※小林さんを男の子化させてます。他の欅坂46メンバーも男性化してます。



由依side



俺は、男子校に通う普通の高校生。不良気味でもなければ至って真面目ってほどでもない。

授業だって、気分によれば板書すらしないときもあるし
人間関係だって、疲れるまで友達と関わったりはしない。
恋愛なんて、興味すら湧かなかった。

全て、自分を守るため。
傷ついて疲れて時間を無駄にしそうで、嫌だから。


そんな俺が密かに待ち望んでいた行事、そう。
修学旅行だ。

うちの高校は2年生の時に修学旅行があり、
今日から4泊5日がその日なのだ。


なんで修学旅行を楽しみにしていたのか、それは……


織田「由依〜!」
小林「わっ!?なんだよ!今いいところだったのに…!」
織田「え?いいところって?なになに!教えろ!」
小林「うっせぇ!こっちの話だ!ったくもう…」
織田「…ふふーん、さては渡邉先生のこと考えてたな!」
小林「ばっ……!?んなわけねえだろ‼︎クソが!」
織田「かんわいいねぇ〜、由依く〜ん」
小林「おい!キモい!離せ!このやろっ…!」


織田のやつからいつものダル絡みをされ、追い払いながら
ふと顔を上げてみるとバスの前に立っている渡邉先生と目があった。

目が離せなかった。悪い意味じゃなくて、いい意味で。
だけどスローモーションに見えたその景色も0.1秒にも満たない速さで過ぎていく。


織田「あれ?あれあれ!?
   由依、渡邉先生と目合っちゃった!?」
小林「はあ!?///お前の見間違いだ!」
織田「えぇ〜?そうだと思ったのに。てかさ!修学旅行で
   告っちゃえよ!」
小林「はぁ?///」
織田「絶対大丈夫だから!俺が補償する!」
小林「お前の補償は当てにならん!!」
織田「いいからいいから!ぜーったい大丈夫だって!」



何をバカなことを。
……生徒と教師なんて、そんなの無理に決まってるのに。

「大丈夫」その言葉に1番期待してしまっている俺はいつもの
俺ではない。

あの人のことになると正常に正しい判断が下さなくなってしまうんだ。まるで、磁石を近づけられたコンパスのように。


小林「無理だよ、俺多分嫌われてるし。」
織田「そんなことないって!」
小林「じゃあ、あれはなんだよ!

   授業中寝てたら『寝てんじゃねーよ』って付箋に書いて   貼ってきたり、そのあとも『補修だ!』とか言ってあっ   つい教室で勉強させられたんだぞ!

   こんなん差別じゃんか!」
織田「それは特別扱いっつーんだよっ!一丁前にラブラブ
   しやがって」
小林「……。」


特別扱い。先生の中で俺が特別、いやナイナイ…(笑)

でも、もし、本当だったら、

織田にそう言われてダンマリしてしまう自分は本当に口が弱いと思う。いっつもこうやって言いくるめられてしまう。


織田「ほーんと渡邉先生のこと大好きなんだからぁ、
   由依ちゃんったらぁっ♪」
小林「……お前、それ以上、口開いたら殺す」
織田「ヒイイィィィ…」


すると急に渡邉先生に呼ばれて、織田を捨てて先生の元へ急ぐ


小林「何スカ?」
渡邉「言葉遣い。」
小林「あぁ、すいません。」
渡邉「はい、よろしい。別に大きな用事じゃないんだけど
   向こうで回る時に小林くんの班に私もつくことになった
   から知らせとく。」
小林「わかりました」
渡邉「ん、よし!じゃあバス乗ろう!」


何か怒られるかと思って行ったらそんなことだった。
…先生と一緒なら班行動もいいかも知れない。

てか、最後の笑顔バカ可愛いかったな。


先生の笑顔の余韻に浸りながらバスに乗車した。



理佐side



私は男子校で教師をしている。やっぱり男の子だけの学校は
毎日しつこいほどうるさいし、まるで動物園みたい。

そして、今日から私たちは修学旅行だ。


菅井「理佐!」
渡邉「あ!友香!」
菅井「昨日はちゃんと眠れた?」
渡邉「…うっさいなぁ//」
菅井「えぇ〜?人が折角心配してあげてるのに。
   誰かさんが深夜もいい時に『楽しみで寝られない〜』
   とか言ってきて寝落ち電話付き合ってあげたのはどこの   だあれ?」
渡邉「はいはい、ありがとうございました」
菅井「ちょっと理佐〜(笑)ごめんって。でも本当に楽しみだ
   よね!自由時間に成立とかあるかな!?」


男子校なのにあるわけないでしょ、と言いたかったけど
近頃そう言う類の発言には気をつけなければならないから
言わない。

そしてあからさまに私の方を向いて言ってくるのが癪に触る。


渡邉「知らないよそんなの。勝手にして。」
菅井「えぇー!興味ないの?!絶対くると思うよ?小林くん」


友香の方からその人の名前が出た時に私の心臓は急に活発になり始めた。

瞬間、私の目は自然と彼の方へ向いてしまう。
あぁ、ダメだってわかってるのに…。
だけど、ほんの一瞬だけ目が合ったような気がした。

スローモーションに見えて、彼の顔や表情がハッキリと見えたけどその世界も彼が目線を逸らすことによって終わりを迎えてしまう。


菅井「理佐?おーい?」
渡邉「っ、あ。」
菅井「大丈夫?ぼーっとしてたみたいだけど。やっぱり昨日
   寝れなかったんじゃない?」
渡邉「大丈夫、大丈夫、ほら、友香は向こうのバスでしょ!
   早く行きなよ!」
菅井「本当だ!じゃあ、また後でね!」


友香が行ってしまったあと、少し彼を呼んだ。本当は話すこともなかったし、呼ぶつもりもなかったのに私の口が勝手に動いていた。

バス、隣に座ってほしい。
私の中で、その煩悩が行動に移されたみたいだ。

少し言葉遣いが荒いのもいつもの彼で、実は少し緊張していた私の心を解きほぐす。


バスの座席は余ることなく埋まることは前から知っていた。
そして私の席は先に取ってあり、自由席。つまり最後に乗った人が必然的に私の隣に座ることになるのだ。

…私情挟んじゃった。小林くん、ごめんね。



バスに乗り、案の定座席は私の隣しか空いてなかった。


渡邉「あ…ごめん。席、私の隣でもいいかな。」
小林「別にいいっすけど…」
渡邉「言葉。」
小林「ハイ、さーせん。」
渡邉「もうっ」
小林「ふふ、先生いじり甲斐ありますよね」
渡邉「えっ」


今までそんな微笑まれたことなかったから不意打ちをくらい
私の乙女心に刺さる。

はぁもう。私って本当にどうしてこうなんだろう。
好きな人には弱いって言うか、厳しくできないっていうか。
もういい、知らない。

そうして私たちはバスに揺られ、何を話すでもなく出発した。


ー旅館ー


由依side


無事に到着し、少し周りをまわったところで今日はもう旅館に帰ることになった。


織田「大部屋だったぞ!由依!」
小林「ん、サンキュー」
平手「マジ嬉しい!なぁ!朝までずっと起きていよう!」
小林「げっ、お前も同じなのかよ。つーか、お前そんなこと言   って中学の時1番乗りで布団入ってただろ」
平手「それはもう昔の話!なにする?トランプ?ウノ? 
   あ!枕投げでもするか!」


平手とは中学からの仲で、なにかと気の置けない。
こんな張り切って実は1番のキッズだし、23時にでもなれば
すぐ寝ちゃうだろう。

可哀想と言うべきか、可愛いそうと言うべきか。
こんなこと言ったら怒るだろうけど


ー大部屋ー


小林「お、案外広いじゃん。」
織田「え!あんな旅館に厳しい由依のお墨付きかよ!」
平手「オダナナうるさーい」
齋藤「バブはもうおねむなんだよな〜」
平手「んだと!」ボコッ
織田「いたっ!やったな!」ボコッ


なんか後ろでごちゃごちゃやってるみたいだけど、
構わず俺は中に入りベッドを陣取る。

そして荷物を置いた時に菅井先生の声が聞こえてきた。


菅井「こらぁ!玄関で殴り合いしないの!さっさと靴脱いで
   静かに入る!」
平手「ほーら、オダナナのせいで怒られた〜」
織田「なんで俺のせいなんだよ!」
齋藤「最後に殴ったの織田だろ」
織田「は?なんだよそれ!そんなのずるいだろ!」ボコッ
平手「いってぇ!頭はなし!」ボコッ

ボコボコ…ゴツン!ゴツン!ゴツン!


平手「いって…」
齋藤「いっ!」
織田「いった!なにすんだよ!先生!」
菅井「殴り合いしないで早く入るって言ったでしょ!」


あーあ、菅井先生のゲンコツくらってるわ(笑)

遠目から鼻で笑っていると菅井先生に呼ばれた。


菅井「小林くん!」
小林「あ、なんですか?」
菅井「ごめんね、大変な子達ばっかり同じ部屋で。
   なんかあったらすぐに言いに来て!じゃあよろしくね」
小林「いや、別に大丈夫ですけど…。」


いざとなったらほっとくんで。


小林「ぁ、ちょっと待って!先生!」
菅井「ん?どうした?」
小林「菅井先生のお部屋はどこですか?
   あっ!!いや!別に変なことするわけじゃなくて!!!
   部屋が分からねば言いに行けないわけでして…」
菅井「あ〜、…ふふ、私は0727号室だよ。
   いつでも聞きに来なさい。」
小林「、?おっす…」


そう言うと、菅井先生は違う部屋に回りに行ってしまった。
なんか、ニヤニヤしてたけど大丈夫か、あの人…。


平手「こば〜!!」
小林「あ?」
平手「風呂!綺麗なんだってぇ〜!早く行こう!」ユサユサ
小林「おい!腕持って揺らすな気持ち悪い!」
平手「ねぇ〜ぇ〜、こーばー。いこーよー」


それから風呂の順番が回ってくるまで部屋で平手の面倒を見ながら枕投げの標的となっていた。


ーお風呂場ー


織田「ふぅー!風呂ぉー!」ザッブーン!
小林「あ!ちょっ、馬鹿野郎!飛び込むな!」
齋藤「いいじゃん、俺らだけなんだし。」
平手「ねぇ!キモイ、オダナナ!くっつかないで!」
織田「おい!てっちゃん腹筋割れてんだけど!すげえ〜」
平手「ちょっと…!くすぐったいってば!」
小林「平手よく最近鍛えてたもんな」
齋藤「とか言って、自分もうっすら割れてるくせに〜」
小林「っ!うるせえ!早く身体洗って出んぞ!」


はぁ、もう全く、馬鹿してんなぁ。それからも相部屋の奴らと色々やっていたら制限時間ギリギリで先生に怒られた。
この怒ってくれる先生が渡邉先生ならいいのに、なんて思っていたらすぐ終わったけど。


小林「ったく、お前らのせいで怒られたじゃねえか。」
平手「ごめんって、こば!」
齋藤「でも結果楽しかったし?いいっしょ!」
織田「だな!」
小林「まぁ、いっか(笑)あ、お前らちゃんと自販機でコーラ
   買っとけ」
平手「え?なんで?」
小林「消灯時間過ぎたら廊下出れないだろ?」


嘘。そんなの口実だ。夜のパーティーにコーラなしは、盛り上がらねえだろっ!

あぁ、その前に平手寝かさねえと。先、寝とかないと起きてらんないんじゃないか。


ー大部屋ー


消灯時間もすぎ、宴が始まろうとしていたとき事件が起こった


平手「ねぇ、廊下の麦茶タンク切れた〜」
小林「?コーラは?」
齋藤「買ってない」
小林「はっ!?だから買えって言っただろ!」
織田「よし、じゃあ由依、先生に言ってこい。」
小林「はぁ?!なんで俺?意味わかんないっしょ」


口答えしても無駄。麦茶のデカいボトルを持たされて廊下に追い出されてしまった。

もう〜…なんで俺なの…。

そう思いながら、先生の部屋を探す。そう言えば菅井先生0727号室とか言ってたよな。行くか…まぁ、菅井先生なら怒られないだろうし、


小林「コンコンコン」
? 「はーい」
小林「菅井せんs…」


ドアが開いてビックリ、出てきたのは渡邉先生だった。
…メガネ姿、可愛い


渡邉「えっ、なに?」
小林「いや、…ココ菅井先生の部屋じゃないんですか?」
渡邉「ここは、…私の部屋だけど?」


先生の反応から見るに嘘をついてる感じではなかった。
……くっそ、菅井先生、嵌めたな。まぁ、でもぶっちゃけ今の渡邉先生お風呂あがりなのかめちゃくちゃ幼い顔してるしこれ見れたのは当たりか。


小林「ぁ、そう。あ、これ。切れました。」
渡邉「、、わかった。補充しとく。あなたも早く寝なさい」
小林「あ、はい。おやすみなさい」
渡邉「おやすみ」


そう扉が閉じられた瞬間、破顔する。

いやっ…!あの、彼女感は萌える。いつもの冷徹な感じでも流石に可愛い!くぅ〜…!!!

控えめにガッツポーズをした後、部屋に戻って何もなかったかのように宴を始めた。


to be continued…



お読みいただきありがとうございました!

フォロワー様650名様突破しましたー!いつもありがとうございます。こんな沢山の方に支えられて幸せ者だと自分でも思います。

今日から新しく『修学旅行』が始動です!5話完結になるかなと思います。ブログの画像は一体何を表しているのでしょうか🤭それも後に明らかとなっていきます!

なんか、駄作な可能性大ですが、大丈夫でしょうか…
でも、多分?これからいい方向には行くと思うので、よろしくお願いします。

そして、これ、裏入れるかほんとに悩んでるので皆様のご意見が聞きたいです。マシュマロでもコメント欄でも、なんでもいいので書いていただけると助かります🙇‍♂️


それでは、おっす。