●コンバットマスターピースのステンレス版

 

 時の流れは早いもので、気が付けば年の瀬である。2021年はタナカからKフレームのモデルガンが次々と発売されたことで、「Kフレーム三昧」の1年となった。実銃のパッケージを模したお馴染みのボックスも数を増やし、棚の上に堆く積まれ、存在感を放っている。

 

 さて、先日は新発売となったタナカのS&W M15 ver.3のモデルガンをご紹介したが、今回はそのステンレス版であるM67のガスガンをご紹介する。本当はガスガンではなく、モデルガンが欲しかったのだが、M67のモデルガンは発売されておらず、発売されるかどうかも不透明であったため、とりあえず買っておこうということで購入に至った。

 

 

 S&W M67は、M15のステンレス版で1972年に発売され、ルイビル警察やカリフォルニアハイウェイパトロール(CHP)などに納入された。CHPに納入されたモデルはM68と同様にフレーム左側面に「CHP」の刻印が打たれている。

 

 M67は、ガスリングの移動やバレルピンの廃止などの改良が6回にわたって行われ、ノーダッシュからM67-6までのバリエーションが存在する。なかでも初年度に製造されたリアサイトがステンレス製であることが特徴となっている。

 

 

●トイガン初のモデルアップ

 

 タナカ S&W M67 ver.3は、2021年7月に発売されたガスガンで、M67がトイガンとして再現されたのは初めてのことである。しかも、タナカがモデルアップしたのはリアサイトがステンレス製となっている1972年製のモデル。実銃では+100ドルの価値があるらしい。

 

 

 パッケージは実銃のボックスを模したもの。モデルナンバーなどが書かれた側面のシールは手書き風になっていて、ひたすらに雰囲気が良い。

 

 

 付属のグリップはラウンドボトムのサービスサイズ。M15には、フラットボトムのダイヤチェッカーが付いていたが、あれは1968年に廃止されたので、1972年生まれのM67にはラウンドボトムが正解。しっかりと時代考証に合ったグリップが取り付けられている。

 

 

 しかし、サービスサイズのグリップは握り心地が悪いので、共栄通商別注の「+weightシリーズ オーバーサイズ・チェッカーグリップ・アーリースピードローダーカット(Kフレームスクエアバット用)」をチョイス。

 

 アーリースピードローダーカットグリップは、1977年にCHPへM67、M68を納入する際に同時に納入したグリップで、スピードローダーを使いやすいように、ターゲットグリップのサムレスト、いわゆる「フットボールカット」の部分を削り落とした特注品で、従来のスピードローダーカットグリップとは形状が異なる。

 

 

 タナカの+weightシリーズは、ウッドグリップの内側にウエイトを内蔵しており、重さは約150gもある。

 

 

 シルバーのメッキモデルは撮影が難しい。バレル左側には「SMITH&WESSON」の刻印が打たれているがお分かりいただけるだろうか…。

 

 

 バレル右側面には「38 S.&W. SPECIAL CTG.」の刻印。全体的なデザインはM19/M66とそっくりだが、M67で.357magを撃つことはできない。

 

 

 もちろん、アドレス刻印もリアル。金属製のサイドプレートはややマットな感じになっているので、光の当たり方によってはフレームとの色味の違いが気になる。

 

 

 フロントはボウマンクイックドローサイト。レッドランプなどは入っていない。

 

 

 1972年製の特徴であるステンレス製リアサイト。やっぱり、リアサイトはブラックの方が狙いやすいが、サイトピクチャー云々よりも錆びないということが重視されたのだろうか。

 

 

 先日、ご紹介したM15のモデルガンと並べてみる。ヘビーウエイトとメッキを並べて撮影するのは特に難しい。メッキを綺麗に撮ろうとすると、ヘビーウエイトが真っ黒になってしまい、逆にヘビーウエイトを綺麗に撮ろうとすると、メッキが光りすぎる…。

 

 

 M68とCHPコンビで!CHPにM67/M68が納入されたのは1977年のことなので、ステンレスのリアサイトを備えたM67はCHPで使われていないが、そこはご愛嬌で。ともあれ、M67にアーリースピードローダーカットグリップを付ければ、気分はCHPのオフィサーだ。

 

 

●実射

 

 約3m先の直径13cmのターゲットペーパーに向けてダブルアクションで6発試射を行った。使用したBB弾はマルイのベアリング研磨0.20gで、室温は22℃であった。

 

 「ポンッ」というペガサス特有の甲高い発射音とともに、BB弾が飛んでいく。室温が比較的高いためか、パワーも悪くない。相変わらず、タナカのリボルバーのトリガープルは素晴らしい。トリガーの動きが滑らかで、ダブルアクションでもブレることはない。あっという間に6発を撃ちきる。

 

 グルーピングは35mmで、オートと比べても遜色がない。室内でプリンキング用として使うには十分な性能を持っている。

 

 

●最後に

 

 M67の購入から1か月経たずにしてタナカからM66 Fコンプのモデルガンが新発売になるという発表があった。遂にKフレームver.3のメッキモデルがモデルガンとして発売されるのである。おそらく、M66 4インチ、2.5インチという順でメッキモデルが続々とモデルガン化されていくものと思われる。2022年もタナカの新製品から目が離せない。