10月7日(日)21時から放送された

スペシャルドラマ

『誘拐法廷~セブンデイズ~』

松嶋菜々子さんが女弁護士、

丸山隆平さんが胡散臭い弁護士を

演じたドラマを見たので

いろいろツッコミながら感想を書きます。

 

これ原作があって

2007年の韓国映画『セブンデイズ』を

日本版にリメイクしたもの。

韓国では大ヒットしたようですが

10年も前の作品で

今風にアレンジも加えてあるので

比較しながら見ると面白かった。

 

 

 

 

 

 

※ここからネタバレあります。

 

 

 

 

 

ざっくりとストーリーを説明すると

勝率99%の最強弁護士

天吹芽依子の娘が誘拐され

娘の命を助けたければ

「国光事件」の被告人・国光瑛二を

無罪にしろと要求される。

判決まであと「7日」しかない。

被害者の身元を調査するうちに

複雑な人間関係が明らかになって行く。

どう見てもクロな被告を逆転無罪にして

愛する娘を無事に助けられるのか?

というストーリー。

 

天吹弁護士に松嶋菜々子さんという

キャスティングがぴったり。

 

彼女を助ける弁護士(原作は刑事)に

関ジャニ∞の丸山さんを起用して

女性視聴者をターゲットに

しているのが見え見えです。

まあ女性に見てほしいドラマではある。

 

原作には旦那が出て来なかったが

ドラマは杉本哲太さんが警察官で登場。

なんか訳ありで別居中でギスギス。

 

誘拐された現場は

運動会から発表会に変更。

無理矢理マザーグース要素を入れてくる。

小学生低学年に英語で歌わせるんかい。

 

誘拐犯の「よーいドン!」は笑った。

ボイスチェンジャーで声を変えているが

「丁寧な口調」に注目すれば

犯人を割り出すのは難しくないよ。

原作の母親は警察を邪魔者扱いし

派手なカーチェイスして撒いたり、

かなり暴走していてさすが韓国。

日本版の松嶋さんはあれでも冷静な方。

 

事務所の新人(?)小滝弁護士役の

飯豊まりえちゃん可愛い。

(心の声が漏れた)

 

殺された高嶺有香さんは

学生アーティストでネットで人気があった。

この被害者の設定が無茶苦茶なのよ。

美大の優等生でアーティストで

裏で違法ドラッグやってて

イカれた男2人と年上の妻帯者の

3人と付き合ってるという

よくもまあ詰め込んだなという設定。

殺されても仕方ないクズ女ですわ。

 

国光の弁護士として

宇津井(丸山隆平)が登場。

Twitterで「丸ちゃん、丸ちゃん」と

武田鉄矢の声で再生されそうなほど

「マルちゃん」でファンが盛り上がる。

というか「#誘拐法廷」や

「#セブンデイス」で検索したら

丸山さんのことしか話題になってねえし。

その宇津井が胡散臭い行動を取るので

ファンは「もしかして犯人?」と期待。

 

死体の「秩序型と無秩序型」や

「顔見知りの犯行の推測」は原作通り。

 

被害者の母親・高嶺文子を

風吹ジュンさんが演じる。

ネタバレするとこいつが誘拐犯です。

なぜ国光を死刑にしたくないかという疑問は

「自分の手でぶっ殺し、裁きたいから」です。

 

娘は原作では

ツナアレルギーで病気になったが

ドラマは喘息の発作に変更。

急いで薬を誘拐犯に渡さなきゃ。

立体駐車場に隣のビルから

薬を投げさせるという取引方法。

薬を受け取った犯人は

ギャンギャンギュルルンと

ドリフトしながら車を走らせたが

これをあのババアがやっていたの?

最近のババアすげえな。

 

Twitterでは

「丸ちゃんはペーパードライバーだから

あんな運転できないので犯人じゃない!」

という推理が面白かった。

さすがファンはお強い。

 

有香の恋人「ウルフ」は

原作も「ウルフ」なんだけど、

「ネーミングがダセえ」と

散々な言われ様。

 

有香にもう1人恋人がいて

ヤク中の患者が登場。

血のついたメモを渡して

火災報知機でスプリンクラー作動の

ここら辺の流れは原作と同じ。

鍵を壊して不法侵入したり

この弁護士やりたい放題かよ。

 

法廷で国光が有香に

麻薬を売っていたという証言が出て

事態は急変する。

小包に娘の手首が送られてくる場面は

衝撃が走った。

(松嶋菜々子の妄想だけど)

 

原作と違う部分で

ヤン・チャングという

チンピラの親分が出ない。

こいつが冒頭で無罪にしてもらって

「借りを返す」のがかっこいいのに。

天吹の自宅からメモを盗む役も

宇津井に変わっていた。

 

富樫彰夫(伊武雅刀)から

あの夜の出来事を聞き出して

録音して最後に裏切るという

オイシイ役も宇津井。

もう、丸ちゃんいいとこ取りじゃん。

ちなみに

m.c.A・Tの本名も富樫明生。

 

スタンガンで天吹を気絶させたのは

宇津井ではなく誘拐犯の文子。

タフなババアだ。

 

 

で、最後どうなったかというと

富樫とクソピアス野郎が逮捕されて

国光は無罪になる。

実は有香を殺したのは国光だったのに

娘のために正義を曲げてしまった。

 

誘拐された娘は

無事に救助されて一件落着。

廃倉庫に呼び出された国光は

誘拐犯に火あぶりの刑に処される。

廃倉庫にファックスとは

わざわざ電話線引いてるのかよ。

燃えてる炎もCG丸出し。

 

最後に文代が

天吹と1対1になってネタバラシ。

「あなたの娘さんは無事に帰って来た」と

誘拐のことを口に出して

「どうしてそのことを知ってるの?」と

よくあるパターンの墓穴を掘る。

アトリエの彫刻の手首が無いのを見て

やっと誘拐犯の正体に気づく(遅っ

 

 

いや~さすがに母親が

誘拐犯とは思わんよ普通。

意外などんでん返しではあるけど

無理がありすぎた。

 

まず体力的に無理。

発表会の直前に舞台裏に入って

娘を連れだしたり

天吹や国光を背後から襲ったり

尾行したりするほど

体力あるように見えない。

 

技術的にも無理。

立体駐車場をあのスピードで

ギュンギュン走らせたり

どこから弁護士たちを監視して

正確に状況を言い当てていたか不明。

 

動機も無理。

死刑宣告が確定している被告を

弁護士の娘を誘拐してまでして

弁護させて無罪にしたあげく

自分が殺してどうするの?

そんなことしても

娘は帰ってこないでしょ……。

 

少なくとも「被害者の会」を出すなら

国光の被害者家族が束になって

自分たちの手で殺すために

無罪にする方が良かったのでは?

さすがにババア1人じゃこの誘拐は無理っす。