胆大小心録 その56 | むかしのはなし

胆大小心録 その56

五十六

太鼓持ちという者も、扇の一手も舞って、小鼓でもてなして、
花見の供に連れていける程度には風流を解していたが、
それも昔の事だ。

今の太鼓持ちはただ滑稽な見てくれで機嫌を取るばかりで、
何とも例えようの無い有様だ。


太鼓持ちというのは、
現代ではご機嫌取りのような意味で使われていますが、
本来は芸者の男版ともいうべき職業で、
楽器や踊りを嗜み、ピエロのように滑稽な素振りで客を楽しませるという
なかなか高度な役割だったそうです。

秋成が嘆いているように、
段々と低レベルな者が増えて、
今のご機嫌取りの意味に近づいたという事でしょうかね。