フジテレビの人気ドラマ

「世にも奇妙な物語」

2024年冬の特別編が放送されたので

その感想を書いておきます。

 

 

今回のタモリさんは進化論の話。

キリンの首はなぜ長いか?

高いところの葉っぱを食べるため

……ではなくて、

たまたま突然変異で首の長いキリンが

最後に生き残ったからだと言う。

生きるも死ぬもすべては運次第、か――。

 

 

■フリー

主演:清野菜名、細田善彦、福津健創

世にも奇妙な物語『フリー』

 

<あらすじ>

映像制作会社に勤める篠崎リカ(清野菜名)はメンズ美容エステの動画編集に追われていた。画面上には「料理する男」「晩酌する男」「たたずむ男」といったフリー素材のおじさん(福津健創)が並ぶ。リカは作業を一旦中断し休憩から戻ってくると、パソコン画面に映っていたはずのフリー素材の“おじさん”の姿がなくなっていた。すると誰も居ないはずのオフィスから物音がして振り返ると、そこには画面上に居たはずの“おじさん”が立っていて……。

 

<感想>

奇妙な出来事から始まって

胸糞エンドで終わる

典型的な「世にも奇妙な物語」。

 

冒頭で編集素材にゆってぃー登場。

映像の制作会社で

夜遅くまで残業する篠崎リカ(清野菜名)が

とあるフリー素材のおじさんを検索して

その画面を開いたまま離席して帰ってきたら

画面の中のおじさんが消えているという

ホラーチックな始まりが興味をそそる。

 

背後に気配を感じてドアの隙間を覗くと

さっきのおじさんが立っていて、

こちらの問いかけに応えず無言で襲ってくる。

……と思ったら電気が点いて

同僚の水野航輝(細田善彦)が立っていた。

コピー機からおじさんの顔がプリントされて

出てきたのは事実なので

全部が幻だったわけじゃない。

 

このフリー素材のおじさんは以前、

リカが編集した「あなたは一人じゃない」という

結婚相談所のCMに使ったことがあった。

その時は利用規約を確認せずに使ってしまい、

勝手に使われて抗議に来たのでは?と言われる。

この同僚、『3年C組』で

田中美久とエッチしてた人じゃないか。

リカを誘って帰り道でなかなか良い雰囲気。

2人とも独身で

水野はそろそろ結婚したい

リカは結婚願望は薄い

「案外悪くないと思うけどな。そばに誰かいる人生も」

あれ?これ最後にリカも

フリー素材にされるとかいう

しょうもないオチじゃないよなぁ。

 

リカのスマホに

「新しい素材が追加されました」の

更新通知が何度も来る。

いいじゃん。ただで使わせてくれたって

と言うリカも結構性格終わってる。

深夜に窓のカーテンを開けると

あのフリー素材のおじさんが立っていた。

“「開けたら人がいる」のが1番怖い”と

水ダウで見たような説を検証してくれる。

 

フリー素材のおじさんは

ウラベミチオ(福津健創)と判明。

フリーランスの下請けだったが

親会社XYシステムズを襲撃して

今も失踪中らしい。

彼は今どこに隠れて

フリー素材の更新をしているのか?

 

リカがエレベーターで1階に降りようとすると

誰も人がいない階でエレベーターが

何度も止まるという奇妙な現象が起き、

後ろに誰かの気配を感じた。

1階に着いた途端に飛びだして

そこにいた男性に助けを求める。

「助けてください!変なおじさんが!」

「……誰もいませんけど」

また更新通知が来て

今度はリカの部屋のベッドに座っている

ウラベミチオの写真だった。

 

リカは青梅市のウラベミチオの自宅へ乗り込む。

「俺もすぐ行く」と言う水野かっけえ。

パソコンに日記のような動画が残っていて、

それによればウラベミチオは親会社に

正当な対価を支払ってもらえず不満だったらしい。

独り寂しく死んでいくんだ

結婚相談所のチラシを丸めて捨てていた。

リカが彼を結婚相談所のCMに

使ってしまったことを思い出して後悔する。

 

XYシステムズに突撃したのはお金が未払いで

抗議するために行ったら暴行犯扱いされたらしい。

動画の中で狂気的に笑うウラベミチオ。

「私にはなんの価値もないからだ。私の価値はただ。」

リカは「ひどい……」と

ウラベミチオに少し同情してしまう

するとリカのスマホに更新通知。

動画を開くとウラベミチオが叫ぶ。

「私はただじゃない!」

……どっちやねん。

 

そこに突然現れたウラベミチオに

「あなたの価値はただなんかじゃないです!」

と必死に説得するリカ。

結婚相談所のチラシを見て無意識に

あなたは一人なんかじゃありません!」と叫ぶ。

そこに水野が駆けつけて来たので

ウラベミチオは姿を消した。

 

ただ働きさせて使い捨てられたウラベミチオ。

リカはXYシステムズの闇を暴いて

ニュースに取り上げられる。

「これで少しは気が晴れましたかね」

なんか良い音楽が流れてエンディングの雰囲気。

え?ハッピーエンド?まさかね……。

今回のことがあって独り身を卒業しようと思ったと

水野がリカに告白しようとして通知音。

急いで立ち去るリカ。

このままじゃ終わらない予感。

 

リカを背後から抱きしめるウラベミチオ。

リカの悲鳴でフェードアウト……。

丸二日も連絡がつかないと焦る水野。

フリー素材になってしまったリカ。

世にも奇妙な物語『フリー』

……やっぱりかよ。

そういうオチいらんって。

 

主人公が最後にあちらの世界に行ってしまって

今度は自分が○○になるという

見飽きた定番パターンのエンディングだが、

伏線は丁寧に張ってあるので

完成度自体はそこそこ高い方だと思う。

ウラベミチオがリカの前に現れたのは

勝手に写真を使ったからで、

ただで使わせてくれたっていいじゃん」という

XYシステムズと同じ考えだから恨まれて当然だし、

あなたは一人じゃない」というキーワードが

孤独で寂しいおじさんには

別の意味に聞こえてしまった。

最後の家族写真に写るウラベミチオの笑顔

彼の本当の目的が一人の寂しさを埋めて

家族を作ることだったとわかる。

リカは結婚願望がなかったから

現実の世界にいなくても影響が少ない。

ハッピーエンドかと思わせて

ただでは終わらないのもタイトル通りでいい。

ちゃんと筋が通っているので

そこまで理不尽ではなく感じた。

 

それと俺はリカにあまり同情できなくて

水野の愛の告白を雰囲気で察しながら

最後まで聞かずに途中で切り上げたことに

嫌悪感を抱いてしまった。

『時をかける少女』でもあったでしょ。

人が大事な話をしようとしてるのを

なかったことにしちゃいけないって。

 

「世にも」の時空に入ってしまったリカは

もう逃げられないでしょうね。

水野がフリー素材のリカに気づいても

あちらの世界には干渉できない。

ただし向こうからなら

干渉できる可能性はある。

水野がなんとかして

リカを助けに行く話も見てみたいところ。

それはまた別の物語『フリー2』で――。

 

 

話の完成度 ★★★★

奇妙な話度 ★★★★★

コメディ度 ☆☆☆☆☆

ガチ恐怖度 ★★★★

感動の涙度 ☆☆☆☆

 

 

 

■第1回田中家父親オーディション

主演:田中卓志(アンガールズ)、池津祥子、藤本洸大、林芽亜里、堀井新太ほか

世にも奇妙な物語『第1回田中家父親オーディション』

 

<あらすじ>

会社員・田中賢一(田中卓志)は毎日残業続きで仕事に明け暮れる日々を送っていた。この日も残業を終え帰宅すると、妻・あず沙(池津祥子)から大事な報告があると告げられる。離婚話かと思ったら、それは『第1回田中家父親オーディション』を開催することにしたという内容だった。このことは瞬く間に世間に広まり賢一は個性的なメンバーと田中家の父親を賭けたオーディションに挑むことになり……。

 

<感想>

田中卓志が情けない父親を好演した

日常が少し狂ってる系の話。

 

残業する田中賢一(田中卓志)のもとに

妻・あず沙(池津祥子)から

大事な話があるとメッセージ。

帰ってみると妻が真剣な顔で

第1回田中家父親オーディション

開催のチラシを見せる。

「あなたは仕事で疲れたを言い訳に、家では寝てるだけ。田中家の父親にはふさわしくない。だから、新たな父親を一般から募集することにしました」

要するに離婚と再婚を一緒にやるようなもの。

普通に離婚してから

募集した方がいいのでは?と思っちゃう。

 

すでに新聞広告やネットニュースにまでなって

会社でもオーディションの話題で持ちきり。

「そもそもオーディションで父親決めるっておかしいでしょ」

しかし会社の同僚たちは一斉に首を振る。

後輩の小倉はある程度子供も大きくて

手がかからないからコスパがいいと言い出す。

もう常識から逸脱した

「奇妙な世界」に入ってますね。

このまま引き下がれない賢一も

父親オーディションに願書を出すと

「結果は郵送でお知らせしまーす」と娘。

同じ家に住んでいるのに?

 

書類審査を通過したのは

会社の後輩・小倉、山本、佐藤、

そして賢一の4名。

なぜか配信で中継されていて

視聴者が興味深く見守る中で実技合宿が始まる。

明るくて陽気な小倉、

見た目は怖いが知識が豊富な佐藤、

体力で勝る山本(実は息子より年下)に対し、

サッカーもダンスも駄目な賢一は遅れをとる。

そもそもなんで3人は

このオーディションに応募したのかと聞くと、

佐藤は浮気が原因で家族を失い、

山本は父親がいないから家族が欲しくて応募。

逆に賢一はなぜ応募したのかと聞かれて

「俺はもともとこの家の父親だから」と応えたら

「でも、田中さんじゃ物足りないからオーディションやってるんすよね?」

正論やめてあげて。

 

「休日実技」でもセンスが無いと酷評されて

賢一の精一杯の気持ちも

今の娘たちには伝わらない。

「今日が最後の思い出なのかもなぁ」

なんか可哀想。

もっといい家族がいるよ。

 

最終審査の面接で賢一は言う。

「みんな申し訳なかった。家族って当然のようにそこにいるものだと思ってた。」

今までの自分を反省し、

自分は父親にふさわしくないけど

「俺はあず沙が大好きだ。一郎が大好きだ。杏が大好きだ。みんな幸せになってくれよな」

と別れても家族だと思っていることを伝えた。

「結果は郵送でお知らせします」

 

翌日の夜、

賢一が帰ってくると3人が待っていて

審査結果を手渡しで賢一に渡す。

その紙には「合格」と書かれていた。

他の3人に問題(名字、二股受験など)があり、

結局は残った賢一が選ばれただけと言うが、

最終審査で言った本音が嬉しかったよ

あれが決め手になったことも確かだった。

 

これでもう一度家族をやり直せる。

そう思って喜ぶ賢一だったが

あず沙がまた告知のチラシを出す。

田中家追加メンバーワールドオーディション」開催。

次は新しい家族を世界中から募集するという。

アイドルグループかよ。

刺激を求める家族たちに

「このままの家族じゃ駄目なの~!?」

という賢一の悲痛な叫びで終わる。

 

家族再生の物語としては良い。

途中そういうドッキリかとも思ったが

やっぱり世界は歪んでいて

家族も狂っていた。

第1回というのなら第2回もあるわけで

この先も賢一には試練が続きそうだから

ハッピーエンドとは言えないのがモヤモヤ。

でも同系統の『小林家ワンダーランド』より

数倍マシな脚本。

アホが脚本書いたら今度は賢一が

「第1回母親オーディション」を開催しますとか

つまらんオチにしてぶち壊れると思う。

それは田中卓志のキャラに合ってない。

どんなに怒ってもやり返すことは絶対ありえないから

最後まで情けなく振り回される

この結末で良いのだと思う。

最後に相方の山根を登場させて

「追加メンバー応募しようかな~」

とか言わせてくれたらもっと良かった。

 

小倉が父親になったら

名字が「小倉杏」になるから嫌だと娘が言ったが

自分が結婚したら問題ないのでは?とは思った。

(そういえば小倉杏っていうAV女優がいたなぁ)

あと配信を見てる女子高生4人組の左下、

やけに可愛い子がいて調べたら

白石姫織という人だった。

田中家の追加メンバーに応募してみない?

 

 

話の完成度 ★★☆☆☆

奇妙な話度 ★★★☆☆

コメディ度 ★★★★

ガチ恐怖度 ☆☆☆☆☆

感動の涙度 ★★★☆☆

 

 

 

■City Lives

主演:佐藤勝利(timelesz)、片山友希、板倉武志

 

<あらすじ>

世界でいちばん大きい動物はなにか?それは“街”だ――。人間の記憶を読み取り、都市に擬態する巨大生物、“街”と呼ばれる世界最大の生き物。動物番組のロケだと聞かされ車で待機していた佐藤勝利(本人)と番組メイキングカメラマンの水谷賢太郎(板倉武志)は“街”に飲み込まれ、閉じ込まれてしまう。謎に包まれた“街”の生態を特集すべく、その街で唯一の生きる人間である、都市型生物保護機構(通称・都生保)の保護官・辻みさき(片山友希)への密着取材を始める。荒野を移動する建物群、生えてくるビルが自身の一部で作り出した本物の人間そっくりの“疑似住民”など、“街”の中で起きる不思議な現象を目の当たりにしながら取材が進む中、街がなぜ佐藤たちを閉じ込めたのか原因を探っていく。

 

<感想>

もしも私たちの住んでいるこの街が

実は巨大な生き物で

突然敵意を持って攻撃してきたら?

というパニックホラー。

『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』などの

POVドキュメンタリー風の撮り方が面白い。

 

アコースティックギターで新曲を作りながら

動物番組のロケで車の中で待機していた

佐藤勝利(佐藤勝利)とカメラマンの水谷は

トンネル出口の景色が動くのを目の当たりにする。

次の瞬間、出口を塞ぐように動く謎の怪物によって

トンネルに閉じ込められてしまう。

騒ぎが収まって佐藤が外に出ると

街の景色が一変していた。

 

冬なのにセミの鳴き声がする。

人はいるが奇妙な動きをしたり

車のドアを開閉した

くいを打ち込んだ

目が光ったりしてまともじゃない。

電信柱が生き物のように動き、

佐藤を捕まえてしまった。

そこに「あーあ。耳塞いどいてください」

という作業服の女性が現れて

耳障りな高音を発生させる装置を鳴らすと

電信柱の動きが止まったので

その隙に佐藤を連れて逃げる。

 

街は栄養ドリンクの臭いを嫌うらしく

さっき栄養ドリンクを飲んでいたスタッフ

街の外に排出されたという。

女性から虫よけを渡された佐藤は困惑。

「これは?」

「虫よけです。これをつけといたらとりあえず飲まれたりはしないので」

「……虫にですか?」

「街にです」

「……」

早くここから出たい2人だったが

道がふさがっていて、

乗って来た車も壁に飲み込まれている。

アコギは落ちていたので回収。

どうやら「街」が2人を外に出したくないらしい。

 

街は「世界で1番大きな動物」で

都市に擬態しているという。

近くにいる人の記憶を読み取って

街を生成する能力がある。

そこに暮らす人は街が作り出した疑似住民。

佐藤たちを助けてくれた女性は

この街に1人で常駐している保護官、

都市型生物保護機構の

辻みさき(片山友希)と名乗った。

動物番組のロケというのは

この巨大な動物「街」とふれあう企画だった。

 

街は基本的に友好的な生き物。

コンセントをつつくと機嫌がわかる。

佐藤がつつくと鼻息のような

荒い蒸気が返ってきた

間欠泉のように地面から噴出する蒸気は

呼吸をしている証拠。

街の老廃物であるゴミを拾って

佐藤は恐る恐る街とふれあおうとする。

疑似住民が車のドアを

バタンバタン開け閉めする常同行動は

街にストレスが溜まってそうさせているという。

そのとき遠くから見つめる疑似住民の目が光った。

男がつぶやく。

「駄目か……」

おや?なにかの伏線か。

 

この個体は今年で4歳。

最初はベンチから始まって

家が建って車が走るそう。

へえ~と言うしかない佐藤。

辻は言う。

街って意思表現がズレていて、この子はとくに不器用で……

佐藤にファンヒーターで熱風を送ってくるのも

気を遣っているのだろうが

そんな寒くないし確かに少しズレている。

 

ふとんを叩くおばさん

学校から流れる吹奏楽の音

懐かしさを感じる佐藤。

この街並みは辻の記憶でできているとのこと。

街はその人にとって良かった記憶を

再現する習性があるらしい。

佐藤が昔なくした大事なピックが出てきて

街に感謝する。

しかし佐藤が口笛を吹いていたら

急に看板が落ちて来て

捻れた巨大タワーが出現。

辻もこんなのは初めて見たという。

瞬く間に壁が押し寄せてきて閉じ込められる3人。

 

電話で都政府と口論している辻。

鎮静剤で街を休眠状態にするというが

負担がかかると街が死亡する可能性もある。

辻のつけている観察日記を読む佐藤。

「花をくれた」と嬉しそうに日記に貼ってある。

コンセントをつついても反応は返ってこない

 

今日撮影したVTRを見返して

解決のヒントを得ようとする佐藤。

口笛を吹いたら蛇口から水が滴るのを見て

そういえばと思い出した。

車のドアの開閉音や洗濯物を叩く音、

くいを打ち込む音など……。

街の真の目的に気づいた佐藤は辻に

あることを試してみたいと提案する。

 

翌日、佐藤がアコギ片手にホールの屋上から

タワーに近づいてリズムを取ると、

ストンプのように電信柱が動いたり

踏切の警報が点滅したり、

ドアの開閉音が呼応して、

やがて佐藤と街のセッションが始まった。

街は歌っていたんです。ずっと僕らと仲良くしたかったのかなぁって

ストレスで攻撃していたわけじゃなくて

一緒に演奏を楽しみたかったのだ。

これには辻も感動し

疑似住民も笑顔になった。

後日放送されたこの企画は大好評で、

早くも街とふれあう企画第2弾。

次回はタンザニアにある「京都」を

取材に行くという。

「行きましょう」と即決する佐藤の笑顔で終わる。

 

いや~良い感動話だった。

ハッピーエンドなのがいいね。

見終わった後の多幸感すごいし

伏線も丁寧に張ってる。

昔のピックが出てきたのも

演奏してほしいからだったのか。

良かった思い出を再現する方向に気をそらして

セッションの方に気づかせないのは巧妙。

佐藤が口笛を吹いた時に落ちて来た看板に

「合同発表会」と書いてあったのはやられた。

初見でまったくわからなかった。

そういやホールの中にも

「合同発表会」の立て看板があったね。

文句なく今回のナンバーワンだと思う。

 

終わった後のMCでタモリさんが

「音楽の力はすごいですね」というが

まさにそれな。

音楽でわかり合えるのって素敵だし、

長年Mステやってきたタモリさんが言うと

その言葉の説得力すごいです。

 

わからないのは

辻は何を食べてここで生活してるのかだけ。

電気や火は疑似で問題無く使えそうだけど

水や食べ物は疑似でも大丈夫なんだろうか?

外から持ち込んでいるのか?

排泄とかもどうしてるんだろうな。

お風呂も全部見られてるのは恥ずかしい。

あと最初に電信柱が佐藤を捕まえたけど

栄養ドリンク持ってた

水谷の方を攻撃する方が自然だと思う。

 

 

話の完成度 ★★★★★

奇妙な話度 ★★★★

コメディ度 ☆☆☆☆

ガチ恐怖度 ★★★☆☆

感動の涙度 ★★★★

 

 

 

■ああ祖国よ

主演:尾上松也、津田寛治、Fenix D'Joan

 

<あらすじ>

テレビ局で番組制作を手掛ける・私(尾上松也)のもとに上役(津田寛治)からの電話が鳴った。アフリカの小国・パギジア共和国が突如として我が国に宣戦布告をし、小さな船が2隻で我が国へ攻めてきているという。上役の命令により特別報道番組の担当をすることになった私は、独立したてのパギジア共和国の調査を始める。本土到着まで、あと40日!我が国の運命は!?

 

<感想>

最後はショートショートの名手、

星新一が原作の『ああ祖国よ』

 

早朝まだ寝てる私(尾上松也)の元に

「おい起きろ、戦争だ」と

テレビ局の上司(津田寛治)から

電話がかかってきた。

アフリカの小国・パギジア共和国が

わが国に宣戦布告して小さな船2隻で

40日かけて向かって来ているらしい。

この情報はうちの局が独占スクープしたもので

急遽特別番組を組むことになり、

バラエティ番組を担当していた私に

放送を盛り上げてほしいと白羽の矢が立った。

 

緊急報道特別番組でこの話題を取り上げる。

小型の戦艦2隻で

40日かけて疲弊しながら進軍してくるとか

どう考えても嘘みたいな話を

真面目に伝えるのがシュールだ。

実際の映像があるわけでもないから

視聴者は困惑して局に電話が殺到する。

 

番組を盛り上げるために企画した

「この宣戦布告の動機当て」で

「あなたの説」を募集すると

考察好きの視聴者からたくさん応募がきた。

中には政府と局がマッチポンプで

ありもしない戦争をでっちあげている説も。

むしろそうとしか思えないのだが……。

 

日本到着まであと22日と迫った頃、

私はパギジア海軍が駐留しているという

ハナモコシ王国に取材に行かされる。

そこで出会ったパギジア海軍の司令官が

ガボア・ポキンという美しい女性だとわかった。

このインタビュー特集は好評で視聴者の中には

ガボア司令官がやってくるのを心待ちにしたり

パギジアの志願兵になりたいと言う人まで出る始末。

 

街では凜々しいガボアの服装を真似た

ガボアスタイルというファッションが流行り、

これから戦争が始まるという実感が薄いことに

私だけは危機感を募らせる。

そんな私に上司は悟ったように言う。

「黙って楽しんでればいいんだ。解決案を出す義務がどこにある。1人でむきになって叫んだってどうにもならんよ」

 

各国の支援を断られ

単独で戦うしかなくなった日本。

あと3日。

威嚇射撃の許可を求める大臣たちに

総理の決断は「検討します」

 

そしてついに上陸の日。

歓迎ムードで出迎えた

スポンサーの男役で大高洋夫が登場。

ガボアは「敗戦を認めますか?」と聞いてくるが

彼にそんな決定権はない。

和解するなら1億ドル要求して来た。

政府はなにもしてくれなかったが

友好に解決するにはそれしかないので了承。

テレビ局で花束を贈呈して和解をアピールする。

上司は1億ドルを取り戻すため

ガボア特番で稼ぐぞとやる気になってる。

 

どうせ戦争にはならないとみんな思っていた。

最初からこうなると結末のわかっていた

推理小説を読んだような気分でがっかりする私。

結局は「これでいいのだ」と納得したところに、

今度はバンヤ共和国が

わが国に宣戦布告してきたと情報が入る。

今度はセスナ機1機でやってくるらしい。

「嫌な予感がします」

「私もだ」

 

……なにこれ。

とくに面白くもないし

オチもよくわからない。

深い教訓もなにも感じられなかった。

 

 

話の完成度 ☆☆☆☆

奇妙な話度 ★★★☆☆

コメディ度 ★★☆☆☆

ガチ恐怖度 ☆☆☆☆☆

感動の涙度 ☆☆☆☆☆

 

今回の順位

第1位:『City Lives』 名作と言える完成度、「合同発表会」の看板の伏線

第2位:『フリー』 理不尽オチだが納得はできる、ホラー要素が好み

第3位:『第1回田中家父親オーディション』 田中卓志が好演

第4位:『ああ祖国よ』 オチがよわい、普通に面白くない

 

最後にタモリさんが

「モンテカルロの誤謬」の話。

ある男がルーレットをやっていて

何度もボールが黒に入るのを見たので、

次は赤が来ると思って赤に張り続けたが

26回連続で黒が出たらしい。

確率にして6660万分の1。

「人生は不条理に満ちている」

人生を操ろうとせずに素直に楽しんだほうが

よくないですかと言う。

なんかここが1番響いたな。