“当事者にならないと知る機会がなかなかないこと”の代表に「発達障がい」があります。
でも、今やクラスの1/3は発達障がいもしくはグレーゾーンと言われるくらい身近なことなので、
誰もが「知っておくべき」ことだと感じています。
知らずして「共生」は有り得ません。
気にはなるし、助けられることがあるなら助けたいけど、どうすればいいのかわからない…
という声をよくいただくので、簡単にではありますが、まとめてみようと思います。
【発達障がいの種類】
種類としては主に3つに分類されます。
●ASD(自閉症、アスペルガー症候群などの総称)
特性:目が合わない、感覚過敏(洋服の素材や食べ物の食感などの受容範囲が狭い)、
聴覚過敏、オウム返しが多い、知的に高いがマイルールが多く、コミュニケーションが取りにくいなど。
●ADHD(注意欠陥多動性障がい)
特性:多動(ADD)と注意欠陥(HDD)の2つが合わさっています。比重は半々とは限りません。
落ち着きがない、奇声を上げる、片づけられない、忘れ物が多いなど。
●LD(学習障がい)
特性:学習障がいと聞くと、知的障がいと勘違いする人がいますが、そうではありません。
暗算はできるのにひっ算になるとできないとか、コミュニケーションは取れるのに、
文字が読めない、書けないなど、特定の分野のみできないなど。
これらは1歳半健診や3歳健診などの定期健診で指摘されるか、
保育園や幼稚園などで先生から「自治体の発達相談に行ったらどうですか?」などと促されて気が付くことが多いです。
そのとき、お母さんに予備知識がないと、受け入れにくいケースも多いです。
特に、園の先生との関係によっては、拒絶になってしまうこともあると思います。
逆に、予備知識のあるお母さんだと、健診前に気が付いていることもあります。
もし、どこかで指摘されても、ショックを受けないでください。
これらは「育て方」によるものではなく、「先天的な脳の機能障がい」なので、
お母さんやご家族のせいではないのです。
それに「障がい」とついているので受け入れにくいのだと思いますが、
「こういう特性がありますよ」というだけの話なのです。
もし、指摘されたら、自治体の発達相談にすぐ行ってみてください。
電話をしても、予約は数ヶ月先、ということも多いので、早めがオススメです。
なぜなら、「特性」がわかれば「療育」といって、
発達の凸凹を生活しやすいようにトレーニングすることができるのですが、
それは早くに始めるに越したことはないからです。
2歳ころから始めると、成長するにしたがって、
定型発達の子と変わらず生活できるようになるというデータもあるくらいです。
親世代の人などから「育て方が悪い」「早産だったから」「発達相談に行くなんて恥」など言われるかもしれません。
それ、大間違いなんです。
でも、以前はそう思われていました。
だから、そう言う人も悪気があるわけではないのです。
ただ、知らないだけ。
よく、お母さん自身が受け止められず、相談に行けない場合があります。
かなり、あります。
でも、お母さんが一生そばでサポートしてあげられるならいいけど、そうではないですよね。
いつか、独り立ちするときが来ます。
そのときにお子さんが困らないように、早めに情報を得て、相談相手を得て、
親子ともに心豊かに過ごしてもらいたいなと思っています。
発達相談がハードル高かったら、私にご連絡いただいてもいいですよ![]()
早めがいいけど、もうすでに子どもが大きい・・・という場合でも遅くはありません。
まずは専門機関に相談すること、です。
最近、「おとなの発達障がい」ということばをよく聞きますが、
これは、おとなになって発達障がいになったということではないのです。(先天性のものなのでね)
今まで見過ごされてきたことに、おとなになって気が付いた、というだけのことです。
それまで、どれだけ「生きにくさ」を感じてきたのか・・・
と想像すると、周囲のおとなに知識があるかどうかって影響大きいなと思います。
(中には、環境によって発達障がいの特性に似た症状が出る場合もあります。)
だからこそ、当事者でなくても、すべての子どもに関わる人が知っておくべきことのひとつ、と思っています。
皆さんも、発達障がいのこと、ぜひ知ってくださいね。