病気、特に完治が難しい場合は、
誰にも話さない気持ちは私はわかる。
秘密主義と言われても仕方ない。

「言ってくれないなんて水臭い!」と
怒り出す人もいるだろう。
それでも私は言わないだろう。
その人を信用していないわけではない。

一人に話せばあっという間に広がるのも現実だ。
「誰にも言わないでね」と念を押しても
またその人が「誰にも言わないでね」
と前置きして話す場合がある。

誰にも知られたくなければ
誰にも言わないことだ。

いちいち同情されるのも案外面倒くさいものだ。
余計な心配をかけて他人の心を乱すのも
心苦しい。
言ってどうなることでもない。

それならばなんら変わらない自分で
日々を過ごしていきたい。最期まで。

だから病のことを告白しなかったことについて
悔やむことも、もちろん怒ることも、
情けなく思うこともしないでほしい。

余命告知された本人の心情を察してほしい。
立派だった、あっぱれだったと褒めて欲しい。

私もそんな人でありたい。