(2カ月前に書いたままにしていたものをようやくアップする)

 

 こちらの演目のブロンドは新妻聖子さん演じるキャロルだ。エジプトで王墓を調査しているうちに古代へとタイムスリップしてしまうアメリカ人女性。古代ではエジプトのメンフィス王(浦井健治さん)とヒッタイトのイズミル王子(平方元基さん)の両方から慕われ、現代に残っている兄ライアン(伊礼彼方さん)からもたいそう心配されるという、簡単に言うとモテモテ女を巡るイケメンパラダイス。

 

 キャロルは金髪色白を褒めそやされ、また、「青銅器から鉄器へ」という歴史知識を披露すると古代人から「未来を予見した」と思われ、ついには「ナイルの娘」と崇められる。というわけで、メンフィス王が引き付けられるのも無理はない、という設定。ただ、対立するイズミル王子まで魅惑され、キャロルを奪い合う両国の戦争にまで至るとなると、ちょっとうそくさい。

 

 キャロル役は宮澤佐江さんとのダブルキャストだが、新妻さんの回を見に行ったのはテレビ番組でその歌声を耳にしたのがきっかけだ。生で聞いた歌唱はビブラートや「しゃくり」が利きまくりという感じで、さすがカラオケチャンピオンだけはあるが、なんだか落ち着かない。

 

 ほかの出演者の歌唱や声音も、いまひとつ感銘を受けなかった。イムホテップ役は、見た目は風格たっぷりだが、歌いぶりはなにか古くさいな、と思ったところ、後で調べたら元劇団四季の山口祐一郎さんだった(失礼しました)

 

 そんななか、オオッと身を乗り出して聞きほれたのは、メンフィス王の異母姉アイシスが悲恋を歌うソロだった。後で濱田めぐみさんだったと知り、深く納得。濱田さんといえば一昨年、「ラブ・ネバー・ダイ」のクリスティーヌ役を見る機会があり、そのときも大変素敵だと感じた。

 

 カーテンコールでは主演の浦野さんも挨拶など一切なし。最後に投げキッスをして帰って行った。

 

 2階XA列からはオーケストラピットの様子もうかがえる。中央奥のキーボード(シンセサイザーと言ったほうがいいのか?)担当の男性がほとんど休みなく演奏し通しで、随分と大変そうに見えた。

 

 帝国劇場は前にも来たことがあるはずだが、内装などは「歴史を感じる」というよりは、若干古びた雰囲気がする。観客は推定95%が女性。平均年齢はおそらく40歳を超えている。浦野さん目当てが多いのだろうか。