コールドスリープ前のラストライブにもかかわらず悲壮感が乏しかったのは、3人が将来の活動再開について繰り返し発言していた効果が大きかったのだろう。私たちは「SEE YOU AT THE NEXT STAGE」を誓い合って暫しの間別れ、いつかどこかでその誓いのとおりに再会することだろう。
とはいえ、寂しさは通奏低音のようにドーム内を漂う。あ~ちゃんは最後のMCで珍しく言葉に詰まっていた。これまで大泣きすることはあっても、言葉が出てこなくなったところを見た記憶はあまりない。
ラストの2025年版GISHIKIが終わって3人の姿がステージから消えた後も、小さな球体で形作られた3人の立ち姿はずっと残っていた。観客はその姿を飽くことなく眺めつつ、これまでの記憶と来るべき空白の時間について思いを巡らせていた。

(撮影:上山陽介氏)
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座席はスタンド1階3塁側17列目。こっちが3塁側ということは、メインステージは外野スタンド側だったのか。
座席の横幅は前日のアリーナと比べるとだいぶ余裕がある(アリーナはパイプ椅子をギチギチに並べていて本当に窮屈だった)。しかも、左隣が空席だったので、エレクトロ・ワールドで気兼ねなく飛び跳ねることができた。
前日は2010年版Perfumeの掟の再現場面に驚きすぎて精神状態が不安定になってしまい、その後しばらくはステージに集中できなかった。この日は掟も落ち着いて見守った。
チョコレイト・ディスコのとき、反対側のスタンドの観客の掛け声が1拍遅れて響いてきて、ドーム会場の広さを再認識した。
東京ドームもこれで当分の間は訪れることもないのだろう…。
