かなり長いのでお時間が合う時に……
理佐side
それから3年、双子も3歳となりよく家中走り回る日々。
あれから由依くんと名前を熟考した結果、出世届けの期限ギリギリで上の子が「夏鈴」、下の子が「天」と言う名前に決まった。
「いい名前だね〜」と言われてこっちまで嬉しくなったのを今でも鮮明に覚えている。
そんな双子は、最初の方こそ「ザ・双子」のような仕草を見せていたが大きくなるにつれて個性がよく出るようになった。
外遊びが好きで起きてから寝るまで凄い存在感を放つ天ちゃんに、絵本や積み木が好きでよく「あれ!?いつ起きたの!」となる夏鈴ちゃん。
私に似ている天ちゃんと、由依くんに似ている夏鈴ちゃん。
ただ、2人の息が合わさると最強でちょっと夏鈴ちゃんのドライヤーをやっていて目を離した隙に天ちゃんが私のリップを大胆に口周りに塗っていたり、天ちゃんに「散歩に行こう」と駄々を捏ねられていると夏鈴ちゃんが畳んだ洗濯物の上で寝ていたり…。なんてことが最近ではよくある。
そして、今日は由依くんが朝からずっと撮影のお仕事で家には私と天ちゃんと夏鈴ちゃんの3人。夜まで体力持つかな……
そんな心配をしながらちょっと洗濯機を回そうとしていると、
リビングの方でガタンという鈍い音がした。そしてすぐ天ちゃんの大きな泣き声。
あぁ、天ちゃん転んだんだな……(笑)
そう思っていると片割れが脱衣場の扉から顔を覗かせた。
理佐「あれ、夏鈴ちゃん?天ちゃんと一緒に遊んでたんじゃな いの?」
夏鈴「…。」
何にも話さずに私の目を見た後、リビングへ走っていく夏鈴ちゃん。手にはオモチャの剣を握ってたから多分一緒に遊んでたんだと思うけど……
とりあえず夏鈴ちゃんの後を追うと、案の定ソファーの横で転んでいる天ちゃん。と、それを指差して「転んでるよ」とアイコンタクトしてくる夏鈴ちゃん。(笑)
理佐「ふふ、だからお家の中は走っちゃダメって言ってる
でしょ〜?」
天 「えーん(泣)」
理佐「夏鈴ちゃんも、指差してないで立たせてあけたらいいの
に(笑)」
天ちゃんを抱っこして立たせ、歯が折れてないか、どこか痛いところはないか確認していく。その間も天ちゃんを凝視して立っている夏鈴ちゃんを見て、本当に心配してるのか…?と
思う。
理佐「よし、大丈夫だよ。あんまり激しく走らないのよ?
また痛い痛いしてもママ知らないからね?」
天 「うん!夏鈴〜、転んでも痛くないようにこっちで
やろー!」
夏鈴「うん。」
全く(笑)「転ぶな」って言ってるのに。
そんなところも可愛いなと思ってしまう辺り、親バカだなと自分でも感じる。
洗濯機を回し、来季のドラマの台本に目を通していると、今度は一生懸命2人がガラス窓に張り付いてなんか騒いでいる。
天 「う"〜……ワンワン!」
夏鈴「わん!」
なにしてるかと思ったら散歩で通りかかった大型犬に必死に威嚇している。天ちゃんの方が夢中だから多分天ちゃんが始めたんだろうなぁ……(笑)
夏鈴ちゃんはいつも天ちゃんの真似ばかり。あんまり周りのことに関心がないのか、1歳児検診の時なんかはよく看護師さんに珍しがられた。まぁ、でも別に異常なしみたいな感じだから
これが夏鈴ちゃんにとってのいつも通りなんだろう。
理佐「ぁ、ちょっとこら!天ちゃんガラス舐めないの!」
天 「だってワンちゃんは舐めるもん!」
理佐「天ちゃんはワンちゃんじゃないでしょう〜?」
天 「むぅ」
理佐「ふふふ、怒らないの。ご飯にしようか!」
天 「ご飯!天のご飯!」
夏鈴「ご飯…!」
それから2人の遊びたい衝動を抑え込んでなんとか座ったままご飯を食べさす事に成功。
もう最近はちっとも座ってご飯を食べてくれなくなってしまったから毎日毎日「ちゃんと座って食べなさい!」のオンパレード。女の子ってもっと静かなイメージだったんだけど…
今は、遊び疲れた天ちゃんがパタリと死ぬように寝たため
ベッドで昼寝中。
夏鈴 スリスリ
理佐「ふふ、」ナデナデ
寝ている時だけはちょっと甘えん坊になる夏鈴ちゃん。
布団を蹴飛ばして熟睡の天ちゃんとは違い、どんどん私の方へ
寄ってくる。
理佐「…起きてる時はいつも天ちゃんに取られてばっかだもん
ね」
甘えん坊で構ってちゃんな天ちゃんはよく夏鈴ちゃんがいるのにも関わらずわたしの膝の上に座って来たり、いつも外で抱っこされるのは天ちゃんが多かったり。
寂しいんだよね、夏鈴ちゃん。こういうところでやっぱり長女を感じたり。
昼寝から起きたあとは夕飯の買い出しへ。
私がカートを止めて買うかどうか悩んでいると、なんか、カートの下にあるカゴがガサガサしているような…
理佐「ぁ、天ちゃん?夏鈴ちゃん?なにしてるの?」
天 「はっ!」
夏鈴 ビクッ
「やばい!見つかった!」みたいな顔している天ちゃんと、
大好きなスナック菓子を入れる途中で停止している夏鈴ちゃん
こんなのもいつも通り。
理佐「戻してきて?」
天 「…でも、天、食べたい」ボソッ
理佐「うーん、」
夏鈴「ぉ願い」
悩むけど、いつもこの手に乗って買っちゃうんだよなぁ…
本当に子供って女優並みに可愛い顔するの上手だと思う。
まぁ、私たちの職業がそうだからかもしれないけど。
本当は買った後の満足そうな笑顔を見たい。でも、ここは、心を鬼にして。
理佐「ダメです。戻してきてください。」
お菓子でモチベーションの下がった2人の背中を押してなんとか家に帰ってきた私は夕飯を作る。
その間もかくれんぼをしている2人。微笑ましく思いながら料理しているとガチャンと玄関の扉が開く音。
天 「パパ!」
夏鈴「…!」
走っていく2人の後を追いかける私。
なんかこれじゃあ、私まで子供みたいじゃない…(笑)
理佐「おかえり。」
由依「ただいま〜。」
天 「パパ、抱っこ!」
夏鈴「抱っこ!」
由依「わかったよ(笑)」
2人を抱える由依くんを見て、心底安心する。はぁ、やっと一日終わった…
由依くんに引っ付く2人に便乗して3人を抱きしめる。
由依「ふふ、今日はお疲れ様。」
理佐「由依くんも。」
fin
お読みいただきありがとうございました。
ダラダラと起伏のない文章が続いてしまった……。
途中から展開をどうしようか、血迷ってしまい、こうなってしまいました。
ちびっ子てんかりん、いかがでしたでしょうか。
なんか、夏鈴ちゃんフォーカスになってしまった感じもありますが、いつものことという事で(笑)
最近よくリクエストや要望を貰ってとても嬉しいです!
ありがとうございます😊
それでは、おっす。