中1秋から中学卒業まで不登校だった息子。
2023年春 通信制高校3年になりました。


2024年3月    最初の週末。
息子が    私立通信制高校サポート校を
卒業しました。
式典には    夫と二人で参列しました。
ビルの一室で開催された
小さな卒業式でしたが
最初から最後まで    味のある式でした。



来賓席には
郷土環境や郷土芸能の保存活動や
子育て支援活動をしながら
学校に関わり
生徒の顔も名前も知ってくれている
地域の方たちが
ご参列くださいました。



スライドで振り返る
3年間の思い出の1枚目は
入学式の集合写真。
あの頃の息子はまだ
外へ出ることに    構えと準備が必要で
黒シャツと黒ズボンスタイル。
列の端に
身を固くして立っていました。



3年間の行事には
必須以外は参加しないことの方が多かったので
スライドが変わっても
ボヤーッと眺めるだけで
息子を探したりはしませんでした。
ところが
最後の写真「3年生を送る会」では
最前列に笑顔で座り込んでいる息子の姿が
目に飛び込んできました。
スライドBGMの「栄光の架橋」が
やっと    耳から体内に    沁み込んできました。



卒業生代表答辞では
3年間をここで過ごした子と
途中で転入してきた子の二人が    登壇しました。
ぱっと見
一般の学生と何ら変わりない二人ですが
いずれも    
中学校や前の高校を離れ    
長い混乱と絶望と孤独な時を過ごして
この学校にたどり着いたことを
話してくれました。

会場は静まり返り
子どもも大人も    泣いていました。
隣りから鼻をすする音が聞こえ    横を見ると
夫の目が赤く    涙が溜まっていました。
そんな姿を    初めて見ました。



在校生有志たちが
歌を歌ってくれました。
RADWIMPSの「正解」
幾度も繰り返し    なぞりたくなる歌詞です。
私は    
自分が想像あるいは創造する子ども像
ではなく
彼らからの直球ストレートな思いとして
この歌を紹介したい    と思います。



18歳だった子たちが歌う
YouTubeを見つけました。
アメブロでは再生ができないようなので
この形で貼り付けます。
YouTubeに飛んで
前説から歌まで    よかったらご視聴ください。
 




式典後
お世話になった先生たち
一人ひとりと    お話ししました。
皆さん    中3の夏から
息子を知る方たちです。



3年間担任だった先生。
通信制高校合同説明会で
ポツンと着席していた私に
「お母さん    話しませんか」
と話しかけてくれたのが    この担任でした。
パイプ椅子に横並びに座って
息子のことを話しました。

先なんて見えなかったあの頃
息子を受け入れてくれたこと。
在学中    担任と息子がぶつかり合ったこと。
二人が話し合ったこと。
全てがあって    今日この日があることに
感謝を伝えました。



別学年の先生は
息子が落ち込んでいたときに
自らの傷の話をしてくれました。
これが
クサっていた息子が    三たび歩き出す
大きなきっかけになりました。



事務の方は
入学式の日に息子から
「ボクの服装    おかしくないですか」
と話しかけられたそうで
それからずっと    気にかけていてくれました。
校長先生の餞別の言葉は
全部息子さんへ話しかけているようだった
と泣きながら
息子の卒業を    喜んでくれました。



その校長先生の挨拶は
来賓への感謝のあと
3年生に向き直り
卒業おめでとうではなく
こんなふうに始まりました。



「正直に言うよ。
文化祭が終わってからずっと考えていたけれど

君らと別れたくない。

こんなおっさんから言われても
困るかもしれないけれどなあ」



なぜ思い入れがあるのかを
校長先生は    長く長く語りました。
最後には言葉に詰まり
やはり目に涙を浮かべていた校長先生を
忘れません。



校長先生が受け持つ    週1コマの英語授業は
校長と息子の二人きり
なんてこともよくあったようで。
たまに
英語学習からどんどん広がり
ときには    校長の海外生活経験に及ぶことも。
何か刺激を受けた一つだったのでしょう。
息子は    その方面に進みます。



40人に満たない卒業人数なのに
式典に2時間半も?と思っていましたが
蓋を開けてみると
手作りの    人情が次から次へとあふれる
あっという間の時間でした。



先生たちへの挨拶を終え
息子の姿を探しました。

彼は    同級生下級生との団欒の中にいました。
「先に帰るね」
と声をかけ
夫と私は    ビルを後にしました。



2024年3月2日。
私たちの息子は
スタンダードとは遠い
でも    なかなか経験できない高校生活を
終えました。
ああ    でも    息子にとっては
これがスタンダード。



ここまで    ブログを通して
私たちを見守り応援してくださった皆さま
ありがとうございました。
そして
この春    節目を迎える皆さま
おめでとうございます。



不登校・ひきこもりから通信制高校を経験した
息子が
この先どのような道を歩んで行くのか
もう少し    綴っていこうかなと
今は    思っています。



今日も読んでいただき、ありがとうございましたセキセイインコ青



スター                                                                  スター


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