ツイッターのフォロワーさんの間ではたぶん認知されていると思うのですが、私はとかく「良い香りがするもの」が好きで、お香やエッセンシャルオイルなどはもちろん、自分に付けるものでも塗香、練り香水、香水と、形態の違うものを複数持っています。
で、その香水なのですが、つけることで「おしゃれを楽しむ」というより「その香りがする場所や人物と一体化する」ことを目的に使っていることが多いのです。実は、お香を焚くときも「この香りを漂わせている方がそばにいる」と想像しながら焚いていることも結構あります。
ところで一体、誰をイメージして香を焚いたり香水をつけたりしてるの? というところですが…気になりますよね? え、もう知ってるって? はい、わかる方はもうわかるはず
もちろん、我が最愛にして最推しのこの方。永流堂店主L様です!!
って、自キャラかーい!!!!
いやいや、一次創作を嗜む者にとって自キャラの愛はとっても大切です。自分の分身のような、子供のような、ミューズのような存在ですからね。
店主が漂わせている香りは「永流堂奇譚」にも明記してある通り「白檀と蓮」です。なので、使うものはお香や和の香水が中心になります。特に私は、白檀の香りを漂わせているときの店主が好きなので、白檀を中心に重ねづけなどして楽しんでいるました。
そんな感じだったのですが、ツイッターで偶然「Scentlyというところで推し香水を作ってもらえる」ということを知り…「これ、もしかして店主の香り作れるのでは?」と思ったわけです。
推しの年齢やイメージ、性格、自分が好きな香りのタイプなどを記入するオーダーシートが用意されているのでそれを使って注文する方式なのですが、これがすごく面白い。例えば、「イメージしたいキャラクター・人物の性別」として選べる項目に「人外」がちゃんと入っている。
あと、年齢について書く項目には「見た目の年齢と内面の年齢が大きく異なる場合は、それぞれお答えください」と添え書きしてある。明らかに「こちら側」の人間が絡んでいるなと思うような内容なんですよね。
プロの調香師が作ってくれるのだから変なものはできないだろうというのは間違いないのですが、作ってほしいのは「推しの概念」であって、ただの香水ではないのです。なので「調香師が作る」に「こちら側の人」がいるというのは、なんかそれだけで期待感が上がる要因になります。
また、Scentlyの推し香水には「なぜこの香りにしたか」を説明するレターがついてきます。推しキャラについて語り合うような楽しもあるのですね。
私の場合は「自キャラ」ですので、キャラ解釈を聞かせていただくような感じにもできるわけです。ここでちょっと悩んだのが今回のオーダーでは「店主から漂う香り」を作ってもらうか「店主をイメージした香り」を作ってもらうかということ。つまり、店主の存在感を中心に作っていただくか、Scentlyさんのキャラ解釈を聞かせてもらう感じで作っていただくかということです。
で、考えた結果、今回は「Scentlyさんの解釈」をメインにすることとしました。
ですので、オーダーシートでは「白檀と蓮」についてはさらっと触れる程度にしておきました。Scentlyさんが店主をどう解釈し、どう表現するかを純粋に知るには「店主がまとっている香り」を出し過ぎるのは良くないなと考えたためです。
香水が届くのは注文から一か月後くらい。さて、どんな香りができるのかとワクワクしながら待ちまして…
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
台紙の色はオーダーシートに書いた「推しのイメージカラー」です。最大三色指定できるのですが、私は「カラスの濡れ羽色」一択です。はい、絹のように滑らかな店主の御髪の色でございます。
左が香水、右がお楽しみのレターですね。
中はこんな感じで、使用されている香りの種類と「なぜこの香りにしたか」の解説になっています。
トップノートは優雅な雰囲気
ミドルノートは少し色気のある雰囲気
ラストノートは落ち着きはあるけれどちょっと「曲者」な雰囲気
といったところでしょうか。いいですね、店主っぽいです。すごくわかります
うわぁ、嬉しい! 店主のサディスティックな一面をちゃんと読み取ってくれている!
今回は店主から漂う香りを作ってもらうのではなく「Scentlyさんの解釈を知りたい」がメインだったので、オーダーシートには個人的感情よりも設定を中心に書いたのですが、とてもしっかり考えてくださったのだなぁと感じます。
さて、気になる香りですが…トップ、ミドル、ラストで印象するすると変わり、どんどん奥深くなっていくような香りです。しかも、香水の匂いと「移り香」がまた全然違うのです。
トップは女性的な雰囲気の優雅で優しい花の香りです。甘い香りですが爽やかで品があり、とてもさらっとしています。これは店主の一番外側。静かな声で「いらっしゃいませ」と挨拶し、優美に微笑むあの感じ、永流堂に入った客が初めて店主を目にした時の感覚を香りで表現するとこんな感じかもしれません。
ミドルはトップと同じフローラル系なのですが、より華やかで少し官能的なニュアンスです。挨拶が終わって接客してもらっている場面で、美しい指先に思わず目が行ってしまう、少しうつむいたときに肩からさらりと滑り落ちる髪や、眼鏡の奥に見える長いまつ毛に縁取られた目に色気を感じてしまう…そんなイメージです。
ラストノートはストーリーの終盤などに登場する、「お客様」にはあまり見せないもう一つの顔。優雅で艶やか、美しくて柔らかい…けれど少し厳しくて冷たい。幽玄さと厳格さを兼ね備えた奥深い香りです。
そして移り香。この香水、ラストに「和」のニュアンスが混ざってくる程度で全体的には「和」の雰囲気はあまりないのですが、移り香はまるでお香のような香り。「和」のテイストが前面に出てきます。
店主は稀に自分の持ち物を人に渡したり手紙を書いたりするのですが、それらの品にはもれなく白檀の香りが染みついているのですが、まるでそれを実現したみたいな感じです。なにこれエモい。
今回は「Scentlyさんの解釈を知りたい」という感じでオーダーしたのですが、いただいた香りを解釈していく……みたいな楽しい時間を過ごすことができました。なんかちょっと香道っぽいかも。
自分ではあまり選ばないタイプの香りが使われているのも面白いですね。
「推し香水」というとおり、推しキャラの概念を作ってもらうのはもちろん、自キャラの概念を作ってもらうもよし、設定だけ送ってキャラ解釈を香りで表現してもらうもよしだと思います。レターも楽しいし、オーダーシートを書くのも楽しい。一次創作者にはキャラと向き合う時間になって特に良いと思います。世界観をより深められるのではないでしょうか。
価格も手ごろですし、次はジョルジオの香りを作ってもらおうかなぁ。
皆さんもぜひ体験してみてくださいね
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