●ディテクティブのアルミ版

 

 コブラはディテクティブスペシャルのアルミ合金版だ。登場は1950年のこと。アルミ合金の最大のメリットは軽さで、ディテクティブの重量が21オンス(約595g)であったのに対し、コブラは15オンス(約425g)と大幅な軽量化を実現した。

 

 パイソンやダイヤモンドバック、アナコンダなどコルトのリボルバーには蛇の名前を冠したものが多いが、コブラのその元祖だ。なぜ、蛇の名前を採用したかは残念ながら不明。コブラ以前のリボルバーは職業や使用用途などを組み合わせたものがスタンダードで、順当に行けば「ライトウェイト・ディテクティブ」とか「フェザーライト・スペシャル」といったような名前になるはずだが…。

 

 

 コブラは製造年代によって大きく3種類に分けることができる。なお、分類方法や仕様変更の年は諸説あるので、あくまでも参考程度として考えていただきたい。

 

【1st issue】

 1950年~1972年に製造されたモデル。外観はディテクティブの2nd issueとほぼ同一。1954年までは「コルトウッド」と呼ばれるベークライト製グリップであったが、それ以降はウォールナット製のチェッカーグリップに変更された。1966年にグリップフレームの短縮化が行われ、ショートフレームとなる。

 

【2nd issue】

 1973年~1981年に製造されたモデル。ディテクティブの3rd issueに準じた仕様に変更され、エジェクターロッドのシュラウドが追加された。グリップはややサイズが大きいコンバットグリップとなった。

 

【3rd issue】

 2017年に再登場したモデル。コブラと言いつつも、アルミ合金製ではなく、ステンレス製。外観及びメカニズムはSF-Ⅵを踏襲。

 

 

●続々登場!コルトDフレーム

 

 ディテクティブ、ポリスポジティブに続き、DフレームのRモデルの第3弾としてコブラが新発売となった。まさかまさかのコブラである。メーカーの気合の入れようを見るに、これはダイヤモンドバックもあるんじゃないかと期待が膨らむ。

 

 先述した通り、コブラはディテクティブのアルミ合金版で、モデルガンでこれを再現すると、ディテクティブの単なる刻印違いとなり、いささかインパクトに欠ける。そこで、タナカはコブラの中でも特徴的な1951年製をチョイスし、短いエジェクターロッドとベークライト風グリップを新規で作ることで、ディテクティブとの差別化を図った。そして、私はその戦略にまんまとハマって買ってしまったってわけ。

 

 

 パッケージは実銃のボックスを再現し、木目調のプリントが施されたもの。

 

 

 ディテクティブやポリスポジティブと共通のパッケージなので、側面のシールで区別している。

 

 

 バレル左側には「COBAR」の刻印が!ワンオフなどではない市販のモデルガンでこの刻印を見られる日が来るとは思わなかったなぁ…。実に感慨深い。

 

 エジェクターロッドは短いタイプが付属。ただ単にディテクティブのエジェクターロッドを短縮したというわけではなく、先端の形状の違いまでも丁寧に再現。

 

 

 エジェクターロッドが短いということは、その稼働量も少ないということだ。稼働量は11mmしかなく、薬莢の排出には不安が残る。

 

 

 バレル右側面には「COLT’S MFG. CO.」の刻印が入る。

 

 

 ディテクティブやポリスポジティブではサイドプレートのランパンコルトが後方に配置されていたが、コブラでは中央に配置。確かに実物を画像を見ても、サイドプレート中央にランパンコルトの刻印が入っている。

 

 

 トリガーはセレーション入りで、これはディテクティブやポリスポジティブと共通。

 

 フロントサイトはランプタイプでセレーションが入る。

 

 

 リアサイトはフレームに溝を彫ったフィクスドタイプで、スクエアノッチ。フレームトップには反射防止のため、非常に細かいセレーションが入る。

 

 

 グリップはベークライト製の通称「コルトウッド」と呼ばれたものを再現。コブラでは1954年までベークライト製のグリップが取り付けられていたとのこと。

 

 しかしスゴイですね、このグリップ。濃密な色合いに光沢、マーブル模様に至るまで忠実に再現。まさにコルトウッドのイメージそのまんまといった感じ。あと2つぐらいは欲しいところ。オプションパーツとして販売してくれないかしら。

 

 

 グリップ背面にはウエイトが仕込まれており、重量を稼いでいる。

 

 

 ベークライト風グリップが大変に気に入ったので、ほかのリボルバーにも取り付けてみる。まずはポリスポジティブに装着。重厚感のある渋い佇まいに。

 

 

 続いてはディテクティブスペシャルに装着し、エジェクターロッドも交換。すると、あら不思議。9.65mm拳銃を思わせる1挺に変身。

 

 

 今度はコブラにウッド調グリップを装着。さらにディテクティブの長いエジェクターロッドに交換すれば、1954年以降のコブラを再現することも出来る。ベークライト風グリップと短いエジェクターロッドが登場したおかげで再現できるモデルが増え、遊びの幅がグッと広がった。

 

 

 サイドプレートを外してメカニズムを見る。DフレームのRモデルはこれで3挺目だが、トリガーが引けない、シリンダーが回らないなどの不具合は1件もない。

 

 

 ディテクティブと並べてみる。2挺を並べると、刻印やエジェクターロッドの長さ、グリップの違いなどがよくお分かりいただけるのではないかと思う。

 

 

 毎度おなじみのパイソンと。.357マグナムを撃ち出すリボルバーということで、フレームが大きく、各部の造りに余裕が感じられる。特にクレーン(ヨーク)の幅の広さは圧巻。

 

 

 最後は同時に新発売になったニッケルのスクエアチーフと。まさかコブラとバッティングするとは夢にも思わなかった。新作のモデルガンが2挺も出るというのは嬉しい限りなのだが、2挺で5万円以上。おまけに今月はMULEのHScも買ってしまったので、締めて10万円超え。こりゃマズいですな。来月は慎ましく生きねば。

 

 ニッケルのスクエアチーフの記事も近日中に投稿する予定なのでお楽しみに。