範囲性


そのゲーム全体のRTAや、そのゲームの最速のRTAを目指したもの。考え方は以下の通り。
範囲でグループ化して、その範囲内でチャートを作成して頂点を目指す。範囲内で開発できるため、チャートの自由性が抜群である。
ゲームのルールを一本化して、グループ化せずにRTAを競うのが最もわかりやすい。しかし、このやり方だと、バグ技ありのRTAがトップになってしまう。ノーマルなプレイのRTAの評価が高く、裏技なしが最もゲーム性の核心に近い。
しかし、ゲーム内に存在するあらゆる技が、「ノーマルになるか?裏技になるか?」で議論になるのだ。「裏技なし」「裏技あり」で分類をすることで、解決に至った。

この二種類の分類で、ゲーム全体を占めるわけではない。「裏技なし」は、ゲームが中央から底辺までの全域を占めるが、「裏技あり」は、ゲームの中央から上部付近までの部分を占める。ゲームの上部の部分は「バグ技」で占めて、この領域はゲーム性そのものを損なう技なので対象外となる。ゲームプラグラム内のみの技は「バグ技あり」として、範囲性になることもある。

「ノーマルになるか?裏技になるか?」で議論の例をあげると、
A. 壁のすり抜けはどうなのか? すり抜け程度は「裏技なし」だ。飛ばす区間の程度による。
B. DQ4の8回逃げるはどうか? ノーマルコマンドで、ただのバグチェック漏れと考えれば「裏技なし」。ゲームバランスで考えれば「裏技あり」。
C. FF6のバニッシュデスはどうか? ノーマルコマンドで、ただのバグチェック漏れと考えれば「裏技なし」。ゲームバランスは微妙な線だ。
などだ。

どちらに分類するかの基準は、最終的には権力者の決定になる。権力者は自分一人で決めてもいいし、いかに多くの人間の意見を聞くかで公平性を重視してもいい。大きな規模のRTAになるほど、議論する人数と倫理は重要となる。
ニコ生RTA wikiに載せるなら、現役走者や有識者が納得しないルールは掲載すべきではない。

上記の他に、スタートとゴール地点やゴール基準やルートやシナリオの違いで、範囲を分別する事もある。ゴール地点は、裏ゾーマの撃破など、異なるボスの撃破によるもの。ゴール基準は、エンディングの基準。ルートは途中から分岐するルートで分かれるもの。シナリオは最初からお話しが異なるもの。

「バグ技あり」の分類で占めるものの、最新のもっとも身近な例は、
ファミコン版『ドラゴンクエスト3』を50秒クリア!「RTA in JAPAN」で炸裂したファミリーベーシックを用いた“奇策”とは?、“ホットプレート”を用いる方法は過去のものに!?
“なんでもあり”な『ドラクエ3』RTAがヤバい。「ファミコンを合計350台購入」「ホットプレートで本体の温度管理」──ついにはラスボスのゾーマを倒さずにクリアするチャートが開拓される、ばくぜろさん、ひっしーさん、ピロ彦さん

 2021年12月26日から31日にかけて、ゲームイベント「RTA in JAPAN Winter 2021」が開催。この“RTA”とは“リアルタイムアタック”のことで、現実時間を基準に、ゲームクリアまでのタイムを競う遊び方である。

「バグ技あり」の分類を範囲性で分けるなら、「ゲームプログラム内のバグか?」「物理的な接触があるバグか?」で分けるといい。

裏技との違いは、強力なバグ技だったり画面がバグったりする。
今後は、終着地点の基準は、設けたほうがいいだろう。この基準は未だに存在しないため、ルールはあいまいになっている。

ファミコン版のドラゴンクエスト3は、範囲性の基準で「バグ技あり(物理的な接触を含むなんでも有り)」をやったので珍しい。しかし、終着地点の基準が設定されてないため、完全な範囲性とはいえないだろう。「バグ技あり」には、終着地点の基準は不可欠だと思う。

また、物理的な接触については、プログラム入力の書き換えや呼び出しは禁止した方がいいだろう。ファミリーベーシックや改造機器は、固定制の分類として扱うべきだ。

ファミコン版のドラゴンクエスト3のRTA IN JAPANの件で例をあげてみよう。ルールの基準は、スタートやゲーム内については明確になっている。終着地点(エンディングを含む終着認定基準。これ以後は「エンディング」と略す。)の基準がない場合は、どうなってしまうのか?

RTA走者で、「ボス戦がないものは、クリアしたと認定しない。」と、声を挙げる者が出てくる。範囲内のルールを模索したうえでの事だから、プレイヤーの声はもっともな意見だ。ボス戦をこなすものとした場合、今度は「ボス戦の前のメッセージ(会話)が飛んでいる」とクレームが来る。そして、ボス戦の前の一部のメッセージから戦闘終了まで飛ばすと、全部メッセージを見るべきだとクレームが来る。戦闘シーンを飛ばせば、戦闘発生義務のクレームが来る。もちろん、これらのパターンの逆パターンを推奨して くる者も出る。クリアパターンに対するクレームが、きりがなく何重にも出てくる。

「ボス戦がないと記録を認めない」と声を挙げる者がいれば、「THE END」の表示だけでクリアだと主張する者もいる。
執着地点の基準を、エンディングを記録として認めたとしても、事態は収まらない。エンディングの途中まで飛ばしたり、エンディングの最初の方へ飛ばしたりする。「OOから始めないとエンディングとはいえない」で議論になり、「ゾーマを倒した」から始めないとエンディングとはいえない、と考える者もいる。王様に話しかけるメッセージから開始だと主張する者もいる。この時点で十数種類のルールの分岐になりそうだ。

バグの度合いの基準も分かれる。「エンディングがめちゃくちゃにバグってたらクリアといえない」と声を挙げたり、ごく一部だけバグってるだけだからいいと言ったり、メッセージがばぐってるけどエンディングはバグなしだからいいと主張したりする。メッセージが少しでもバグっていたら違反だと考える者もいる。途中でエンディングが飛んで、タイム短縮で得しちゃう方法もあれば、タイム短縮は認めない者もいる。ゲーム中の手前まではバグだらけだけど、エンディングはバグなしだからセーフだと主張する。逆に、エンディングの主人公の名前だけがバグっていてアウトになる者もいる。バグの具合は関係なくOKと、主張する者もいる。エンディングの画面が見ていられないほどのバグ画面に固定され、音楽しか流れない事態へ。

「エンディングのどこから?」の数十種類と、「エンディングが有効になる基準は?」の数十種類は、掛け算となり、
「エンディングのどこから?」x「有効になる基準は?」 =数千種類のルール(レギュレーション)
となる。

走者は、数千種類のレギュレーションの存在のうちの、一つのルールの競技に過ぎない。これらをまとめるためにも、基準は必要だと思う。

これらを極めると、こうなる。この下記の文字がゲームでは出ないため、99%が100%の証拠になってしまった(笑)。本人は慌てて放送を切ったのがおもしろい。正式な読みはジ・エンドだが、この動画ではザ・エンドが正しいのが特徴だ。


T氏のようなチャート開発者は、ゲーム制作用のハードプログラムまで持っている。メモリで1秒で「THE END」を出せてしまう。すべてのゲームソフトのRTAのタイムが、1秒~数秒になる。プログラム入力の書き換えや呼び出しを禁止にすべき理由、の一つとして、納得頂けるだろうか。彼が全ゲームでトップを取ってしまうけど、RTAの何かが違うと思う。

競技性(固定制)

競技性ルールは、裏技の使用や条件について、一つ一つ項目として扱い、有り無しを決めて、多くの競技者で競いやすい用にしたルールです。もしくは、競技性は考慮せずに、独自にルールを作ったもの(=固定制)を指す。
細かく一つ一つ項目で設定できるため、そのレギュレーションの存在は、無限大に広がる。範囲性が一つのルールを目指すのに対して、競技性は1億のルール(わかりやすように、無限大を1億に置き換えます。)の中から、1つを抜き出して競うようなものです。
1億あるルールの、1億分の1にすぎない。そのため、「おれはドラクエの一位だ。」と威張っても、1億分のルールの一人でしかない。独自で皆がレギュレーションを決めれば、1億人の一位が存在する。

競技性ルールを差別化するためには、公平性と競技者数が重要になる。公平性と競技者数が多いほど、ステータスが上がるため、いかに多くの競技者が納得できるように議論したり意見を聞いて、レギュレーションを少数にしぼって決めるかが重要だ。

ただ、現実は公平性といってもコミュニティの一部の人間で勝手に決めて走者を無視して、ルールを決めたりする。競技者数が多いといっても、大会などの短期参加のプレイヤーの記録がほとんどで、毎日記録更新のためにトップを狙って真剣に何百回も走り続けたプレイヤーは上位だけ、などの場合もある。結局は、誰が認めるかは個人個人で決まるため、記録者と視聴者(リスナー等)の関係性が、もっとも重要だと思う。

競技性ルールが分かれる基準は、主に2つだ。1つ目は、チャートが新しく開発されて早くなったり、明確に基準が設けられてなかったチャートの早さに対してクレームをつけるタイプだ。2つ目は、元々開発されていたチャートや技に対して、タイム差が生じるので分けるタイプだ。

チャートが開発されて途中から変更されると、それまで上位に君臨していた者が認めない事態が起こる。故に、新しい技が開発されてタイム短縮されたときは、速やかに走者のためにルールを整備するべき。


範囲性との違いは、「OOのチャートは、タイム短縮されたからズルい。」と指摘して、起こりえるところだ。初期の頃は、あらゆるチャートや新技の努力が認められていたのに、だんだん多人数になり時間が経つと認められなくなるのは、おかしな事でもある。指摘する側は、判明した時点で早めにルール整備に取り組まないと、順位を守るためにルールを分岐した、お笑い一位プレイヤーになってしまう。

状況再現の区分について

この区分について、次回にお話ししたい。
今日のブログは、ここまで。