※リクエスト作品になります。
軽く裏描写入ります!苦手な方は読むのをお控えください。
齋藤side
理佐「ひかるちゃん」
ひかる「なんですか?」
理佐「ちょっと話したいことがある」
そう理佐が言うとひかるちゃんは「じゃあ少し場所変えませんか」と部屋の角のほうへ行った。それに理佐と友香と土生ちゃんも続く。
私も、さっきのゆいぽんとひかるちゃんの手が気になったけど取り敢えず続く。
理佐「スマホ、見せてくれない」
ひかる「スマホ?どうしてですか?」
まぁ、別にいいですけど。疑いながらもパスワードを解除して私たちに自分のスマホを渡すひかるちゃん。思わず4人でその中を覗き込んだ。
理佐を筆頭に好き勝手怪しそうなものがないかスクロールしたりスマホのアルバムを探ってみたりするけど、何分経っても怪しいものは出てこず、出てくるのは動物の写真やブログ用のひかるちゃんの写真などなど。
肩を落とす私たちはひかるちゃんにスマホを返した。
ひかる「………なんか、私疑われてます?」
スマホを返すとひかるちゃんが目を細めて私たちの方を見る。流石に行動が安直でわかりやすすぎたか。
友香「っ、そう言うわけじゃないんだけど…。ね?」
土生「あっうん、別に何もない。気にしないで。
ごめんね急に」
ひかる「そうですか、ならいいですけど」
用がないなら私は先に失礼します。そう言って私たち4人に軽く頭を下げるひかるちゃん。振り出しに戻った私たちは4人で目を合わせて困った顔を見せ合う。
ここまでは良かった。だけど、この後だったんだ、狂った歯車が動き出したのは。
ひかる「じゃあ帰りましょう由依さん」
由依「っ、うん」
2人が荷物をまとめ始めてから私たち4人がざわつきだす。
元々仲良しなのは知ってたけど、昨日まで一緒に帰ってるところなんてみたことなかったから理佐が目を丸くして口パクで「どう言うこと?」なんて聞いてくる。
私だって知らないよ。予想外の出来事に何か連絡がきてないか急いでスマホを開く。すると数分前にゆいぽんからメールが届いていた。
ゆい : 今日はひかるの家に泊まるね
齋藤「ぁ、連絡きてた、」
理佐が食い気味に私のスマホを除いてくる。その間にもあの2人は楽屋を出ていき、扉が閉まろうとしていた。
刹那、また見えたんだ。ひかるちゃんがゆいぽんの指を絡めとるところが。
ねぇひかるちゃん、本当に理佐とゆいぽんに何をしようとしているの。
由依side
ひかるの家に着いてからは早かった。
私がお風呂に入って、後からひかるも入って。お互い仕事の連絡だけ返して、ことが進んだのはその後。
ひかる「由依さん、率直に言います。
私と付き合ってもらえませんか」
何となく気づいてた。ひかるがいつものひかると違う雰囲気なのは。そして、感のいい私は薄々こう言う話が上がってくることもきっとわかってた、知らんぷりして目を背けてたけど。
正直気持ちは揺らいでた。
理佐のことは好きだけど今は好きと思えない。でもだからと言ってひかるの方が好きになったのかと言われたら理佐とひかるは私にとって立ってるフィールドが違うわけで。
ひかる「私なら、理佐さんみたいに由依さんのこと
悲しませないですけど」
頬にあったかい手を添えられてそんな言葉をひかるに言われる。どうしようか。
気持ち的にはいずれは理佐と寄りを戻したい、でも昨日の出来事があまりにも衝撃で今すぐにでも癒してくれる存在が欲しかった。
悩んだ末、私は自分の感情を優先して、それを正当化するために情けない言い訳を思いつく。
理佐だって、こうやってゆっかーと隠れてしてたんだもんね…。理佐がその気なら私だって。私は悪くない。これは、浮気じゃない…
ひかるに向けてコクッと一度首を縦に振る。
それを見て嬉しそうに笑って顔を近づけてくるひかるに、思わず身体を引いた。
由依「っと…そういうのは、」
ひかる「なんで、私たち恋人になったんですよ。理佐さんとは してたんですよね?こう言うこと」
今さっきやっとの思いで自分を正当化してひかると向き合えたのに、ひかるはすぐ私が目を背けたものを取り出してきた。
多大なる罪悪感。同時に現実を突きつけられた気がした。
私はもう、理佐の彼女じゃなくなったんだ。ひかるの彼女。浮気じゃない、正当に理佐とは昨日、お別れをしたはず。
…だから、ひかるとキスしてもなにもやましいことはないはず
ひかる「嫌なら避けてください」
大きな目を閉じたひかるの顔が近づいてくる。ひかるとのキスまで、
あと10センチ…8センチ…5センチ…3…2…1…
私の身体はぴくりとも動かなかった。
“ 理佐が先に浮気したんだもん ”
悪魔の声が私から判断力を取り上げてまた羽目を外す___________。
どれくらい時間が経っただろう。
日付はとっくに変わってしまったんだろうな。
スマホを触る元気も出なくて、手で痛めた腰を抑えてぎこちない足取りで水を飲みに行く。
単刀直入に言うと、ひかるちゃんは早いし激しかった。
たくさん触ってくれたけど前戯は少なくて、どちらかと言うと私がずっと快感に溺れているのを楽しそうに見ていた。
それは、前戯が長くて私に触れる手もこの世の何より柔らかくて、私が我慢できなくなるまで本当に気持ちいいことはしてくれない、優しい理佐のしか今まで経験してこなかった私にはハードだった。
じゃあずっと演技してたのかと言われたらそれは嘘になる。
全然気持ちよくなかったわけじゃない。事実私は何度も果てたし、そのおかげでこの腰は今こうなんだから。
でも、ついにそういうのが始まった時、1ミリも理佐といつもそういうことをする時に感じるのと同じ感情は浮かんでこなかった。ただ胸が押しつぶされるだけで。
それでも行為中言い聞かせた。これは慣れてないだけ。ひかるとも今後慣れていけば大丈夫、大丈夫…
………本当はわかってた。こんなこと理佐と以外したくない。
だってひかるには見せないけど、今、心の中の私はこんなにも罪悪感で涙を流してる。
最初は「理佐が先に浮気したんだもん」その気持ちだけだった。ただ理佐に仕返しがしてやりたくて。
でも実際に仕返しをし始めて気づいた。こんなことしたって傷ついてるのは私の方なんだって。
キスをしたって罪悪感に苛まれて、今まで理佐しか触らせたことがない場所を触られても理佐にただ申し訳なさを感じていた。
悲しかっただけなんだ、今まで経験したこと無いくらい強い悲しみで。その強い悲しみを理佐にも経験させたかった。
どれだけ今私がつらいかわからせたかった、あなたのせいでどれだけ苦しいかわかるかって問い詰めたかっただけ。それで理佐にたった一言「ごめんね」って言って欲しかっただけなの。
ただそれの為だけに私は今夜、どれだけの過ちを犯したんだろうか。自分が嫌になった。
由依「ごめんね理佐…泣」
キッチンの中で1人静かに泣いた。ひかるが起きないように。
浮気をしたことを許したわけじゃない、
怒りが消えたわけでもない。
でも今まで私をたくさん愛してくれた理佐に対して、なにか大切な約束を破ってしまった申し訳なさを漠然と謝りたかった。
to be continued…
お読みいただきありがとうございました。
あんまり今回はお話が進まなかった…
裏描写が今回は多くて苦手だった方は申し訳ないです🙇
そしてTwitterの方でも少しお話させていただいた通り、このままいくとこのお話は7話完結になりそうです!
なので今週の金曜日に最終回になるかなぁ。
最後までお付き合いいただければ嬉しいです☺️
おっす。