残酷な儀式。 | ☆★るーたんにっき★☆

残酷な儀式。

平成13年夏の神奈川県大会は横浜高校対桐光学園が横浜スタジアムで決勝戦を行いました。

横浜高校が勝ち甲子園出場を決めました。敗れた桐光学園の選手は泣き崩れています。

目標としていた「甲子園出場」の夢が敗れたわけです。桐光学園もシード校で優勝候補でした。甲子園に行けない=作戦失敗なのです。だから大泣きなのです。

しかし神奈川県大会は「甲子園出場校決定戦」でなくあくまでも「神奈川県大会」です。

「県大会」としての表彰式があります。表彰式には優勝、準優勝、準決勝で敗れた2校の計4校が登場して表彰のあと横浜スタジアムのグラウンドを「ウイニングラン」します。神奈川県大会で優秀な成績を納めたのですから。

ベスト4の2校は前日の準決勝で敗れて一夜たったからか、また決勝戦にさえ進めなかったからかさっぱりした選手の顔つきです。

表彰のときも「~高校、おめでとう!」というアナウンスに笑顔です。

問題は桐光学園です。アナウンスの「桐光学園、おめでとう!」のたびに選手が肩を震わせ…泣いているのです。

アナウンスに悪意は全くありません。神奈川県で2番の成績を残したのだから。

桐光学園にとって甲子園に行ける1番にならなければ…なのです。2番…1番に一番近いから皮肉なのです。県大会で1番と2番の差は永遠です。1番が清原桑田のPLくらい強かったらあきらめもつきます。桐光学園は優勝候補でした。あきらめはなかなかつきません。

そこに「おめでとう!」なのです。残酷です。

さらにウイニングランです。その際も「桐光学園、準優勝おめでとう!」

桐光学園の選手は下を向き、祝福の言葉のたびに肩を震わせていました。

「市中引き回しの刑」と同じじゃないか!

るーたんのちちは桐光学園の選手の気持ちが分かって泣きました。他のチームは目に入りませんでした。