昨日はプロ野球のオールスター戦
が開催されました
見ごたえのある試合で
野村さんと桑田さんの解説が特におもしろかったですね!!

今回は
野球を愛する野球少年に多い
肘関節の離断性骨軟骨炎(以下、OCD)の話をします


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


OCDのX線写真です
正面像の伸展位では病気が分かりにくい!
45°屈曲させて撮影するとしっかり描出できます!

言いかえれば
45°屈曲位を撮影しなければ
OCDを見落としてしまうということです


当院では野球していて肘の痛みがある場合
ルーチンのX線検査として
正面・側面・45°屈曲位の3方向撮影をおこなっています


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


「投球動作のコッキングから加速期にかけて生じる
肘関節外反ストレスと
腕橈関節の回旋ストレスによる
圧迫剪断力が主因である」
と言われています

すなわち
投げる動作の時
上腕骨小頭に付加がかかりOCDとなる

というこです


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


ここで病期の分類を紹介します

大切なことは
病態が透亮期⇒分離期⇒遊離期
というように進行していくということです


そして
手術となるのは
分離期後期から遊離期にかけてです!


早期発見をし、治療にとりかかることが大切です!
私は遊離期の症例を5例ほど経験がありますが
みんな投球できないと言っていました

ある高校生は、OCDである右腕で投げれないから
左投げに変えたけど、思うように投げられないと言っていました

私はX線画像で遊離期のOCDを発見すると
患者の今後を考え胸が苦しくなります

早期発見が大切です


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


分離期の前期か後期の判断は
MRI画像で可能です!

CT検査は離断骨片の大きさを知るのに大切です
そして術前のシミュレーションに役立ちます

冠状断像では
橈骨小頭関節にたいして
OCDの大きさがどれくらいあるのかがわかります

1/3以上あると手術成績不良といわれています


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


次は横断像です
MRI画像とCT画像を見比べると
MRI画像の方が病態が大きいのがわかります

MRI画像では病変の大きさよりも
病態すなわち不安定性の有無を見ることが大切です


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


矢状断像がOCDの不安定性確認しやすいと思います
不安定性の評価は
OCD内にT2強調画像で線状高信号があれば不安定と判断します
(当院ではT2*強調画像を使用)
線状高信号は、関節軟骨が損傷し母床と骨片が離れたところに
関節液が流入した状態を表しているとされています


この症例には
はっきりした線状高信号はなし!です


整形外科・スポーツ整形の画像診断・読影を学び、要点をついた撮影法を考える


最後に図です
これをみて病態をイメージしてください

OCDの早期発見は野球少年の未来に関わることです
私たち診療放射線技師が
OCDをどう描出するか!が
野球少年の未来を救うポイントになると思います


野球(投球動作)をしていて肘が痛い場合
まずはOCDを疑いましょう!


これで終わります
最後までありがとうございました
感想お待ちしています