何年前になりますでしょうか?僕は2台のラリー車のイギリスナンバー登録に携わってきました。以前のプログでも言いました、並行輸入に関して最も曲者といえる存在、SVAとESVA。たくさんの輸入業者が頭を痛めたであろうこの並行輸入車の検査。僕も当時は、ラリー車だけにいろいろ努力をしました。
一台は、僕のラリー車の三菱ミラージュ。もう一台は、2006年のラリーウェールズGB、N3クラスチャンピオンカーのホンダシビック。 2台ともいろいろと改造を施しているのですが、日本で6ヶ月以上所持していたのでパーソナルインポートで、ESVAにならず、一般SVAだったのが救いでした。(ESVAなら間違いなく送り返しでしょうね。)
ただ、ラリー車といっても、いろいろ加工されている部分が多いので、厄介。環境上、安全上をチェックするといって、例えばシビックの方なんかFIA規定で作られた車を危険といっていたるところを指摘するのですから・・・・(環境上の理由でFIA規定に文句を言うのなら納得できるのですが・・・安全上の理由で文句言うのは・・・間違ってるんじゃないかなぁ~)
SVAは、とりあえず、鋭利な物、引っかきそうな物体に対して厳しいですね。ラリー車で言うと、ボンネットピン、ステアリングの金属むき出しのスポークの部分(僕の車はナルディークラシックでした。シビックはなんだったかな?)室内のボルト部分(ロールゲージを止めているものなど)、とりあえず、硬いもので、丸みがない部分は、スポンジなど緩衝材でカバーしなければならない。金具(僕の場合は、助手席の消火器を止めていた金具)も言われました。
余計なアクセサリーなどつけてはダメ。ナビランプ(夜中、暗い室内で、コドライバーが、ペースノートを読み上げたりする時に使う照明)も外せって言われました。あと、窓の外によくついている雨よけバイザーも外さなければダメです。
僕の車は、バケットシートも言われましたね。クッション性のある、倒せるものにしろと。
以外なのは、ロールケージがOKだったということ。ただ、ロールケージもドアから極度に進入面積を少なくするロールケージはダメみたいですね。サイドバーをつけてもいいのですが、極端なものは避けた方が無難かもですね。(シビックは2本の横に走るサイドバーはついていましたがOKでした)
エンジンとか、排気系統は両車ともいじってはいなかったので大丈夫でした。グループNでも、モーテック入れてバフンバフンはだめですよ。
アンダーガードは・・・とりあえず、外していったのでOKだったのかな?念のため外していったので、つけてる場合はどうでしょう?
サスペンションは、特定の車高があればOK。ブレーキも、普通に効いていればOK。デフまでは見ませんし。クラッチやトランスミッションまでも見ませんし。
ただ、こういった改造車は、絶対一度は落とされると思って間違いはありません。最初の検査で、試験官が、落とした項目を記録するので、2回目は、その項目を直すだけで検査をパス出来ます。まー、落とされた項目次第で大変な物もあるでしょうけど。
あとは、マイルのスピードメーター、リアフォグランプ、給油口のリストリクターはドノーマルの車でも必要ですね。
ただ、車種によっては、マイルのスピードメーター探しで苦労はするかもしれませんね。パーツが出てなかったりするので。現に僕のミラージュは大変でした。いませんでしたからね、CAマイベックミラージュは。なので、イギリスに走っている同じ形の車の三菱コルト(ミラージュの英国名)のメーターを取り寄せて、メーターと後ろのメーターケーブルも変えてその場を凌ぎました。その時、タコメーターは動かなかったのですが、タコメーターは動かなくてもSVAはOK。
でも、タコが動かないのは嫌だったので、SVAが終わった後、元のキロのスピードメーターに戻しました。SVAは一回通ってしまえば、2度とやることはないし、毎年、MOT(日本で言う車検)は受けなければならないのですが、MOTはキロのメーターでOK。
そんなこんなで、SVAでは当時、いろいろ苦労はしましたが、イギリスナンバー登録には、ほかにいろいろ苦労させられることが多かったでした。それは、後日、気が向けばお話するかも?