※リクエスト作品になります。


由依side



齋藤「はーい…って、ゆいぽん、、?!」
由依「グスッ、グスン…ふーちゃん、泣」


歩いている時に堪えていた分が爆発して、ふーちゃんの顔を見た瞬間より一層破顔した気がした。

そんな私を何も聞かないで中に入れてくれて、抱きしめて背中を摩ってくれるふーちゃん。

でも、ワガママかもしれないけど、あんまり落ち着けない。

また迷惑かけちゃってる罪悪感と、心配かけたくないと言う気持ちがまだあるせいで、100%じゃ泣けない。

こんなとき理佐が抱きしめてくれたら、、、

もう癖のようになってしまったその思考回路は、今の私を悲しませるだけだった。


齋藤「何があったの?言いたくないなら別に無理に聞かないけ   ど…」


ソファーに座らせてもらって、ポロポロと涙を溢す私の顔をティッシュで拭いてくれるふーちゃん。

あまりにも時間が経ってなさ過ぎるし、話すには思い返さなきゃ行けないわけで、きっと私はまた泣いてしまうだろうけど、ふーちゃんには話しておきたいと思った。


齋藤「…そっか。辛かったね、泣」
由依「ちょっ、なんで泣いてるの、」


一通りのことを話し終えてふーちゃんの方を見ると、さっきまで私の顔を拭いていたティッシュがふーちゃんの涙を吸っていた。

そんなふーちゃんを見てちょっと笑ってしまう。

対して、意外にも泣けなかった私。
泣くにしてはまだ納得できない部分がいっぱいある。

理佐から事情も聞けてないし、ゆっかーからどういうことなのか説明もされてない。

まぁ、全て勢いつけすぎて初頭猛進した私のせいだけど…


齋藤「ごめんっ、2人のこと凄い応援してたから泣」
由依「、、、ごめん、期待に沿えなくて」


そう、今私が1番思うところはそこだった。

メンバーの中で私たちの関係性を支えて応援してくれていたのはゆっかーだけじゃなかった。ほぼみんなが私たちのことを見守って愛してくれていたはずなのに。

尚更どうしてこんなことになったんだろう。


由依「私、これからどうすればいいのかな」
齋藤「取り敢えず、今日は遅いからもう寝よう」


今後のことは明日考えよう。疲れたでしょ。そう言ってお風呂に入ったかとか、お腹は空いてないかとか色々尽くしてくれる。

理佐とはまた違う、ふーちゃんの温かみを感じて嬉しくなった。

ご飯は食べたからお風呂を貸してもらって、髪の毛を乾かして寝る。ベッドで一緒でもいいよとふーちゃんは言ってくれたけど、ソファーで寝ることにした。

……浮気、私までしたくなかった。

それは多分、そんなことをしてしまうような理佐と同じになりたくないとかそんなわけじゃなくて、私の未練が断ち切れてないから。

あんな酷いことされたのに、まだこんなことを気にするくらい私は理佐のことが好き、ずっと。

__________ずっと。



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由依side



翌日、やっぱりいい気分ではなかった。

これからひかるちゃんにも、ゆっかーにも、理佐にも会わなきゃいけないと思うと、足が重くて。

渋る私はふーちゃんに手を引かれてやっと楽屋の中に入った。


理佐「っ、由依…!」
友香「ゆいぽん!」


まだ一歩しか入っていないのに駆け寄ってくる2人。
今は顔を合わせたくない。

2人の存在を意識するだけで昨日の憤りと悲しみがまた襲って来て、今、まともな話なんてできそうになかった。

ふーちゃんの影に隠れるとゆっかーも理佐も悲しそうな顔を浮かべる。

……ねぇ、どうしてそんな顔するの。

万々歳じゃん、私がいなくなったから。邪魔者がいなくなって2人幸せになれるでしょ。

、、、償いの言葉とか、そういうのかけるくらいならいっそ私のこと空気のように扱って、最初から私と理佐の関係なんてなかったみたいに2人で円満に幸せにしといてよ。

トボトボと離れていく理佐とゆっかーを確認して楽屋の端に荷物を置きに行く。


齋藤「大丈夫だよ」
由依「…うん。」
齋藤「これから色々な人に話聞いてみる。私だって怒ってない   わけじゃないからね。」


もし本当にあの2人が浮気関係なら私が許さないから。味方だからね。頭を撫でられて早速ふーちゃんは2人の元に行ったみたいだった。


ひかる「由依さん」


1人になって、事あるごとに理佐が近づいて来ようとしている。今は何も話したくないし、何を話されても素直に聞けるはずない。

逃げるように過ごしていたら手を差し伸べるみたいにひかるが側に来てくれた。


ひかる「大丈夫ですか?」
由依「ぁ…うん、ありがとう」


隣に座ってきたひかるは指を絡ませてくる。

びっくりしてひかるの方を見ると、目は合わないまま「1人じゃないですよ」なんて優しい言葉をかけられる。

昨日何も考えないまま理佐と住んでいた家を出て来てふーちゃんと過ごした私だけど、天性の寂しがりな私はもう限界みたい。

後輩に頼るなんて情けない。わかってるけど、きゅっと絡みついてくるひかるの指を握り返してしまった。

私が、自覚する限り初めて羽目を外した瞬間だった。




to be continued…




お読みいただきありがとうございました!

またTwitterでアンケートに参加してくださった71名の皆様にも大変感謝いたします。

結果として出来るだけ連日投稿がいいという意見が多かったので、この「あなただけをずっと好きでいるよ」のお話は、ほんと少ない量ですが出来るだけ毎日投稿したいと思います✨

ただこのお話が短いこともあり、ストックは今回でほぼ切れかけた状態です…笑

投稿が途切れる日もあるかもしれませんが、毎日の片隅にちょこっと楽しんでもらえたら嬉しいです🙇‍♂️

前回の皆様からの感想、とっても嬉しかったです。
ありがとうございました🫧おっす。