星野道夫さんの言葉
「結果が、最初の思惑通りにならなくても、そこで過ごした時間は確実に存在する。そして最後に意味をもつのは、結果ではなく、過ごしてしまった、かけがえのないその時間である。」
星野さん著書「旅する木」の一番最後の「ワスレナグサ」という章にありました。
本は続きます。
「頬を撫でる北極の風の感触、夏のツンドラの甘い匂い、白夜の淡い光、見過ごしそうな小さなワスレナグサのたたずまい…
ふと立ち止まり、少し気持ちを込めて、五感の記憶の中にそんな風景を残してゆきたい。
何も生み出すことのない、ただ流れていく時を、大切にしたい。
あわただい、人間の日々の営みと平行して、もうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。」
ワスレナグサは英語で
forget-me-not
アラスカ州花
もうひとつの時間というのは、
「北極圏のツンドラを大移動するカリブーの大群」や「南東アラスカの海で力強く舞い上がるザトウクジラの姿」や
「アラスカの土地に生きるエスキモーやインディアンの人々」
「アラスカの原野に咲く、可憐で、たくましい野生の花々」などの世界もさしてはるように思います。
大阪で、こうして電車に揺られている、この瞬間にもアラスカの海ではザトウクジラが海面高く飛び上がっているかもしれない。
福島や熊本では沢山の方たちが不安な日々を送られている。
私たちは同じ時代に同じ地球に生きる、もうひとつの命の営みに思いを馳せ、相手の幸せを祈れるようでありたいと思います。
合掌。