開業してからは、自分の行った治療結果はすべて自分に降りかかってくる。

勤務医時代とは大違いだ。

思えば勤務医時代、仕事帰りは「5時から男」。

ちょくちょく銀座や六本木に飲みに行ったものだ。

翌日は1~2件の手術はあったが、心のどこかに、「勤務医だから大丈夫」という甘えがあったことは否定できない。

しかし銀座で開業してからというもの、平日は毎日手術があるため、そんなお気楽な態度ではいられない。

しかし、治療を終えた充実感が僕を十分幸せにしてくれるから、仕事帰りにお酒を飲みに行かなくても、幸せな日々を過ごすことができる。

すべての仕事を終えてクリニックを出る時刻は午後7時過ぎ。

銀座の街は、今日も夜の活気を見せている。

仕事帰りに意気揚々と飲み会に向かうサラリーマン、合コンにでも行くのかバッチリおめかしして闊歩するOLらしい若い女性たち。

そんな中を僕は内心、「僕もずいぶん真面目になったものだ」と思いながら家路につく。