※リクエスト作品になります。
 男性化ありです
 ほぼ一年ぶりの宝物シリーズなので、前と違うと感じるかも しれないですが、心優しく読んでいただけると嬉しいです🙇‍♂️



友香side



最近何故かちょっと体調が悪い。

私はお酒なんて普段から飲まないし、飲めないんだけどずっと二日酔いのような気分が続いてる。加えて、休むほどでもない微熱も。

身体は丈夫な方だと思ってたけど、壊しちゃったかな…。

それでも仕事はあるわけで、しんどい身体に鞭打って頑張っていたところで、事務所の廊下で理佐と会った。


理佐「あれ、友香?」
友香「あ、理佐〜、久しぶり〜」
理佐「……」


あれ?私なんか変だったかな?いつもなら近寄って来てすぐに抱き潰されるのがオチなんだけど、今日は真剣な表情で見てくるだけの理佐。


友香「何…?」
理佐「…友香、体調悪い?」
友香「えっ、!や、別に、普通だよ〜、!」
理佐「気丈に振る舞わなくていいから。どうした?」
友香「っ、、、まぁ、ちょっと、色々あってさ、」


お互いお昼ご飯を食べに休憩に出て来ていたところだったから、適当な場所を選んでロケ弁を食べながら話を聞いてもらった。

ずっと二日酔いみたいで、今日は軽い頭痛もあるし休むほどでもないけど動くにしては少ししんどい。

そんなことを聞いてもらっている時の理佐の表情は昔から知っている真面目な顔だったけど、なんとなく、その顔が夏鈴ちゃんに似てきたなぁと。

じーっと、見透かされるような瞳で見てくるその感じが。でも、話し始めるとハイになってお喋りなところは天ちゃんに似てる。なんだか微笑ましい。


友香「ふふっ…なんか理佐、天ちゃんと夏鈴ちゃんに似てきた   ね?」
理佐「え?どこが?」
友香「んー、顔とか?雰囲気とか」
理佐「いや、そりゃね笑一応私が産み落とした訳だし。それに
   言うなら、“ 2人が私に似て来た ”でしょ?」
友香「あ、そっか笑」


些細なことで2人で笑い合う。2人に似てると言われた理佐は、どこか嬉しそうで誇らしげな顔をしていた。


理佐「そんなことは別に後でいいの!本題は友香でしょ?」
友香「あ、、そうだった」
理佐「私、思ったんだけど、玲のこと妊娠してた時の私にちょ   っと重なるなって。」
友香「…っ、妊娠、か」


忘れてたわけじゃないけど、全然視野から外れてた。

だけど、確かに考えてみれば私たちも3人目を考えていなかったわけじゃない。できたら嬉しいと思っているし、それなりに励んでもいた。


理佐「うん。友香もまだ言うて若いんだし、可能性あるなら調   べてみたらいいんじゃない?」
友香「っ!ちょっと、それ、私より若い理佐が言うこと?」
理佐「あはは笑」


その細めて笑う目が愛しくて、怒っているように見せかけながら理佐のことを沢山触った。

昔からこんな愛しさのある子だった。気にかけてなくても妹みたいで可愛がりたくなるような。

『この子はどんな人を好きになるのかなぁ』姉心で昔考えていたけど、今では立場がすっかり逆転して私が頼りにするほどのしっかりした3児のママになってるなんて。

昔の私に教えてやりたい。将来の貴女は、その可愛がってる妹に支えられてばかりなんだよって。




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理佐に相談した日から数日は仕事があったり、保乃とひかるのこともあって病院に中々行けなかったけど、今日、やっと予約をとって産婦人科に行ってみるとやっぱりそういうことみたいだった。

まだ小さな小さな命で人の形にもなってないけれど、それでも愛しさは湧くものみたい。早く茜に報告したくてたまらなかった。


友香「茜?」
茜 「うん?」
友香「私、最近ちょっと体調悪かったんだけどね…」


今までの経緯を話し終えて、今日無事に病院で診てもらったことを伝えるとふんわりと抱きしめられる。


茜 「そっか。身体は大丈夫?」
友香「んー、ぼちぼちだけどね笑」


なんとかやってるよって言えば、すりすりと頭をぶつけてくる。こんな穏やかで安心した報告初めてかもしれない。

保乃の時は信じられないみたいで「えっ、本当?」とずっと連呼してて茜の落ち着きがなかったし、ひかるの時は保乃がまだ一歳にもなってなかったからお互いドタバタしてて。

…今思えば私たちも親として未熟だったな。今となっては懐かしいけれど。







そんなことを思った日から、あっという間に時はすぎて。

今、きっと私は悪阻の山場に立たされている。


友香「ん〜…はぁ、はぁ…」


1人で立つどころかベッドから起き上がるのもつらくて。

仕方ないから仕事は休養をとって、茜に家のことや2人のことは押し付けっぱなし。申し訳ないと思うけど、私は私で今を過ごすのでやっとの思いだ。


茜 「友香…?」
友香「ハァハァ…、ん、」
茜 「しんどいね」


優しく腰を摩ってくれる茜の手を思わず掴んで、自分でいいところに持っていく。それだけ辛い。


茜 「ここが辛いのか。」
友香「…ん、いたぃ、、、」
茜 「そっかそっか、汗もかいてるね…。そしたら、俺ひかる   と保乃、保育園連れて行ってくるからそのあとできたら   お風呂入ろうか。手伝うからさ」
友香「ごめんね、、ありがとう…」


きっとお風呂になんてまともに入れるような状態じゃないだろうけど、このまま汗びっしりのまま寝込むのも気持ち悪いし頑張らないと。

2人を送って来てくれた茜に頼って、なんとかお風呂に入った。


茜 「腰、どう?」
友香「ん〜、あったまったらちょっとだけ楽になった。ありが   とう」
茜 「それは良かったです。こんな悪阻重たいの3人の中でダン   トツじゃない?」
友香「あー、そうかもね。保乃の時もひかるの時もわりと順風   満帆だったからな〜…」


絨毯の上に座ってストレッチしていると茜がそっと手伝ってくれる。なんだかこんな些細な触れ合いも久しぶり。


友香「ぁ、ありがとう」
茜 「うん、無理しないで」


紳士的な茜に少しだけ甘えてみたり。


友香「…3人目が生まれても、たまにはこうやって私のこと構っ   て欲しいな」


私にしか聞こえないくらいの声量で言ったはずなのに、茜は後ろからゆっくり抱きついて来た。


茜 「もちろん。こんな可愛いお嫁さん、ずっと愛すに決まっ   てる」
友香「…へへへ、嬉しいな」
茜 「友香こそ、俺に飽きないでね?」
友香「……えー?どうかなぁ笑」


ちょっとふざけてそう言ってみると、ぎゅーと抱きしめてる腕を締めてくる茜。

それ、最近よくひかるが保乃にやってるやつじゃん笑

最近身体も大きくなって来てますますヤンチャが酷くなったひかる。保乃ちゃんのことをしきりに追いかけ回しては、意味もなく力強く抱きつき、保乃を困らせている姿を思い出す。

本当、精神年齢ひかると大差ないんだから。誰に何を学んでるのよ。笑


友香「ちょっ、苦しい笑」
茜 「いつまでも俺が1番だよ、2番なんてダメだからね」
友香「わかったわかった笑」


プロポーズしてくれた時の凝ったデートとか、高価なプレゼントとか、それも勿論嬉しかったけど。

私はこんな、茜と戯れあってる時間が今まで私にしてくれた何よりも好き。やっと緩んだ腕の中で茜の方へ振り向いて、可愛い顔をする。


茜 「……ふふ、何」


私の思惑はきっと茜に筒抜け。でも、そっちの方が都合がいい。茜の手を自分の頬に持ってくる。


友香「キスして」


私がさっき持って来た手と反対の手。両方の手で顔を挟まれてそのまま茜の唇が私のと重なる。耳も塞がれて、まるで世界に2人きりになったみたいだった。


友香「茜、好き」
茜 「愛してるよ」



どこにいても、何をしてても、何歳になっても、死んだ後だって変わらないこの気持ちはきっと茜とお揃い。



fin




お読みいただきありがとうございました!

お待たせしていた宝物シリーズでした、『ゆっかねん家3人目のお話が読みたい!』と言う声を沢山頂いていたので、今更かと思われるかもしれないですが投稿してみました🐴

長いこと投稿してなかったので、もしかしたら初めて宝物シリーズ読む方もいらっしゃるのかな…😌

また、この前Twitterで急募させてもらった、保育士の由依ちゃんのお話ですが、お陰様で順調に書き進んでいます🙇‍♂️

私が求めていたものを沢山くださるフォロワーの方々が、改めて最高の読者様だなぁと思った出来事でした✨

また筆が止まった時、シチュエーション募集するかもしれませんが、些細なことでもインスピレーションになるので是非是非お聞かせください☺️

おっす。