ー部活の朝練にて…
愛子として玲欧に会うが,玲欧から舞に対しての告白のことが思い出されいつもの調子が出ない。
玲欧ばっか目で追ってしまう自分に戸惑いを見せる。
ーバイト終わり
玲欧から届いた「すげー会いたい。会いにいっていい?」のメールにドキドキする愛子。
『会いたい』のひとことでカラダの真ン中が熱くなってぞくぞくすんだ
店を出て愛子がメールの返信をすると,その場でピルルルと携帯が鳴る
「??…え」
「ゴメン,返信待てなかった」
と照れくさそうに待っていてくれた姿に胸のときめきが止まらない。
玲欧のカオ見ただけで触る手の大きさとか唇の感触とかいろんなコト鮮明に思い出すんだ…
ーこの気持ちは…なんだ……?
帰り道に寄った公園でバスケをしようと提案する愛子。
今は…いろんなコトどう考えればいーかわかんねーんだ,告白の返事もどーすればいーのかな…
ー…ただこーやって玲欧に会うのはスゲー楽しくて失(な)くしたくねーんだ…
「舞サンけっこーうまいっスね,バスケやってたの?」
「うん好きっ」
「じゃあ俺のことは?」
「答えてよ,俺を男として見てる?」
「ー…っ」
ぐらぐら迷ってるーけど…
「ーたぶん,ほかの男より特別に思ってるよっ」
愛子の思いがけない返事に玲欧に一瞬スキができ,愛子が玲欧からボールをとりゴールを決める。
初めて玲欧からゴールを奪い,とても喜ぶ愛子。
「うっあーー負けたー舞サンうまいっスね,速くてついてけなかった」
ー…え?ー…息ひとつ上がってねーのに…?
オレじゃなくて『舞』だから手加減した……?
「…玲欧クン本気…だった?」
「ウンもちろん」
『舞』になら平気でボール取らせるんだ?
「…うそつき…オレが本気で取りにいってもボールに指すらかけさせないくせに…っ」
「ーえ…?」
「相手が好きな女ってだけで簡単にボール取らせてんじゃねーよ!おまえが惚れてんのは,いつもバカにしてた『愛子』だよ」
と悲しさと悔しさを滲ませた辛い表情で涙を浮かべながら、ウィッグを取り
ーバカやめろ
「もーヤメた…こんなふぬけたヤツだと思わなかった,相手にするだけ時間のムダだっ」
ーこんなの
ーただのやきもちだ