ナミ「そう!基本的には同じよ!ある程度まで伸びてそれ以上は突き抜ける……極端な話、船に襲い掛かる海獣に向けて銃や大砲を打ち込んでもシャボンは割れないんだって!」

 

 

ウソップ「じゃあ逆に何があると割れるんだ?」

 

 

ナミ「1度に多数の穴が空いたりするとさすがにダメみたい…例えば海獣や海王類のキバで噛まれたらほぼアウト……岩や海溝にぶつかったりして中の船そのものが壊れても、マストや船体の割れ口でシャボンが割れて…それもアウト!気を付けるのは海の生物と障害物ね…中からは余計な事しなきゃ大丈夫みたい」

 

 

ウソップ「そうか…意外と強いんだな!!」

 

 

ナミ「でも…魚人島を目指す船は到達前に7割沈没するので注意」

 

 

ウソップ「何が起きるんだよおおお!!!」

 

 

ルフィ「おれのガトリングにかかりゃあんな魚の群れ全部穫れるぞ!」

 

 

ゾロ「じゃあどっちが穫れるか勝負しようじゃねェか」

 

 

ウソップ「多数の穴はダメだっつっただろうが!!!」

 

 

チョッパー「シバき倒すぞお前ら!2度とすんな!!」

 

 

ウソップ「畜生!魚人島にはハチの奴が案内してくれるって言ってたからもっと安全に行けるつもりでいたよぉ!!」

 

 

ルフィ「そうだ!俺弁当いっぱい貰ったたんだ!サンジもああだしみんなメシにしようぜ!」

 

 

チョッパー「わー俺お腹ペコペコだよー!」

 

 

ブルック「ヨホホ!私もホネペコー!」

 

 

フランキー「ナミ…船はもう少し安定してるのか?」

 

 

ナミ「うん、今はまだ大きな海流に乗ってるだけだから」

 

 

フランキー「全員に、俺から話しておかなきゃならねェ事がある!」

 

 

ルフィ「ロボの秘密かよー!!」

 

 

フランキー「いや…残念だが…ザンネンダガチガウロボ」

 

 

ルフィ「うおー!スゲー!ロボ語!!」

 

 

フランキー「本当は海底への案内を買って出てくれたハチだが……あいつはシャボンディで大ケガを負い魚人島で今療養中って話だ…!理由はデュバルと全く同じ…!島に残されたこのサウザンド・サニー号を守る為の負傷だ……1年程前、サニー号の存在は海軍にバレ、激しい戦いになり2人はそこでリタイアした」

 

 

ウソップ「え!?じゃあそこから今日まで船が無事だったのは?」

 

 

フランキー「…戦士がもう1人いたからだ………2年前、俺達を散り散りにスッ飛ばした張本人………王下七武海の大男、バーソロミュー・くまだ!」

 

 

フランキー「数日前…俺がサニー号に辿り着いた時ァ…目を疑った…!」

 

 

━フランキー回想シーン━

 

 

サニー号の前に座っている傷だらけになった満身創痍のくま…。くま「待っていた…」

 

 

フランキー「おめェそこで何を!!」

 

 

くま「……任務…完了だ……」

 

 

フランキー「!?」

 

 

 

━回想終わり━

 

 

フランキー「サニー号には傷1つ無かった……後でレイリーに話を聞きゃあ、実はあの時戦いの最中レイリーに耳打ちをしてた…」

 

 

 

━回想━

 

 

くま「俺は革命軍の幹部…縁あってこの一味をここから逃したい…」

 

 

━回想終わり━

 

 

フランキー「おめェらも薄々気付いてたと思うが…俺達は命を救われてたんだ!!そして俺達が島から消えた後…レイリーを訪ねたくまさんの言うことにゃあ…」

 

 

 

━回想━

 

 

くま「俺にはもう時間がない…」

 

 

 

━回想終わり━

 

 

フランキー「どんな弱みを握られたか知らねェが…奴は実験体として海軍によって少しずつサイボーグ化され…頂上戦争の前には完全なる人格を奪われる契約を交わしていた」

 

 

チョッパー「でもよ!バラバラに飛ばしても、その後俺達がどうするかは分かる筈ない!それでも船で待ってたのか!?人格も失ったのに!?」

 

 

フランキー「改造の執刀医"Dr.ベガパンク"との間に、1つだけ任務をプログラムするという約束をしてたらしい…『麦わらの一味の誰かが再び船に戻って来る日まで、海賊船を死守せよ』……だからこの2年間奴は本来の記憶も無く…人間兵器として過去の自分の命令を全うし、俺達を待っていた」

 

 

ゾロ「やり方がメチャクチャ過ぎる…なぜ俺達にそこまで…」

 

 

ウソップ「"革命軍"、"縁"と来たら…俺にはルフィの親父が革命軍のボスだって事しか思いつかねェな…」

 

 

ルフィ「俺、父ちゃんの事よく知らねェもん……でも"クマみてぇな奴"やっぱいい奴だったのかー」

 

 

ロビン(…………くま……)

 

 

フランキー「実際、俺達にとって意味のあるこの2年間を生み出してくれたのはアノ男だって事は間違いねェ……今となっちゃ本人にその胸の内を尋ねる事もできねェが…」

 

 

フランキー「心に留めとけ!この一味にとってバーソロミュー・くまは結果的に"大恩人"だって事をな……そしてまたいつか出遭う日が来ても、くまはもう心無き人間兵器だ……!」

 

 

ゾロ「ありがてェが疑問が残る…いつかくまの真意が分かればイイな…」

 

 

フランキー「話は以上だ!」

 

 

ウソップ「あ!サンジ起きてたのか…」

 

 

ルフィ「弁当食えよ"女ヶ島"の弁当!」

 

 

サンジ「女ヶ島!?くまって奴が果たして恩人か!?……俺がこの2年どこにいたと思う!?……てめェは一体何の修行をしてたんだルフィー!!」

 

 

ブルック「まーまーサンジさん歌いませんか?」

 

 

サンジ「励ますんじゃねェ!惨めになるわ!!」

 

 

安心したのも束の間…。

サニー号の背後からカリブー兄弟とその一味の海賊船が追って来る…。

 

 

コリブー「兄助!いた!前!麦わら!」

 

 

カリブー「見りゃ分かっちゃうっつーのよォ!おバカさんめー!ケヘヘヘ!!今度こそ船に乗せてちょうだいよォー!!」

 

 

 

第603話 おわり