※リクエスト作品になります。またまたビッグなゲストが
 いるかも…!


理佐side


理佐「うーん……どうしようかな」
由依「何がいいかなぁ。」


無事に待望の第一子が誕生した翌日、由依の病室に来て腰掛けて熟考すること30分。由依に抱き抱えられてすやすやと寝ているこの子へあげる最初のプレゼントが決まらないのだ。


由依「やっぱりお腹にいた時から考えておくべきだったかな」
理佐「仕方ないよ。ここまで決まらないとは、」
? 「ん、…おぎゃー!おぎゃー!」
由依「あら起きちゃった(笑)まだご飯の時間じゃないよ〜?」


この子は本当によく泣く。昨日の、お腹から出てきてはじめての夜も新生児室で散々泣いて看護師さんを呼んでいた。「将来は甘えたさんになるかな〜」なんて看護師の田村さんに言われていたくらいだ。

そういう甘え上手で周りの人をみんな虜にしちゃう辺り、由依にそっくりだな。なんて。


理佐「抱っこ代わるよ。」
由依「ありがとう。…パパに代わるからね〜。」
理佐「パパですよ〜、よしよし。」
? 「おぎゃー!おぎゃー、…ん、んぅ、…」
由依「ふふふ、やっぱり慣れてるんだね。」
理佐「流石に職業柄、身体が覚えちゃったよ。」
由依「頼りになるねぇ〜、ふふふ」


俺が代わって抱いているこの子の頭を撫でながらふにゃっとした笑顔で笑う由依。


理佐「この子の名前、俺らの名前から一文字づつ取るのは
   どう?」
由依「…うん。いいかも♪頭文字なら『ゆ』と『り』?
   ゆりちゃん、ゆり……」
理佐「ゆり……」



理佐・由依「_____ゆりな。」



由依「…ふふふ、ハモっちゃった」
理佐「もうこれは名づけるしかないでしょう。(笑)」
由依「そうだね。…ゆりなちゃん。改めて、生まれてきてくれ
   てありがとう。」
理佐「本当に、ありがとう。会えて嬉しいよ」


さりげなく俺に体重をかけてきながらゆりなの頭を撫でる由依。こんな妻がやっぱり好きだなと思ったり。由依が顔を上げた瞬間に目が合いそのままはにかんでキスを交わす。

ゆっくり顔を離して微笑み合いながらおでこをつける。俺にとって人生の中で1番幸せを感じた瞬間だった。

それから「ゆりな」の漢字を色々2人で考え、「友梨奈」に決まった。名前だけで可愛いのに、顔も目が大きくて美形なんて本当にずるいような子だ。



ー3ヶ月後ー

由依side


由依「頑張れ…!」


ベビーベッドの柵越しに友梨奈を応援する。最近ゴロゴロと横揺れをするようになり、あと少しで寝返りが打てそうなのだ。

あと本当に少しなのに、いつもここで友梨奈はやめてしまう。
だけど今日は中々諦めがつかないのかよく頑張っている友梨奈。


ガチャンッ
理佐「ただいま〜」
由依「おかえり。見て!友梨奈、寝返りできそうなの!」
理佐「おっ!本当だ!頑張れっ!」


仕事で疲れているだろうに友梨奈の初寝返りを見届けようと真剣になっている理佐。こんなところが好きだったり。

私が理佐に見惚れていると、理佐が急に大きな声を上げるからビックリしてしまう。


理佐「っ!できたできた!おおぉー!!!よくできたね!」
由依「えっ?!嘘でしょ見てなかったよ〜…」
友梨奈「えへぇ〜」


一生懸命首を持ち上げて笑う友梨奈は世界中どこ探しても右に出る者がいないくらい可愛い。鼻のところがくしゃっとなるのがよく理佐に似ていて思わず重ねてしまう。

友梨奈は本当に私と理佐を上手く足して2で割った感じの子。理佐に似ていて「親子だなぁ」なんて思っていたら私に似たのかおっちょこちょいな部分があったり。そんな友梨奈の声に反応してぽんちゃんがやってくる。


ぽん「にゃ〜」
由依「ふふふ、ぽんちゃん友梨奈が寝返り打ったよ〜」
理佐「本当に仲良しだな(笑)」


ぽんちゃんは友梨奈が家に来てからと言うもの、恐る恐る自分と同じくらいの友梨奈にツンツンとちょっかいをかけて泣かせてたり友梨奈のタオルを横取りしてその上で寝ていたりなにかと興味を示していた。

最近は友梨奈に毛を掴まれて引っ張られたり、上に乗られたりしているんだけど全然怒らない。2人の間で変な友情みたいなものが芽生えているようで親としては少し微笑ましい。

ぽんちゃんを抱えて友梨奈が見える高さまで上げてあげるとお互いじーっと見つめ合っている。理佐と2人で見守っていると急に後ろから理佐が抱きしめてくる。


理佐「ねぇ、由依。久しぶりに一緒にお風呂…」
由依「え?ダメだよ。友梨奈1人にしておけないでしょ?」
理佐「むぅ、」
由依「ふふふ、ごめんね。また今度入ってあげるから」ヨシヨシ
理佐「今度っていつ?!いつ一緒に入ってくれるの!明日?
   明日とか?!」


犬みたいに耳も尻尾も下げているから慰めのつもりで言っただけなのにすぐさま元気になって活発になってしまう理佐。友梨奈が生まれてからこんなことがよくある。下手したら友梨奈より手がかかる時もあるかも。


由依「明日は無理(笑)来年とかね?3人で一緒に入ろう?」
理佐「……明日、」
由依「理佐、我慢ばっかりさせてるのは分かってるけど…」
理佐「やなの、明日……」
由依「……、はぁ分かったよ(笑)明日だけだからね?」
理佐「っ!本当!約束だからね!」
由依「はいはい(笑)」


「理佐お風呂入ってくる!」とか言ってリビングを飛び出てしまった理佐。嵐が過ぎて行ったかのような気分だ。


由依「もう、本当に子供…(笑)」ボソッ
友梨奈「あう〜」
由依「ふふふ、パパは子供みたいだね〜友梨奈」


この友梨奈の笑顔は本当に何者にも変えられない。私のかけがえのないもの。

こうやって大人しく笑っていてくれるのはいつまでかなぁ。
きっとすぐに大きくなっていってしまうんでしょ?出来ることならば、友梨奈に永遠と大きくならない魔法をかけてしまいたい。


由依「あんまり大きくならないで?」
友梨奈「キャッキャ」
由依「…ふふ、そんなの無理だよね〜(笑)」ナデナデ


冗談半分に言ってみたけど、すぐさま取り消す。だって大きくなって欲しくないのと同じくらい大きくなっていく友梨奈を見るのがまた楽しみなんだもん。

…お願いだから、そんな早く育たないでね友梨奈。



fin



お読みいただきありがとうございました!
「かけがえのないもの」一応本当にこれで終了になります!
お付き合いいただきありがとうごさいました!🙇‍♂️

今回のゲストは平手友梨奈さんでした!たくさん悩んだのですが、この3人が1番しっくりくるかなーと☺️

平手さんの「かけがえのない世界」と「かけがえのないもの」。これはてちしかいないでしょ!という結論です。(六本木クラスのてちが可愛すぎたのもある)

赤ちゃんの成長は早すぎて、「そんな大きくならないで!」なんて本気で思っちゃうお母さんも少なくないですよね🤭

これからも世の中の赤ちゃんたちがみんな、すくすくと育っていきますように…✨


それでは、おっす。