梅雨は沈黙の涙、紫陽花はその証。

美は一瞬の幻影、儚さは予告された消滅、

虚しさは何より確かなもの。

世界は()れている。

 

 

雨に濡れるあやめ(・・・)、静かに揺れるその姿。

美しさは儚さとともにあり、

消えゆくものほど輝くのか。 

何故、人は去りゆくものに心を奪われるのだろう。

 

 

君への愛が有ったから私は此処にいるのか。

この存在に愛が有って欲しいと願うが、

感情だけだったのか。