
M.O.F(フランス国家最優秀料理人賞)の称号を持つジャック・ボリー氏が
店を去ることが囁かれ始めたころでした。
その時にはすでに夫のベルギー赴任が決まっていて、
今行かなければ絶対に後悔する!と思い、どうしても行こうと決めたのですが、
一時は東京で一番予約の取れない店といわれただけあって、何度電話をしても
予約はいっぱい、キャンセル待ちでも5~10組目と言う散々な状況でした。
最終的には週末をあきらめ、○○日(夫の赴任日)までの間で
平日の夜取れる一番近い日・・・というあいまいな指定で
ようやくGETした席です。
予約の時間をやや過ぎたころに並木通りのガラス張りの扉をくぐり
エントランスで名前を告げエレベーターで2階へ。
思っていたよりもモダンな感じ。
行く前は、今はなきタイユヴァン・ロブションのような
重厚なクラシカルな感じを想像していたのです。
ここのお料理に関しては何も言うことがないくらいとっても大満足だったので、
接客・サービスについて思ったことを・・・。
アペリティフを選び、メニューを選びお料理を待っているところへ現れた
お隣の席のお客さん。
私たちは少なからずびっくり。
そのお客様、どう見ても10代の朴訥な感じの少年。
しかも・・・一人。
落ち着かない様子で、モジモジ・ソワソワしている。
一人?それとも彼女を待ってるの?
でも・・・セットされているカトラリーやグラスは一人分・・・。
??????不思議な感じです。
でも、それは彼がメニューを頼むときに解決しました。
お決まりですか?と問いかけるサービスのお兄さんに
「すみません、初めてなんです・・・。予算は3万円で、
料理に合うワインを合わせるとしたらどのコースがいいですか?」と
とても素直な質問。(とっても素直でほほえましい(^・^))
そこでサービスの方はピン!と来たらしく「シェフの勉強中ですか?」と聞いている。
すると「はい、まだ入学したばかりですが・・・」「どちらの学校ですか」
「辻調です」というような会話がなされた後、
「ここには何人かの先輩がいるので後で紹介しますよ。
お料理はこれにしましょうか。ワインは任せてください。」と、なんとも優しい。
お料理が運ばれてきてからも、素材のこと、調理方法のこと等々細かく説明し、
さらにそのお料理に合うワインをグラスワインよりも少なめの量で
あれこれと合わせて試飲させてあげている。
さっきの約束どおり、お料理の合間には辻調の先輩が入れ替わり立ち代り挨拶に。
最後にはみんな「いつか一緒に仕事しような」と硬い握手。
・・・ホント、優しい♪
さらに、もう一つ私が嬉しかった事。
他のテーブルサービスの方の中にどこかで見たことのあるような人がいて
夫に「誰だっけ?」と聞いてみるが「見たことない」とあっさり言われてしまったのだけれど、
絶対に見たことがある!と思った私は、遠い遠い記憶を辿ってみた・・・。
その人の顔を見てものすごく安心したような気がする。
誰だろう・・・????
遥か奥の方の記憶の引き出しから出てきたのは・・・・・!
パリのタイユヴァン!
その日は朝からホテルで浴衣を着込み、ヴィトンミュージアムに行き、
超~緊張の時間を過ごしていたのです。
で、訪れたタイユヴァン。
そこに彼がいて日本語が通じるというか、普通に話せる・・・と言うことで
すっごくホッとしたんですね~。(いや、これも私のフランス語のできなさが
災いしてるんですけど・・・・。←しかし、覚える気、全くなしっ!)
間違いない!あの人だ!
・・・で、本当はいけないんだろうけど、私たちのテーブルのサービスの方に
「あそこの人呼んでください」ってお願いして来てもらいました!
「パリのタイユヴァンにいらっしゃいませんでしたか?」と聞いてみると・・・。
なんと、覚えていてくれたのです。
社交辞令かな?とも思ったのですが、着ていた浴衣の色まで覚えていてくださって、
とっても感激!
おいしいお料理+嬉しい思い出で凄く幸せな時間でした。
おっと、忘れちゃいけない!
ここのもうひとつの楽しみは、ワゴンデセール。
シャリオにたくさん載ったいろんなデセールの中からあれもこれもと選んでも
はずれがないのはとっても嬉しいです。
・・・ワゴンデセールって結構ハズレもあるのよね(~_~;)
帰りには、お土産とメニューを頂き、階段の下で写真まで撮ってもらってお料理だけでなく、
サービスでも本当に心地よく過ごせる素敵なレストランでした。
今はジャック・ボリー氏が、お店を卒業し、この7月からロオジエに就任された
元アトランタのリッツカールトンホテルの総料理長、ブルーノ・メナール氏が
腕を振るっているのでしょう。
ボリ-氏が世界中のシェフから長期間吟味を重ね選んだというから、
きっとおいしいお料理を出しているんだろうなぁ~。
帰国したらまた行きたいけれど、行きたいレストランが多すぎていつになることやら・・・・・。