今日は
子供がビッコ(跛行)を引く場合考える
大腿骨頭すべり症
について紹介します


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


骨頭の骨端線より近位部が
下方に滑っています

線を引いているところは
Trethowan徴候が現れています


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える



ラウエンシュタイン像では
骨頭の側面を診ているのですが
後方に滑っています

正面像で、下方に滑るのが判断でき
ラウエンシュタイン像で後方に滑っています
よって、すべりは下後方に起こるということです

また、矢印の部分は
Capener徴候があらわれています


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


すべり症には
急性型(不安定型)
慢性型(安定型)

があります

急性型は、外傷で発症し急激な痛みを伴いますので
比較的判断しやすいと言われています

慢性型は、外傷がなく(あっても軽微)で徐々に痛みがでます
膝や大腿部の痛みがある場合もあります

この慢性型の場合、X線画像所見がわかっていれば
ある程度客観的にすべりを評価できますので
診療放射線技師として理解しなければなりません


X線所見は、3つありますので
紹介します


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


まずは、Trethowan徴候です
これは、股関節正面像で評価するX線画像所見です


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


次に、Capaner徴候です
これは、ラウエンシュタイン像で読影できます

すなわち、すべり症には「ラウエンシュタイン像が必要である」
ということです


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


PTA(後方傾斜角)について
お話します
軽症・中等症・重症の角度については
文献によって10~20°ほど違いがありました
よって、担当する医師に角度を確認し
分類をおこなうようにしましょう


これは、手術の方針を決める時に重要となりますので
診療放射線技師として
しっかり理解し撮影しましょう

またPTAはCT画像でも評価できますので
すべり症でCT検査の場合
PTAの評価ということを念頭に撮影しましょう


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


最後に治療方針を紹介します

急性型は、まずは手術せず保存療法で整復をこころみます

慢性型は、手術になるケースが多いようです
PTAにより
軽症・中等症・重症を判断し
術式を決定します

重症になるにつれて、術式も困難なものになっているようです

診療放射線技師として
早期に発見し早期治療ができるよう
すべり症の所見が描出されるX線画像を提供しましょう!!


今回はこれで終わります
最後までありがとうございました

感想お待ちしています!