YMR Global Motors 「欧州モータースポーツ、欧州⇔世界の自動車輸出入」活動記 -51ページ目

YMR Global Motors 「欧州モータースポーツ、欧州⇔世界の自動車輸出入」活動記

元ラリードライバーの車屋社長のイギリス、ヨーロッパでの日々の仕事、活動などなど。ビジネス、自動車情報や、自動車の輸出、並行輸入事、モータースポーツ(特にラリー)の話題を中心としたブログです。

 イギリスのナンバープレートは、車そのものにつく物で、日本と違い、オーナーが変わってもナンバーが変わることはないんです。ただ、オーナーがお金を出して申請すればナンバー変更は可能ですが。


 よく、イギリスで車の年式を聞くと、「Yレジ」や「Wレジ」などと言う答えが返ってくることがあります。ナンバープレートの最初のアルファベットも文字は年式を表しています。2001年以降になると、今度、アルファベット2文字に「51」とか、「02」とかの文字がつきます。


 A(1984)が古くてYで(2001年)と来て、51(2002~2002年)、02(2002年)、52(2002~2003年)、03(2003年)、53(2003~2004年)・・・と続きます。


 ちなみに「Qナンバー」と言うものが存在します。ナンバーの最初にQがつくものですが、これは特殊なナンバーで、製造年がはっきりしない車や、キットカーがこのナンバーをつけることになります。特殊な手続きが必要で、ただ、普通の車はこのナンバーがつくことはありません。


 自動車の部品注文なんか、ナンバープレートを言って注文しますし。ナンバープレートで車のほぼ全ての情報が出てきますので。盗難暦とか、事故暦とか、走行距離改ざん暦とかも調べれますよ。


 まー、プロの目で実車を見ないと事故車かどうか、走行距離改ざん車かどうか完全にはわかりませんけどね。事故っても、こそっと直してしまえば記録には残らないし、うまく記録に引っ掛からない程度に、微妙に走行距離を改ざんすれば・・・なんてこともありますからね。


日本とは違う、イギリスの自動車システムでした。


 

何年前になりますでしょうか?僕は2台のラリー車のイギリスナンバー登録に携わってきました。以前のプログでも言いました、並行輸入に関して最も曲者といえる存在、SVAとESVA。たくさんの輸入業者が頭を痛めたであろうこの並行輸入車の検査。僕も当時は、ラリー車だけにいろいろ努力をしました。  


 一台は、僕のラリー車の三菱ミラージュ。もう一台は、2006年のラリーウェールズGB、N3クラスチャンピオンカーのホンダシビック。  2台ともいろいろと改造を施しているのですが、日本で6ヶ月以上所持していたのでパーソナルインポートで、ESVAにならず、一般SVAだったのが救いでした。(ESVAなら間違いなく送り返しでしょうね。)  


 ただ、ラリー車といっても、いろいろ加工されている部分が多いので、厄介。環境上、安全上をチェックするといって、例えばシビックの方なんかFIA規定で作られた車を危険といっていたるところを指摘するのですから・・・・(環境上の理由でFIA規定に文句を言うのなら納得できるのですが・・・安全上の理由で文句言うのは・・・間違ってるんじゃないかなぁ~)  


 SVAは、とりあえず、鋭利な物、引っかきそうな物体に対して厳しいですね。ラリー車で言うと、ボンネットピン、ステアリングの金属むき出しのスポークの部分(僕の車はナルディークラシックでした。シビックはなんだったかな?)室内のボルト部分(ロールゲージを止めているものなど)、とりあえず、硬いもので、丸みがない部分は、スポンジなど緩衝材でカバーしなければならない。金具(僕の場合は、助手席の消火器を止めていた金具)も言われました。


 余計なアクセサリーなどつけてはダメ。ナビランプ(夜中、暗い室内で、コドライバーが、ペースノートを読み上げたりする時に使う照明)も外せって言われました。あと、窓の外によくついている雨よけバイザーも外さなければダメです。  


 僕の車は、バケットシートも言われましたね。クッション性のある、倒せるものにしろと。  


以外なのは、ロールケージがOKだったということ。ただ、ロールケージもドアから極度に進入面積を少なくするロールケージはダメみたいですね。サイドバーをつけてもいいのですが、極端なものは避けた方が無難かもですね。(シビックは2本の横に走るサイドバーはついていましたがOKでした)  


 エンジンとか、排気系統は両車ともいじってはいなかったので大丈夫でした。グループNでも、モーテック入れてバフンバフンはだめですよ。  


 アンダーガードは・・・とりあえず、外していったのでOKだったのかな?念のため外していったので、つけてる場合はどうでしょう?  


 サスペンションは、特定の車高があればOK。ブレーキも、普通に効いていればOK。デフまでは見ませんし。クラッチやトランスミッションまでも見ませんし。  


 ただ、こういった改造車は、絶対一度は落とされると思って間違いはありません。最初の検査で、試験官が、落とした項目を記録するので、2回目は、その項目を直すだけで検査をパス出来ます。まー、落とされた項目次第で大変な物もあるでしょうけど。  


 あとは、マイルのスピードメーター、リアフォグランプ、給油口のリストリクターはドノーマルの車でも必要ですね。


 ただ、車種によっては、マイルのスピードメーター探しで苦労はするかもしれませんね。パーツが出てなかったりするので。現に僕のミラージュは大変でした。いませんでしたからね、CAマイベックミラージュは。なので、イギリスに走っている同じ形の車の三菱コルト(ミラージュの英国名)のメーターを取り寄せて、メーターと後ろのメーターケーブルも変えてその場を凌ぎました。その時、タコメーターは動かなかったのですが、タコメーターは動かなくてもSVAはOK。


 でも、タコが動かないのは嫌だったので、SVAが終わった後、元のキロのスピードメーターに戻しました。SVAは一回通ってしまえば、2度とやることはないし、毎年、MOT(日本で言う車検)は受けなければならないのですが、MOTはキロのメーターでOK。


 そんなこんなで、SVAでは当時、いろいろ苦労はしましたが、イギリスナンバー登録には、ほかにいろいろ苦労させられることが多かったでした。それは、後日、気が向けばお話するかも?

 前のプログでも、1990年代の車が多いか?と書きました。一つはイギリスで生産されていない、スポーツカーが多いこと。日本車は性能がいいですし、ゆえにマニアが多いこと。(ないものを欲しがるマニアの性癖もあり)もう一つは、やっぱりイギリスの自動車輸入時の規制が関わっています。


 イギリスでは、自動車が10年落ち以前と9年落ち以降では、輸入する時の扱いが大きく違います。


 まず、日本から輸入するに当たって、パーソナルインポートと、そうでないもの(ビジネス理由など)の二種類があります。


 パーソナルインポートとは、販売目的がなく、引越し目的の輸入。ただ、それには、日本でその車を6ヶ月以上所持していることが条件。日本からイギリスに輸入する時、車体価格、船賃、日本での陸送費の合計の約30パーセントの輸入税がかかるが、このパーソナルインポートの場合、それが免除されます。

ただ、イギリスで通関した後、1年は車を売ることが出来なくなりますが。


 そうでもない場合は、輸入税がかかる。でも輸入して即販売出来る。


 さて、もう一つ、重要な言葉がSVA(Single Vehicle Approval)とESVA(Enhansed Single Vehicle Approval)。EU圏外から来た、輸入車がイギリスで登録するのに、この試験を受けなければならないのでが・・・・これが厄介なのですね。かなり厳しいです。輸入業者はこれに泣かされるのです。


さて、普通のSVAとESVAですが・・・・どちらもまず必要なのが


1・マイルスピードメーターにすること。

2・リアフォグランプを取り付けること。

3・燃料給油口にリストリクターをつけること。


です。


 SVAとESVAの違いは?ESVAはSVAより厳しいということ。SVAは若干の改造はOK。(改造の種類にもよりますが)、ESVAはほぼ完全にドノーマルにしなければならないほど厳しいです。ESVAを受けるに当たって曲者がモデルレポートなるもの。これを発行しなければならないのですが、まず、余計な出費が発生する。そして、何よりもモデルレポートが存在しない車種は、もう大変・・・・・。送り戻した方がいいかも?


 さて、次は、9年以降の車と10年落ち以前の輸入について。


 まず、10年落ちは・・・パーソナルインポートであろうとなかろうと、SVAを受ける必要なし。もちろんESVAもなし。そのまま、簡単なMOT(イギリスの車検。日本より甘いです)でOK。


 9年落ち以降はどうか?


 パーソナルインポートの場合。

 普通のSVAを受けることになる。モデルレポートは要らないので、あまり酷い改造してなければOK。(でもSVAはややっこしいですけど。)


 そうでない場合。

 ESVAのなります。まず、大方のスポーツカーは改造されていたりしますが、もう大変ですね。がんばってドノーマルに戻さないと・・・


以上の理由から、基本的に自動車輸入業者たちは、10年落ち以前を狙って、日本から車を輸入します。このSVAなるものがいらないのですから。それに今からの10年落ちのあたりって・・・・熱い日本車が多いですからね。


 一応、名目上は、その車が環境上、安全性がヨーロッパの規定に順じているかどうかをチェックするものですが、SVA、ESVAは、食料品、衣料品、電気製品などでいう、税関障壁みたいなものと考えてよろしいのではないかと思います。要するに・・・・国外から、車が入ってくることにより、国内の自動車マーケットが圧迫される、それで、なるべく外から来た物にお金を使わせる。出来れば国内に入れるのを諦めてもらおうと・・・って感じですね。


 それゆえ、10年落ち以前の車は、古くてマーケットにはあまり干渉しないと言う理由で、簡単に入れちゃうって感じですね。


 数年前、パーソナルインポートで三菱ミラージュのラリー車を入れたことがあります。その時のSVA奮闘記、もう一人、元2WDの全日本ラリーチャンピオンの吉井さんがラリーウェールズGBに使うため、入れたシビックのラリーカーのSVA奮闘記のお話しを後日できればと思っております。