初対面の方などに「発達障がいの子どもたちの塾をやってます」とお話すると




「では、教室も工夫をされてるのでしょ?注意が散漫にならないように、備品には布をかけて、とか。。。」





というご質問をよくうけます。本当に、よく。





恥ずかしながら、特にそのような「視界のコントロール」への工夫をしたことはなかったので、、、今日は改めて、そのことについて考えてみました。




現在、教室はこんな感じです。






本棚はむき出しですし、少し面白い形や様々な色合いの教具や小物が、棚の上に飾って?あったりして




確かに、好奇心旺盛な子どもたちにとっては、あちこちに注意がいきがちかもしれませんね。大方、見えないところにしまって、棚にはクロスをかけてもいいのかもしれません。





ですが、、、正直、今までこの教室で、困ったこともないんですよね。




確かにみな、教室にあるものには興味を示し、触れるものは触り、一通り堪能?してくれます。





教室に入ったとたんに、何かに触る子どももいれば、勉強にあきたとき、やる気が無くなったときに物色し出す子、様々です。




ですが、「さ、それはもう終わり。これをやろう」と声をかければ、だいたい切り替えてくれますし、、、



切り替えがうまくいかない時は、そのもの自体に興味が強くあるか、勉強を拒否したい時のどちらかで、




前者なら、あえてそれを用いて今日の算数につなげてゆきますし(もしくは、次週にやろうと約束する)、後者なら、それはその子の何らかのサインだと思い、原因を探るきっかけにします。





なんで切り替えられないのかな(いつもはできるのに、何かあった)?と聞いてみたり、今日は気持ちがのらないね、と声をかけてみたり。




そんな感じでしばらく黙ってみてると、自分で「勉強したくないからこれを触ってる」ことに気づくのか、、、あるところで、ちゃんと戻ってきてくれます。時々、学校で嫌なことがあった話など、やる気がでない理由なども話してくれたり。話した後は、気持ちが少し楽になるのか、スムーズに勉強に向かえることが多いです。





しかし、それでも、

夏休み明けや、運動会や遠足といった何かの行事の前など、落ち着かない時期は、いつも以上に注意が散漫になりますね。どうしても、そんな時期があります。いつも以上にうろうろしがちです。




こういう時は、紙にルール(必要ないものはさわらない、など)を書いて、渡すようにしています。脱線しそうなときは、紙をみてもらうと、不思議と「あっ!」と言って抑制できるんです。




いつも、毎回、ずっとこんなルールの紙を渡されてたら、おそらく効果はないと思いますが、、、いつも以上に落ち着きが無いときだけ、そのようにします。




「注意が散漫になる」時の、段階と言いますか、それぞれの質を見極めて、対処法を変えて行けば、特に、教室の備品などが出ていても問題にはならない、と思うのです。実際に、今、特に問題にはなってません。





その子、その子のリズムや特性の中で、この注意がそがれた時の意味というものがあります。なので、それを読み間違えなければ、多少、5分10分、勉強から脱線しても、いいのではないかと思っています。




どんなに荒れてても、落ち着きがなくとも、少し間をおくことによって、子どもたちは良質な集中力をもって勉強できます。あえて脱線を許してるからなのか、イヤイヤ、だらだらと勉強をする、、、ということはないんです。やるときにはやる、ができるようになるんです。どのお子さんもです。





そんなこと言うと、みな、大人しいタイプ?のお子さんたちなのでは?と疑われると思いますが、、、






いえいえ、

普通にやんちゃです。




机やイスを壊れそうなくらい揺らしながらプリントをやろうとしたり、



足でエンピツをもって書こうしてみたり、




突然ベランダに裸足で出て大声で叫んだり、



あちこちの戸棚や引き出しをあけたり、



教室以外の部屋をのぞきに行ったり、
※自宅で塾を構えているためプライベート空間があります




勝手に塾の電話をかけてしまったり(かけてしまった方、本当にご迷惑をおかけしました)




他にも、ほんのちょっと目を離したすきに、色々なことをしてくれる、やんちゃさんも多いです。教室で、目についた備品を触って遊びだす、なんて、大したことないことに思える(笑)





まあ、上のような行動も、毎回ずっとそうであるわけではなく、3ヶ月もすれば落ち着きますね。場になれて、ルールも馴染んできますから、徐々にしなくなります。しなくなることも分かってるので、厳しく禁止したりもしません。注意はしますが、ある程度は見守ります。






最初から、注意散漫にならないように、布をかけて備品を隠したり、開けられたくないところに、鍵をかけたり、禁止事項を標語にして徹底したり、、、そんな工夫も大事かもしれません。





でも、「あらかじめ」がっつりそんなことをしなくても、子どもたちはちゃんと「ここでは何をすべきか」分かってるし、分かってくるのだということを信頼したほうが、、、私自身にはあってるみたいです。





ただこれは、個別指導だからできることかもしれませんね。少人数や大人数の場所では、誰かの脱線による他者への影響が大きいので、、、待つための余裕は少なく、また違う指導になるかなと思います。




最後に、ふと思ったこと一つ。


余計なものには布をかけて視界のコントロールを、、、という工夫は大事ですが、子どもって、「隠されてるもの」には、ものすごく執念深いですよね。みな、引き出しをあけたがるし、実際に全部空けないと気がすまない子もいたりします。


今、うちの塾で布をかけた場合、隠されたものをみたがる子が多いと思うので、「おそらく逆効果」、な気がしてなりません!