胆大小心録 その148 | むかしのはなし

胆大小心録 その148

百四十八

ナデシコは夏花とのみ和歌に詠むのは正しいとは言えない。
夏より咲いて秋冬の初めまで咲き続けるものもある。
後撰和歌集に、十月にナデシコを折って隣へ送ったという歌がある。

また更級日記にある、
唐土(もろこし)が原に行くと、
夏にはヤマトナデシコがたくさん咲いていると聞いて、
「もろこしが原に、大和なでしこはいとおかし」と言いながら行ってみると、
冬の初めなのになお咲き残っている花があったという部分は、面白い。


ナデシコの話です。
ナデシコは常夏とも呼ばれ、秋の七草の一つでもある事から、
夏から秋にかけて咲く花であるとされています。
しかし中には初冬まで咲き続けるものもあるという話です。

更級日記は菅原孝標女の作品で、
源氏物語や枕草子に並ぶ女流文学として有名ですね。
その中に、唐土が原にナデシコを見に行くエピソードが出てくるそうです。
ちなみに唐土が原とは、
神奈川県の藤沢から小田原の辺りと考察されているそうです。