前回からの続き

 

 

『驚かせるつもりじゃなかったんだけど、大丈夫?』

 

〔ま、ま、ま、まいか先輩…〕

 

『舞香先輩?』

 

「舞香が先輩だから」

 

『私が?』

 

「こんにちは」

 

〔だ、だ、誰ですか?〕

 

「初めまして、沼人といいます」

 

〔沼人さん?〕

 

「はい、そうです」

 

〔初めまして、大西葵です〕

 

「知ってます」

 

〔私のことを知ってくれてるんですね〕

 

「当たり前じゃないですか」

 

〔あ、ありがとうございます〕

 

「それにしても、あんなに驚くとは思いませんでしたよ」

 

〔私、もう駄目かと思ったので…〕

 

「そんなに」

 

〔そうですよ。一人で心細かったんです〕

 

「一人って事は、葵ちゃん以外には誰もいないのかな?」

 

〔近くにメンバーやスタッフさんがいたはずなんです〕

 

「そうなんだね」

 

〔でも目を覚ましたときには誰もいませんでした…〕

 

心の声「葵ちゃんは、気を失っていたって事か…」

 

「舞香も一人だったよね」

 

〔舞香先輩も一人だったんですか?〕

 

『そうね。私も一人だったね…』

 

〔そうなんですね。沼人さんは?〕

 

「あぁ、自分は元々一人だったから…」

 

〔………〕

 

「そういえば、葵ちゃん、記憶の方は大丈夫?」

 

〔記憶ですか、大丈夫ですけど…〕

 

「じゃあ、葵ちゃんの誕生日は?」

 

〔8月6日、ハムの日です〕

 

「大丈夫そうだね…」

 

〔何故ですか?〕

 

「舞香は記憶喪失なんだ」

 

〔舞香先輩が記憶喪失………〕

 

〔舞香先輩、私のことも分からないんですか?〕

 

『ごめんね。葵さんの事、覚えてないの…』

 

〔そんな…どうして…〕

 

「自分の予想だけど、この世界の影響を受けて記憶喪失になったんじゃないかな」

 

〔この世界の影響?〕

 

「周りを見渡せば分かると思うけど、簡単に言うと、この世界は異世界なんだ」

 

〔異世界…そうなりますよね〕

 

「ちゃんと分かってるみたいだね」

 

〔お二人は、何をしてたんですか?〕

 

「舞香と一緒に飲み物を探してるんだよ」

 

『でもね、自販機に飲み物が売ってないのよ』

 

〔飲み物ですか…必要ですよね〕

 

「飲み物は売ってなかったけど、飲み水は確保するつもりだよ」

 

〔この世界って異世界なんですよね。もしかして魔法を使えたりしますか?〕

 

「魔法か…、持ってるカードの能力次第では魔法を使えると思うよ」

 

〔それなら水魔法を使えれば、飲み水を確保出来るのでは?〕

 

「うっかり八兵衛、その方法があったね…」

 

『うっかりはちべえ?』

 

「ごめんごめん、気にしないで」

 

「もし水魔法が使えたら簡単に水が手に入ると思ってたのに…忘れてた」

 

「葵ちゃん、やりますね」

 

〔そうかな〕

 

『じゃあ、飲み水は手に入るの?』

 

「水魔法が使えるカードがあれば、問題ない」

 

『水魔法が使えるカードはあるんですか?』

 

「持ってるから大丈夫だよ」

 

『それなら良かったです。これからどうしますか?』

 

「そうだね。帰還方法を見つけるのも大事だけど…」

 

「舞香や葵ちゃんみたいに巻き込まれてるメンバーが、他にもいるかもしれないから、探してみますか?」

 

『そうですね。簡単に見つかりますかね?』

 

「そう簡単には見つからないと思うけど、やるしかないよね」

 

「葵ちゃん、強制はしないけど一緒に来ますか?」

 

〔はい、私もメンバー探しを手伝いますので、連れていってください〕

 

「分かりました。それなら手始めに…仲間契約しますか?」

 

〔仲間契約?私に何をするつもりなんですか…〕 

 

「待って、ちゃんと説明するから…」

 

『大丈夫だよ。私も仲間契約したから安心して』

 

〔本当ですか…〕

 

沼人は葵に仲間契約について説明する

 

〔舞香先輩の言葉を信じて…沼人さん、宜しくお願いします〕

 

心の声「考えてみれば、舞香は初対面の自分の言葉を何故信じてくれたんだろうか…」

 

「じゃあ、いくよ」

 

沼人がマイカードの仲間契約に触れると、二つのマイカードが出現

 

沼人は、大西葵のマイカードを選び、仲間契約の申請をすると

 

〔これは何ですか?〕

 

「契約書だよ」

 

〔契約書?どうしたら良いんですか?〕

 

『葵さん、はいを選べば良いんだよ』

 

〔舞香先輩、分かりました〕

 

大西葵は、はいを選んだ。

 

「葵ちゃん、これで仲間契約完了です」

 

〔思ったより簡単に契約出来るんですね〕

 

「そうだよ。解約も簡単に出来るよ」

 

〔そうなんですね〕

 

「葵ちゃんは、携帯は持ってる?」

 

〔持ってます。何故ですか?〕

 

『それは、私が携帯をなくしてしまったからだね』

 

〔なるほど…。思えば、携帯って使えないですよね〕

 

「使ってみたの?」

 

〔誰とも連絡がつきませんでした…〕

 

「まあ、異世界だからかな…でも不思議とゲーム機能は問題ないよね」

 

〔後、ゴーグルは必要なんですか?〕

 

「何とも言えないけど、自分はしてるね」

 

〔それなら、リュックにしまいますね…〕

 

心の声「葵のゴーグルは舞香と違って知ってるタイプなんだよね…」

 

「葵ちゃんは、何のカードを持ってるのかな?」

 

〔私ですか…、えーとですね。R高松瞳先輩で~す〕

 

「だと思った」

 

『そうなんですか?』

 

「葵ちゃんは、ひとみん推しだからね」

 

〔そうなんです…めっちゃ語れます!〕

 

〔後は、N齋藤樹愛羅先輩、N永田詩央里先輩、N大西葵です〕

 

心の声「舞香は実物のカードだったのに…葵は違うのか…」

 

「そうだ、このくまたんのカードを葵ちゃんにあげるよ」

 

沼人は葵に、くまたんのカードを渡す

 

〔くまたんがカードに…、本物のくまたんに会いたい〕

 

「思えば、くまたんって、持ち歩いてたんじゃないの?」

 

〔リュックの中にいれてたのに、何故かいなくなってて…〕

 

『勝手に消えるなんてあるんですかね?』

 

「これも異世界の影響なのかな」

 

〔くまたんのカードって、どう使うんですか?〕

 

「普通に召喚すれば良いだけだよ」

 

〔まだ召喚したことないんですよ〕

 

『安心して、私が教えてあげるよ』

 

〔舞香先輩…、ありがとうございます〕

 

『沼人、どうしますか?早く行動しないと、夜が来ますよ』

 

「そうだよね。次は魔物を倒して食料を集めるか…」

 

『歩くのも大変だから、移動手段を確保出来ませんか?』

 

「移動手段か…、車はないかもしれないし…」

 

「そういえば、近くに牧場があったはず…」

 

『牧場ですか?』

 

「じゃあ、魔物を倒しながら、牧場を目指そう」

 

『良いかもしれませんね』

 

「葵ちゃんも、自分の案で良いかな?」  

 

〔はい〕

 

三人は移動手段を求めて、牧場を目指すのであった

 

 

続く

 

かもしれない…

 

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あくまでも私の妄想なので

 

登場人物は本人とは一切関係ありませんので

 

宜しくお願いします

 

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