く理由をベルナールには語らずに
コーヒーと一緒に飲み込んでしまったのがこのシーンを見ると、なんとなく分かるような気がしました。



この日も、雪が降っています。





アンドレにも聞こえたという新しい時代の音。



新しい時代の風を知ったばかりの頃には
吹雪いていた雪は、


何年かの時を経て


深々と静に降りつもるようになったのでしょうか。





まるでオスカルへの想いをも、表すように描かれる『雪』に、1人じーん、と妄想をするのでした



(o^^o)





しかし、本当にこのベルナールとアンドレの短い会話のやりとりが絶妙ですね。


会話の内容としては成立していないのに、


迫ってくるベルナール
答えようとしないアンドレ


2人の感の良さが充分に見られる
『かわす、先読みする』のやりとり。


そんな関係がうまく成立している!
というようなセリフの作りが素晴らしいです。



ちなみにこの回の脚本は
篠崎好氏


教会に通うアンドレの描かれる
『黒い騎士に会いたい』の回の脚本も篠崎好氏。

どちらも篠崎氏なのですね。


そして『たとえ光を失うとも』も同じく篠崎氏。


『彼ならば、民衆のために何かをする。きっと、これからも』


そう言って、フランスの未来をベルナールに託し、黒い騎士を逃がしたアンドレが描かれたのもこの回でした。




言葉の裏に、もう一つ違う感情があるような素晴らしいセリフのやりとりで組み立てられていていることに、今更ながら感激します。







『たまたま非番でね。時間があったからさ。ただ、それだけさ。』



このアンドレのセリフの後、雪だけが降り、
アンドレもベルナールも動かず、
約3秒程の沈黙の時間があるのですよね。



かっこいい。




街頭演説を聴きに来ていた理由を言うつもりのないアンドレが静かにその主張を押し通した事を表すかのような沈黙のシーン。




この演出も格好良くて大好きです。




33話、半年もの出来事が描かれているので見所が沢山すぎて書き切れません(o^^o)


うれしーような、困るような!



(o^^o)(o^^o)(o^^o)



今日は暗い絵ばかりのチョイスになってしまったので、明るい写真を!



ティファニーのショーウィンドウか
とっても可愛くなっていました!

クリスマス仕様☆

思わずパシャリ。





今日は冬至ですね!
暗いのはさみしいので嫌いです!


あたくし、白夜を経験してみたいです!(o^^o)

いつだったか若かりしころのフェルゼンがスウェーデンの白夜で、寝不足になった人の報告は聞きませんね!

と、お洒落すぎてどこで笑ったら良いのか分からないシャレでフランス貴婦人を笑わせていたシーンがありました。



1日の中で夜が来ない事があるだなんて!



想像するだけでワクワクします(o^^o)