無味乾燥なスケジュールをひたすら繰り返すだけの生活の中で、





数少ない楽しみはやはり三度の食事でしょう。






刑務所でもとにかく毎日の話題の半分は食事の献立だったような気がします。

 





拘置所の場合は工場などへ出ませんから、







裁判や取り調べ時以外の食事はすべて部屋で食べます。







各自プラスチック製のトレイ・汁椀・平皿を所有し、






配食係(2名一組)が台車の上に食事を乗せて部屋の前に回ってきたときに食器を小窓に出し、






盛りつけてもらいます。

 






この配食の際の盛りつけが不公平にならないように、







刑務官1名がつきっきりで作業を監視しますが、







これが実は外界でも想像できないくらい、







大変に重要な仕事なのです。

 






とにかく大事な食事ですから、






少しでも量が少なかったり

(他人よりも少ない、または前回と比べて少ない)






すると直ちに文句を言う輩が必ずおり、







配食係も受刑者ですからすぐに殺気だって喧嘩になりますので、







それを防止するために刑務官が監視するのです。







それでもなんだかんだと毎日のようにどこかの部屋の前で揉めていましたから、







拘留者の食に関する欲というのは相当強いものでした。