こういうふうになりたいな
あんなふうになりたいな
人の生き方や選んでいるお仕事などを
いいな~
と憧れや羨ましい気持ちで見る経験は誰しもあると思います。
(私も若い時にあったな)
憧れや羨ましい思いで
自分もそのお仕事や生き方を選んじゃう場合もあると思います。
何事も経験ですし
人生で起こる事はどんなことも無駄では無いと思うのですが
選ぶ前に、見えている「良い部分」「羨ましい部分」だけでなく
見えない部分、奥にあるものなどにも思いを馳せた上で
その道を選べるかどうか、考えることは大切だな、と思います。
昔、パフォーマンスのお仕事をしていた時に
楽屋で次のショーの準備をしていると
1ステージ目のショーを見てくれた
現場の当日スタッフさん(若い男性アルバイトくん)が来て
『あの~、パフォーマーっていいっすね。
今日のギャラってぶっちゃけ、いくらっすか?
人前で30分ショーを一日2回だけっすよね。
それで何万とかもらうんすよね?
俺なんか、今日朝早くから夜までずっと働くっすよ。
それで時給〇〇円なんすよ。
まじ、俺もパフォーマーになろっかなぁ~』
もちろん、ギャラをお伝えすることはしませんし
こういう会話は基本的に微笑みスルーしてました
(こういう事を言われること、わりとあったなぁ~)
そうね。
彼から見たら
お客様の前で30分おちゃらけばっかりして
あとの時間は楽屋で準備と休憩してて
(夏のイベントだと楽屋によってはエアコン効いてるし)
それを一日2回で帰宅。
うん、うん。だよね。羨ましいって思っちゃうよね
アルバイトするよりも簡単に稼げると思っちゃうよね
自分もなっちゃおうかな~って思っちゃうよね
(余談ですが、夏のイベントは祭りが多いから、
楽屋がテントってことも多かったでした。
横幕もついた運動会とかで見るイベントテント。
これ、めちゃんこ暑いのですよ。
むちゃくちゃ汗かきの私はショーの大汗が引かないまま
休憩を過ごし、次のショー時間となっていたのですよ。。。
しかも、見てくれた子どもたちが楽屋に帰る私についてきて
「このテントに居るよーーー!」としばらく
テント入り口の横幕をめくって中に入ってこようとしたり
隙間から覗き込むという、攻防戦もあったり)
当時すでにフリーランスとしてお仕事していたので
営業、事務仕事、経理、身体のメンテナンス、ショーの構成、
出演、道具の準備やメンテナンス、事前の打ち合わせ
当日の打ち合わせ、現場スタッフさんとのやりとり・・・
あらゆる全ての業務を自分一人でしていたわけです。
フリーランスって。
(どんなお仕事もフリーはそうだと思います)
しかも、当時はまだまだ
イベント業界も男性社会で。
会場に女の私が大型トランク持って現場入りして挨拶すると
イベントスタッフ全員おじさま方が
「え!?マジ、今日の演者は女の子なの?出来んの?」
みたいな空気(そのまんま言われたこともある)で。
そこを、顔は笑って心で
「くそー見ておれー!!!」
とショーを見てもらって信頼を勝ち得るしか無い状況だったり。
(パフォーマーがお仕事として呼ばれる以上
お客様を楽しませられたか、そこ一点の結果にかかっているので)
バイトとかじゃない、長くイベントスタッフをお仕事として
やっていらっしゃる、おじさま方は
(イベント会社さんも、現場スタッフさんも)
職人気質でもあるので
「やるじゃん!」と認めてもらえれば
信頼して次もお仕事を頂けることに繋がっていくのです。
技術もそうですけど、人間性、高いレベルでの体調管理
身体メンテナンス・・・
あらゆる部分を見られているし
業界狭いので、一回二回、結果出せなかったら
あっという間に使ってもらえなくなるのです。
(同じくらいのパフォーマーさん、たくさんいらっしゃるから)
こえー世界
それでも、子どもさんたち、親御さんたち、大人の方々、、、
見てくれた方々が楽しそうにしていたり
笑ってくれる姿を見るのが、サイコーの喜びなので
続けていたのです。
腹くくって、覚悟してその道を選ばないと
ちゃんと生活できる(お金を頂く)ようにはならんのですよ。
どのお仕事も「お金を頂く」ということに対しての
心持は本来はそうじゃないかなぁ。
こういう考え方は今の時代には化石かなぁ。
お仕事に対して、生き方に対して
選び進むことに正しい覚悟をもっている方は
そのお姿もお仕事ぶりも
アーティストなら作品も
対人援助職なら醸し出す雰囲気と行うケアも
人の心を動かす力を持っていると思います。
私は今、保育のお仕事を選んでいるけれど
子どもたちが十数年後には
一人の社会人となっていくその土台となる年齢
一番大切な時期に関わらせてもらっているという
(三つ子の魂百までと昔の人は言ってますが、ほんとにそう)
その覚悟を正しくもっていられているかな。
楽しく、腹をくくって生きていきたいな。