映画「スタンドバイミー」と「ショーシャンクの空に」の原作を含む全4作の中編集。映画はどちらも見たことがないが、原作を読む限り、よく映画化できたものだという印象。筋書きがつまらないわけではないが、どれも起承転結がはっきりしている物語ではない。
 スティーブン・キングは言わずと知れたベストセラー作家で、上述の2作品以外にもいろいろ映画化されているが、いわゆるストーリーテラーとはちょっと違うのではないか。往々にして本筋の展開そっちのけでディテールの描写が長々と続く。私はストーリーリーダー(?)というより、ディテール鑑賞家の傾向があるので、合っていると言えば合っているのだが。
 英語は結構てこずる。口語表現が多いし、文体がねちっこいし、アメリカの文化・習慣がわからないと意味不明な話題が多いし…。4編のなかでは最後のThe Breathing Method (A Winter's Tale)が最も読みやすい。
 次はもう少しサラサラと読める本を選びたい(とか言って、もう選び終わったけど)。